2007年03月28日
 ■  ImJrrEkU 氏作SS『Across the Nightmare』

スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その136
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前回の続き



634 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/02/28(水) 15:54:59 ImJrrEkU
流れを一刀両断してss投下
お悩み相談室の派生。恋愛調味料

(イングラム先生×セレーナ)


微ODEシステムなのでろだに上げときます。
捏造が肌に合わない方はスルー推奨

※ちょっぴり大人向けなSSです。独自の組み合わせなので公式設定重視な方はご注意下さい※





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 まどろみに落ちて、思考が闇に閉ざされた。
———不意に襲ってきたのは浮遊感だった
 瞳を開けると緑色の液体の中を揺蕩っていた。熱くなくまた冷たくもない粘稠の水が体に絡みつく。
その感触が不快で体を動かし、もがこうとするも、体は動かない。
 神経が寸断された様な気分。ふわふわと海中を漂う海月の様だと自分をせせら笑う。
「っ?」
———そして
 コツコツ、と誰かの靴音が聞こえてきた。…否、誰かではない。その足音の主が誰だかは知っている。
 叫びだしたい衝動に駆られたが、声は残念ながら出なかった。
 どんどんと足音は近付き、不意にその音は止んだ。緑色の闇の向こう側に広がる深遠の闇を睨む。そこには…
「!!!」
———四つ目の銀色の仮面が覗き込んでいた
 ゴボゴボと口の端から気泡が漏れ、肺の内部に液体が流れ込む。
 そうして、再び意識が闇に落ちる寸前にその仮面は目の前から既に消えていた事に気づかされた。。


「はあ…はあ…っ」

———連邦極東基地 イングラム私室
 時刻は明け方の少し前。はだけた上半身には脂汗が浮き、前髪が額に張り付く。
 イングラムは荒い息を直そうとしないで、張り付く髪を払った。

「また…あの夢、か」

———調整層の悪夢
 ここ最近は縁遠く、全く見なくなっていたイングラムにとってのトラウマだ。
 要因は不明だがその悪夢が原因でイングラムは自分の叫び声の起こされたのだった。

「くっ…枷は、振り払えないのか」

 頭を抱える様にして、寝台に蹲る。全身が寒く、熱を失ったかの様だ。
 己の出生、そして切り離せない因果の鎖。それに蝕まれるイングラムは独りで泣いている子供の様に小さく見えた。


 …寝覚めは最悪。何度も寝直そうとしたが、ささくれ立った精神が頑としてそれを拒んだ。
 結局イングラムはそのまま一睡も出来ずに朝を迎えてしまった。

「・・・」

 気が付けば仕事をしていた。起きてから誰に会ったのか、どんな事を口走ったのか全く記憶にない。
 唯、病んだ精神を平静に戻す為にデスクワークを行ったがそれも数時間と続かなかった。
 そうして彼は廊下へと出て行った。
 覇気が感じられず、正体無く彷徨うイングラムは見るからに不安定で、ワカメを頭に抱いた歩く電柱の様だった。

「イングラム少佐!」

 そんな彼にすれ違い、頭を下げる人物は多い。
 最近の先生の好青年ぶりは評判で、周囲にはガソリンでも飲んで頭がぶっ飛んだのではないかと言った揶揄すら飛んでいる程だった。

「少佐?」

 だが、今の彼にはそんな事に気を払う余裕などない。目の前の誰かが判読不明の言葉を投げ掛けていた。

「少佐…どうか、しました?顔色が…」

———ああ、煩い
 聞こえてくるノイズは病んだ精神を更に傷つけ、言葉と過去の記憶を脳内に散乱させる。空に浮かぶ風船の様だ。おかしくてたまらない。

「……体調が、悪いんだ」
 
 無意識にそう口走っていた。体調ではなく、本当は精神が不安定なだけだ。
 だが、その精神が体調にまで影響を与えている。強ち間違いではなかった。

「大丈夫ですか?本当に具合が悪そう、ですけど」
 
 …喧しい。そうじゃないから顔色が悪いんだろう。そう思うなら放って置いてくれ。
 心の中で悪態を吐き、目の前の人物を睨む。
 しかし、その人物はイングラムの敵意の視線を受けながらもイングラムを心配そうに見ていた。
 どうやら、威嚇すら出来ないほどに酷い状態らしかった。

「…じゃあな」

 これ以上話すとボロが出そうなので、イングラムはそそくさとその横をすり抜けてた。
 その人物は尚も心配そうにイングラムの背中に視線を注ぐ。
 …一体それは誰だったのか?
 非常に特徴がある、一度会ったら忘れない面をした輩だったがイングラムは思い出せなかった。それ以上にどうでも良かった。
 
