2007年04月26日
 ■  イングラム先生のお悩み相談室 (その6)

スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その146
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1175437229/l50


前回の続き



602 :599 :2007/04/04(水) 04:19:45 Jd5lEIHt
おまけ

自分で書いていて、あまりの壊れっぷりに削除した一文。
取り合えず、置いときます。

※ODE…ではありませんが、九割方冗談で書いています。自己の責任でお読み下さい。
キャラのイメージを大切にしたい方はスルー推奨。




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「見ていて本当に気の毒だな、アイツは。…何とかしてやりたいが」
 寝台に潜っても、頭を掠めるのは先程見たアラドの疲れ切った表情だった。
 …イングラムがここまで気にかけるのは、その発端に自分の行動があるからだけではない。…アラドに笑顔を取り戻して欲しい。そんな強い思いがあった。
「…寝るか」
 だが、どれだけ思いを巡らせても良い考えは浮かばない。イングラムは思考する事を放棄して、睡魔の尻尾を掴んだ。

――そうして、彼の下にも甘美な地獄が訪れた
「う…ぐっ…かっ、ぁ…!」
 不意に襲ってきた息苦しさ。呼吸の自由が奪われたイングラムは眠りの底から浮上しようとする。
「息…が、ぁ…肺が圧迫、されて…!」
 重たいものが自分の胸に圧し掛かり、その重みで潰れた肺は正常な機能を果たせなかった。
「ぐ…ぅ、…なっ、何だ?」
 堪らずに目を開けたイングラム。…前にも似た事があった気がする。そんなデジャヴュが脳内を通過し、状況の確認に努める。
 …自分に密着する見知った感触が確かにあった。

「あんん…少佐ぁ…♪」

 エッチぃ声が聞こえてくる。
 不埒な輩がその豊満な乳をイングラムの胸板に乗せて爆睡していた。
「この…馬鹿女め。何処から入った…」
 セレーナはくすぐったそうに身を捩ってイングラムの裸の上半身に体を擦り付けていた。
 …彼女に寝込みを襲われるのは初めてではない。あんな事があってから流石に警戒したイングラムは自室の戸締りを厳重にしていたが、この女には効果が無かった様だ。
「他人の安眠を妨害しおって…!」
 前は不問と言う事にしたが、今回ばかりは無視する訳にはいかない。眠りを邪魔されたイングラムは内に燃える怒りのままに大声で叫んだ。

「チェンジ!」

「なっ!?なんですとおおお~~~!!?」
 セレーナが飛び起きる。裸のお胸が惜しげも無く晒されてぷるぷる揺れた。
「五月蝿いわ乳牛!とっととその脂肪の塊をぶら下げて消えろ!」
 だが、そんな事で一端火が付いたイングラムの怒りの火は消せなかった。

―――スパン!
「「なっ」」
 突然、イングラムの部屋の自動ドアが壊れんばかりの勢いで強引に開かれた。二人はそれを成した人物を見て絶句した。
「私の出番の様ね」
 そこには下着だけを着用した先生の片割れが仁王立ちしていた。
「っ!!…たっ、大尉…!」
「聞こえなかったのかしら?敗者は潔く消えなさい。この場に居て良い女でなくてよ、貴女」
「…くう」
 イングラムに拒絶された事を知っている様にヴィレッタは謂う。セレーナはぐうの音も出せなかった。
「な、何が…起きてるんだ?」
 流石の先生も状況が飲み込めない。そもそも何だってチェンジ等と戯けた事を口走ったのだろうか?…案外、アカシックレコードの為せる業かもしれない。
「ふっふふ。馬鹿ね。胸に執着は無いってアレほど言ったでしょうに」
「ぅ、ううぅぅ~~~」
 懲りずにそれに頼った貴様の落ち度だ。ヴィレッタはセレーナを嘲笑し、セレーナは半泣きになりながらイングラムを見た。

「あー…胸が張ってるなら、搾って貰ったらどうだ?…俺以外の誰かに」

「少佐の阿呆~~~~!!!近親マニア~~~!!!!」
 床に落ちていた自分の装いを拾い上げ、セレーナは滝の様な涙を流しながら出て行った。 

 グラマー × 『有害 取り扱い注意』

「邪魔者は消えた。それじゃあ…ね」
「む」
 兄のそれを彷彿させる艶のあるエロ声だった。
 スス…と、軽やかな足取りで片割れに近付く妹。そこには微塵の躊躇も無い。
「私が貴方の一番だって事、思い出させてあげるわ」
 そうして、イングラムの唇を指でなぞるヴィレッタ。だが、兄は情熱的な妹を放置して寝台に身を横たえた。
「一線は越えんぞ?…と、言うか寝させてくれ…」
「…チッ」
 ヴィレッタは舌打ちした。