 その後、仕事も身に入らない程の消耗振りにイングラムは早々に自室に引き上げ、上半身だけ脱いでベッドに入った。

「う…っ」

 が、ベッドに潜ってみても睡魔は襲ってこない。寧ろ、体も心も眠る事を拒んでいた。
 もう一度見てしまうかも知れないと言う恐怖がそれに拍車を掛ける。
 こう言う時は寝酒を呷って無理矢理寝てしまうのが常法だが、残念な事にイングラムは酒を切らしていた。
 …その後、何時間か冴えた目をした己を何とか寝付かせようと躍起になった彼は、漸く睡魔の尻尾を掴む事が出来た。

———そうして日が暮れて

「う…ぅ…っく、う」
 
 不意に襲ってきた寝苦しさがイングラムの意識を現世に呼び戻した。

「な、何…だ?」

 イングラムを起こしたのは寝苦しさと言うよりは息苦しさだった。
 前の様に悪夢に叩き起されたのではない。物理的な重みが胸に圧し掛かり、呼吸の自由を奪っていた。
 当然、イングラムには持病などは無いし、息苦しさを覚える様な要因は何処を探しても見つからない。
 だが、現実に己の呼吸は奪われている事実。その原因を解明する為にイングラムは未だ半分寝ている体を起こす。

「な、何?」

 が、体は思う様に動かなかった。そうして、イングラムはハッとする。

「これは」

 人一人分の重石を抱いている様な負荷が体に掛かっている事に気付かされたからだ。
 そう言えば、誰かが密着している柔らかい感触だってするし、鼻腔を擽る良い匂いや静かな寝息もするのだ。
———誰かが自分に抱き付いて寝ている
 …それが息苦しさの答えだ。

「この感触…女、か?」

 普段の彼にはあり得ない事だ。寝込みを襲われそうになれば直前に気付く筈なのだ。
 それに気付かなかったのだから、それだけ精神が参っていたと言う証拠だろう。
 しかも、部屋を施錠した覚えも無い。その隙を狙われたのだろう。
 …が、そんな不埒な真似をするのは誰なのか?イングラムが知り得る限り、そんな人物は頭に浮かばない。

「…大胆な奴だ。しかし…誰だ?」

 大胆と言うよりは命知らずと言った方が適任だろう。
 今は好青年が板に付いているが、本来的にイングラムは自分に害を成す輩には命の保障をしないと言う危険な一面を持つのだ。
 そんな男のねぐらに潜り込む輩は酔っ払いかイカレ野郎のどちらかだ。イングラムは己に抱きついて寝ている輩の顔を覗き込んだ。

「セレー…ナ?」
「すー…すー…」
 
 何と吃驚。犯人はセレーナ=レシタールだった。彼女は下着姿で先生に密着し、爆睡している。
 長い桃色の髪がイングラムの青い長髪と絡み、どぎつい色のベルベットを織り成していた。

「このアマ…」

 セレーナには何時の頃からか一方的に懐かれてしまった。だが、イングラムは個人的に彼女と特別親しいとは思っていない。
 飲み友達の延長位にしか思っていないこの女がどうしてここに居るのかが先生は理解出来なかった。
 …否、もうこの際、何故などと言う野暮な詮索はしない。
 問題なのは妙齢の女性が同じく若い男の寝台に潜り込んできた事にある。
 彼もまた生物学的に男である以上、過ちが起こらないとは言い切れないのだ。
 それを無視してやってきた目の前の女に怒りを通り越して呆れが胸に沸いてきた。

「ぅ、うぅー…ん」

 その不埒者はイングラムに絡み付いて、スリスリと体を擦り付けて来た。完全にイングラムの胸枕で熟睡している。
 幾ら何でも気安過ぎるだろう。

「しかし、この女…」

 前から抱き付いてくる女だった事は記憶していたが、寝ている時もそうだとは恐れ入る。
 「俺は抱き枕ではない」と思わず引っぺがしたくなったが、流石にそれは可愛そうなので止めた。
 寝顔が綺麗だったのでそれを眺めていたい気分に駆られたのも理由の一つだった。
 エルマ曰く、寝相が悪くしょっちゅう蹴飛ばされていたらしいが、今の彼女はとても大人しい。
 鼻提灯をぶら下げている訳では無いし、涎や鼾、歯軋りだって無い。
 切れ長の瞳は閉じられ、鼻腔から漏れる寝息が鎖骨辺りを擽って少しこそばゆい。
 そして、寝苦しさの原因になっている彼女の誇る大きな乳房は先生の胸板に押し付けられ、零れた肉は柔らかそうで、また美味そうだった。