―――三十分後
「・・・」
「んっ…イングラム……」
 寝付きがかなり良い部類にヴィレッタは入るのだろう。寝台に潜って数分でヴィレッタは夢の世界に旅立った。
 抱き枕である自分の兄をギュッと抱きながら、夢飛行を堪能する妹の寝顔は幸せそうだった。
 だが…
「これは…寝る以前の問題、だな…っ」
 イングラムは一人取り残された様に起きていた。眉間には皺が寄り、今の現状に不満がある事を如実に語っている。
 その原因は簡単な事だった。
「ほ、骨が…当たって痛い…っ!」
 ヴィレッタの恥骨、鎖骨、腰骨…その他諸々がイングラムの肉に食い込んでいた。その痛みからイングラムは完全に眠気を削がれてしまった。
 ヴィレッタは胸や尻は出ているが、それ以外の箇所の脂肪は非常に薄い。体重が50に満たないのだからそれが当然。だが、そんなモノに抱きつかれては痛いのは必定だった。
「ぐっ…く、糞。こっちの気も知らないで、スヤスヤ寝おって…!」
 かなり強い力で抱き付かれているので、その抱擁を解く事は不可能だった。存外に硬い抱き枕はヴィレッタのお気に入りの様でそれを離す気配を見せない。
 理不尽な怒りが湧いた先生はまたあの台詞を叫ぶ。

「チェンジ!」

「え…ちょ、な、な…!一体、何!?」
 ヴィレッタもまた飛び起きる。どうして自分がそれを宣告されるのか理解していないらしかった。
「喧しいわ虚弱体質!お前は肉付きを良くする所から始めろ!」
「ちょっ…!あ、貴方は何様のつもりなのよ!」
「お前の体は痛いんだ!早く失せろ!出直せ!」
 …端から見れば凄まじく間抜けな寸劇にしか見えないだろう。だが、そのどちらも切実なモノを抱えると言うのが笑える。
 感触が気に入らないと言う理由で女をとっかえひっかえする兄と、自分の欠点が兄の安眠を妨げる事に気付けない妹。…シュール過ぎる光景だった。

―――スパン!
「え、援軍か!?」「今度は誰よ!?」
 ヴィレッタがそうした様にイングラムの部屋の自動ドアがまた強引に開かれた。…恐らく、修理が必要な状況になっているに違いない。
 次なるチャレンジャーが入場してきた。
「ご指名有難う御座います♪」
「Oh…mammy」 
――あなたは何処のお水のお姉さんですか
 血の気の失せたイングラムはそのままフラッ、と寝台に沈みそうになった。その人物は先生にとっては忘れられない女だった。
「ア、ヤ…っ!あ、あなた…」
 アヤ=コバヤシがかなり際どい下着を着用として現れた。
「敗者は此処には居られないルール…そうでしたよね、隊長?」
「…ぅ、あ…」
 そんなルールは何時決まったのだろうか…?恐らく、ほんの小一時間前だろう。
 自分がセレーナにそうした様に言われるヴィレッタ。アヤはそんな悔しそうなヴィレッタを凄惨な笑みを浮かべながら見ていた。
「これは、苛め?いや、新手の嫌がらせか…?」
 此処まで来れば、どんな状況だろうが笑い話にしかならない。イングラムは何とかこの状況に納得いく解を出そうとするが、それは無駄だった。
「それで…誰がイングラムさんの一番ですって?」
「ふ、ふん…そんなの、そ…そんなの…」
 決まり悪そうにイングラムを見るヴィレッタは半泣きだった。何か自分を助ける言葉が欲しいヴィレッタはイングラムに縋る。

「済まんが…俺の一番は俺自身だ」

「っ…そ、そう。そう…なの」
 今の現状に於いて、誰も自分の伴侶に添える気は無い。イングラムはそう語った。助け舟を出されなかったヴィレッタは潔く部屋を出て行く。
「くたばってしまうが良いわ。…インポ野郎…っ!」
 最後の最後に捨て台詞を吐いたヴィレッタの顔には涙が一筋伝っていた。

 スレンダー × 『問題外 ご協力有難う御座いました』

「やっと…機会が巡ってきました。イングラムさん…」
「・・・」
 情の篭った翠の瞳が燃えていた。それを直視出来ないイングラムはプイ、と顔を背けてベッドに逃げ込んだ。
「…つれない人。私の心、知っているのでしょう?」
 イングラムの背中にのの字を書くアヤは寂しそうだった。
「…ODEシステムの発動は不許可だ」
「…意地悪」
 恨みがましい視線が背中に刺さる。イングラムはそれを全力で無視して寝る事に努めた。
 縁りが戻りそうになっている現状に於いて、再び過ちを犯す事だけは避けたかった先生だった。