「……何だかんだ言っても、お前も女、か」

 そう零したイングラムはセレーナの頭を軽く撫でた。
 抱き疲れて少々暑苦しいのだが、かなりの高身長のを誇るセレーナのムッチリとした肉感は素晴らしく、抱き枕としては申し分無い。
 …嘗て脂肪の塊呼ばわりした彼女の胸だって、今はでは何故か心地良さすら感じる。

「ふう…全く、気が利くのか利かんのか判らん女だ」
「ぅん…っ、ふう…んん」

 優しく撫でる度に艶っぽい声がセレーナから漏れた。
 じっとり汗ばんでいる彼女の肌から汗の香が匂い立ち、少し先生を妙な気分にさせた。
 だが、寝入っている女性に狼藉を働く程先生は堕ちていなかった。

「これで…手打ちにしてやるよ」
 
 ニヤリ、と笑い、イングラムはセレーナをギュッと抱いて目を閉じた。
 男の寝台に無断で押し入ってきたのだ。だから、どの様に扱われ様がセレーナは文句が言えない立場だ。
 イングラムはセレーナを抱き枕にする事に決めたのだった。

「アン…♪」

 溶けた甘い声と共に、セレーナが身を捩る。イングラムはセレーナの早くなっていく心音を聞きながら、意識を眠りの底に沈めていった。
 心細い時に寄りかかれる相手が居る事はある意味幸せな事だろう。案外、セレーナも人恋しかったのかもしれない。
 …その夜、イングラムは悪夢を見る事は無かった。

———翌朝
「オイ貴様、起きろ」
「ぅ…っ、うう」
 起床時間になり、目を覚ました先生。セレーナはイングラムの寝台で尚も惰眠を貪っていた。
 ベシベシと頬に軽い平手を見舞って無理矢理この自堕落女を起こそうとする先生。   
 …女で碌な目に合わない星の下に生まれているのかも知れない。
「あー…朝?」
「そうだ」
 そうして漸く起きたセレーナは半分寝ぼけていた。焦点が合っておらず、目の前の人間を自分の相方と勘違いしている。
「っ…今日は随分、優しい起こし方じゃない?エルマ」
「ほう?因みに、普段はどう起こされている?」
「えー?…そりゃあもう、水ブッかけられたり、電気ショックからケツバットまでそりゃ酷いんですよ」
「それは難儀だな。…お前ではなくエルマが」
 やれやれとイングラムが溜息を吐く。それだけ寝起きが悪い女を起こすエルマの苦労は想像を絶するモノだろうからだ。
「ちょ…それ、酷くありません!?」
「起きないお前が悪いのだろうが」
「そうですけど…私は寝起き……が………」
「?」
 言葉の末がどんどん尻すぼみになっていくセレーナ。イングラムは怪訝な表情をした。

「少、佐?」

「俺がイングラム=プリスケン以外に見えるか?」
 セレーナは状況を理解して茹蛸になる。下着姿の自分を見られまいと慌ててタオルケットを引っ張って体に羽織る。
 だが、そんな事をしてももう無駄だった。
「あ、ああ…あ、あの〜(朱)」
「落ち着け。…言い訳を考える時間をやろうか?」
「お、おネがゐジまづ……」
「うむ…」
 タオルケットを頭から被って小さくなっているセレーナを放置してイングラムはてきぱきと仕事の準備を始めた。

「い、いやあ〜…その〜、昨日は飲み過ぎちゃって…あははははは」
 乾いた笑いと共に出てきたセレーナの言い訳。イングラムは元より聞く気は無いので、取り合えず適当に頷いてやった。
「あれ〜おかしいですねえ。自分の部屋に向かったつもりだったのに…」
 もう出勤時間が迫っていた。小言を言って時間を喰うのも馬鹿らしいのでイングラムは単刀直入に言葉を言う。
「セレーナ=レシタール」
「は、ハイぃっ!?」
 イングラムが厳かな口調で名を呼ぶとセレーナは相変わらず下着姿のままでビッ、と敬礼をする。たゆん、とそのお胸も揺れた。
「こう言う寝込みを襲う真似は俺個人としては勘弁願いたい。次があるなら…事前に伝えてくれ」
「は?」
「酒の所為にした様だが…お前の寝息は酒臭くなかったからな」
 つまり、それはセレーナが自分の意思でイングラムの部屋に乗り込んできた事に他ならない。
 そして、この女の事だ。イングラムが文句を言った所でこう言う事があった以上は必ず二度目があるのは間違い無い。
 説得しても無駄とイングラムは悟ったのだった。
「あう///」
 セレーナ自身としては、イングラムが起き出す前に部屋を抜け出るつもりだったのだろうが、寝過ぎてしまった…と言うのが真実に近い。
 それを裏打ちする様にセレーナは赤い顔を隠す様に手で覆っている。慣れない女の武器に頼ったセレーナの落度だった。
「取り合えず、俺は出勤するが…」
「な、何ですか」
 イングラムはセレーナをまじまじと観察する。頭の先から、腰の括れ、腿の瑞々しさから全て。
 その視線の舐める様なねちっこさにセレーナは少し顔を引き攣らせる。

「お前はシャワーを浴びていけ。汗臭くて甘ったるいぞ?」

「少佐?女に汗臭いって、それはちょっと」
 事実を述べているだけだ。素直に受け止めろ。
 …そんな表情をしながらイングラムは床に散乱しているセレーナのトゲ付きの赤い装いを拾い上げてベッドに放り投げる。
 そうして先生は自室から出ていこうとするが、彼は思い出した様にセレーナに振り返った。
「ああ、そうだった。最後にもう一つ」
「今度は…何ですか」
 文句でも言われるかと思ったのか、セレーナは少し身構える。が、先生の発した言葉はそれ以上に性質が悪かった。

「いや…お前は柔らかくて気持ちが良かった。…抱き心地は最高だな」

「/////////しょ、少佐のエッチ」
 そんな台詞を残して自室を出て行くイングラム。ポツンと部屋に取り残されたセレーナはイングラムのベッドで独り悶えていた。

「……っ、甘過ぎる香だな、アイツは」
 時間が無くてシャワーは浴びられなかった。
 装いだけを変えて、ミーティングルームに急ぐイングラムは自身の体臭を鼻を鳴らしチェックする。
 …昨夜、セレーナに付けられた甘い匂いは暫く取れそうに無かった。
「…?」
 そうして、付けられた匂いに辟易するイングラムは廊下の先に佇んでいる(浮いている?)クリオネ型の自立型AIの姿を認める。
 セレーナの相方のエルマだ。
「あ!イングラム少佐!…おはようございます」
 エルマは先生に元気に挨拶した。特に毛嫌いしていたり、警戒している様子は見られない。頭部の羽がピコピコはねている。
「おはよう、エルマ。お前が独りで居るとは珍しい。ご主人様はどうした?」
「ええ…それが、昨日は帰ってこなくて」
 なるほど、とイングラムは頷いて見せた。先生はそのご主人様が何をしていたかを知っている。
 …そんな内面を一切垣間見せず、先生は他人事の様に言ってやった。
「…なあに。偶にはアイツも自分の用事を片付けたい時もあるだろうさ。その辺りは深く突っ込むべき内容ではないな」
「え…?でも、セレーナさん…周りに迷惑を掛けてないか心配で…」
 …エルマがセレーナをどう言う人間と見ているのか先生は気になったが、その思いは頭から放逐した。
「心配する気持ちも判るが、アイツも大人だ。分別は弁えている筈……だ?」
「あの、疑問系で返されても、僕にはどう答えて良いか」
 昨夜、先生は寝込みを襲われたのだ。分別があるのかと問われれば、間違いなくセレーナは無い部類に入るだろう。
 だが、それを純情少年であるエルマに伝える事は出来なかった。
「…アレだ。アイツも女だ。お前にも言えない秘密の一つもあろう。お前がそこまで心配する事は無いと思うが?」
「でも…」
「セレーナを信じていないのか?」
「それは…」
 少し卑怯なやり方だが、先生はエルマを丸め込む事にした。
 セレーナが自分と一晩一緒に居た事を知られるのは情操上にも世間体にも悪いのだ。例え何も無かったとしてもだ。背に腹は変えられない。
「何事も無かった様に帰ってくる女さ、アイツは。だから、こんな廊下ではなく、セレーナの部屋で待っていてやれ」
「は、はい…少佐。そうしてみます…!」
 相談室を締め括るかの様にエルマに無理矢理言って聞かせた。エルマはそんなイングラムの微笑とエロ格好良い声に素直に従った。
 AIをもだまくらかす先生は詐欺師の才能があるのかも知れない。