―――三十分経過
「っ…あ、ぁ…くぉぉぉ…っ…っ!」
「イングラム少佐……好きぃ…」
 もう何が起こっても驚かない。そう居直った先生だったが、そんな空元気はアヤには通用しなかった。
 二度ある事は三度ある。セレーナの時を超える息苦しさが先生を苛む。
「かっ…ぁっ、気、道が…ふ、塞がれ…!」
 否、これは息苦しさと言うレベルではない。切実に呼吸が出来ないのだ。口も鼻も柔らかい感触に包まれ、鼻腔に漂ってくるアヤの甘い体臭。
 あろう事か、アヤは自分の均整の取れた美乳でイングラムの顔を抱いて寝ていたのだ。先生の口や鼻はおっぱいで塞がれていた。
「ぬ、ぅ…っ!!!」
 …嘗て別の世界で自分が倒したアンドロイドや怪獣、自分が殺した超機人がこっちに来るなと大声で手を振っていた。
 三途の川が見えた先生はその死に至る包囲網を突破し、漸く呼吸の自由を得るに至る。
「はあ…はあ…はー……くっ」
 貪欲に酸素を肺に取り込みながら、死に向き合って自然と零れた涙を拭う。…こんな抱き癖は以前には無かった筈なのに。
 イングラムはそのアヤのした行為に恐怖を感じて叫んだ。

「もう、もう良い!独りで寝る!!」

「えええぇぇーーー!!?そ、そんなあ!!」
 アヤは自分がしでかした事の重大さに気付いていない。…或いは、無意識の産物だったのだろうか?そう考える先生は本当に薄ら寒くなった。
「黙れ殺人者予備軍!ふ、復讐か?お前を捨てた事に対する復讐なのか!?」
 添い寝で殺されかけるのは御免蒙る。こんな危ない抱き癖を持つアヤとは寝られない先生だった。
「復讐…って…わ、私…何かしました?」
「…今は何も言わずに去ってくれ。…頼む」
 もう、威嚇する気力すら奪われてしまった。イングラムはただ、静かな眠りを欲した。
「い…イングラムさん…!」
 アヤの瞳に浮かぶ涙。イングラムはその程度では動じなかった。自分の命がかかっているのだから当然だ。
「俺の部屋から…出て行ってくれ。アヤ」
「ぅ…っ、うう…少佐のドスケベ!!…種馬ぁ!!!」
 よよよ…と、顔を覆い部屋を飛び出していくアヤ。その背中を見送ったイングラムはやっと平穏を手にした。

 標準体型 × 『殺人衝動有り 危険人物』

「…そんな派手に種を撒いた覚えはないのだが」
 捨て台詞がドンドンと凶悪なモノになっていったが、もうそれがこれ以上酷くなる事は無い。寧ろ、その程度の悪態しか吐けないのなら可愛いモノだろう。
「しかし…やはり、自分の時間と言うのは大切だな」
 蒼い長髪を掻き上げて、もぎ取った平穏な時間の大切さを噛み締めたイングラム。…こうやって、構われている裡が華なのだろうが、やはり物には限度と言う物がある。
 …アラドはきっとそんな現状に息苦しさを感じているに違いない。
「俺ならば上手く立ち回れるだろうが、アイツにそんな器用な真似は出来んか」
 ある程度は割り切って行動できるイングラムは大人だ。こう言う事があったとしても、あの連中とはまた笑って酒を酌み交わせる事を知っている。
 が、若いアラドはそんな行動が取れるほど場数を踏んでいないだろうし、経験そのものが未熟だ。幼い…と言っても良いだろう。
 …そんなアラドをある意味食い物にしている女達。このままいけば、最悪血を見る事になりかねない。
「取り返しの付かん事になる前に、俺の出来る事をしてやるか」
 我が身を振り返り、改めて知れた危機的状況。崖っぷちのアラドを救うのは同じ境遇に居る自分しか有り得ない。
 そうして、心に静かな闘志を芽生えさせると、イングラムの心にアラドに指し伸べる案が浮かんできた。それを綿密に脳内で図上演習しながら、イングラムは睡魔の誘いを受けた。




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603 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/04(水) 05:14:29 h/LzB3+U
いつぞやのアラド×チームTD以来のファンです。
ODEの方も楽しみにしとります。
先生シリーズはいくつか取りこぼしがあるのが悔やまれます。
すぱろぐの補完に期待。

投稿者 ko-he : 2007年04月26日 09:47 : スレ内ネタ:SS

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