「俺は時間だからもう行く。…じゃあな」
「はい!態々有難う御座いました!…あの、少佐?」
「ん?どうした」
「いえ…その、昨日と比べて随分と血色が良さそうですけど、体調は良くなったんですか?」
———ああ
 イングラムは納得した。昨日廊下であったのはエルマだったのだ。確かに一度会ったら別の意味で忘れられない輩である事は間違い無い。

「ふっ…若い女の精気を少し吸わせて貰ったのさ」

「え?…え??」
 ニヤリと笑うイングラムの言葉に込められた意味をエルマは終ぞ理解出来なかった。


———BAR ヒリュウ
 仕事帰りに寄った何時もの場所。数日振りに飲む酒は実に美味く感じられる筈だった。筈だったのだが…
「う…む…」
 カウンターの定位置でゆったりと酒を飲む先生。だが、その顔色は何時にも増して青い。

『『(じ〜〜〜〜〜)』』

 物陰から睨む片割れと昔の女の針の様な視線がダブルで突き刺さってくるからだ。
「少佐……何をやらかしたのですかな?」
「…別に。法に抵触する様な遺憾な真似は決してな」
 心配そうに…否、気の毒そうに顔を覗いて来るマスターたるショーン副長は全てを見越している様だった。
「少佐も…損な役回りですなあ」
「………キツイの、くれないか」
 俺が悪いのか?…俺が何をしたんだこん畜生。
 イングラム先生はこのまま酒を呷って寝てしまうか、それとも群がる有象無象を喰い散らかすかを真剣に悩み始めた。
 マスターは苦悩する青ワカメに並々と注がれたアイリッシュのタンブラーを差し出した。




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646 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/02/28(水) 18:09:07 24TP36f2
>>634 GJ。
捏造だけどヴィレ&アヤを放ってないあたりがイイと思った。


711 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/02/28(水) 22:58:41 6wwbs0Ym
>>634 今読んだ。凄い破壊力だな。不覚にもおっきした。ルアフ様がまた泣くなww


2006年10月30日
 ■  IHPebctq氏SS 「彼のメンテナンス」

スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その97
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1156946528/l50

注意:このSSは非常に糖度が高いため、肉体や精神が溶解する恐れがあります



752 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/09/04(月) 01:07:47 IHPebctq
じゃあ、細々スレに投下する予定だったものを

 リョウト君に「僕のどこが好きになった?」と訊かれた事がある。
 「どうしたの?」と聞き返すと、「リオ、僕のことはタイプじゃないって言ってたって聞いたから」と言われた。
そう言えば、そんな事もあったなぁと感慨に耽っていると、「やっぱり本当なんだ」と傷ついたようなリョウト君の声が聞こえた。
 …可愛い。
 しょぼんとしたリョウト君を堪能しつつ、しばらく悩んだ末に、「情けなさそうだけど本当は芯が強いところ。後、顔」と正直に答えると、
何だか複雑そうな顔をしていた。褒めたつもりなんだけどな。
 それから私だけ訊かれるのは不公平だと思って今度は私から同じ質問をしたら、
「全部」と即答された。嬉しいことは嬉しいけど、何だかすごくいい加減だと思って頬を膨らませたら、
リョウト君が苦笑しながら「本当だよ」と言っておでこにキスをしてくれたので許してあげた。
 それから、「私もリョウト君の全部が好き」と訂正した。

 リョウト君と同棲するようになって数ヶ月、それまでよりずっと長くリョウト君と一緒にいる事になって、
それまで見たことがなかったリョウト君の一面を次々と見せられて、
ますますリョウト君が好きになった。…怒ってる時はちょっと怖いけど。
 一人でいる時もリョウト君のことを考えるだけで胸がきゅんと痛んで、
リョウト君も私の事が好きなんだと思うととても幸せな気持ちになる。
 でも、やっぱりリョウト君と一緒にいる時が一番楽しい。それも、二人きりでいる時。
私のほかにはリョウト君しかいなくて、リョウト君のほかには私しかいない。
 誰の目も憚らず、好きなだけ甘えていられる。そんな時が一番幸せ。


 嬉しいことに、リョウト君も同じ気持ちみたいだ。
 仕事が忙しくて家にまで仕事を持ち帰った時の事。
 リョウト君があまりにも私の相手をしてくれないものだから、
家事の合間に甘えようと横に座った時(リョウト君はローテーブルで仕事をする。
作業机に比べて全く機能的ではないが、実家でそうやって勉強していたかららしい)も、怒られるかと思ったけど、
リョウト君は何だかものすごく照れたような顔をして、それからものすごく申し訳なさそうな顔をして、
それからそれから優しく微笑んで、子猫をあやすように指でくりくり私のおでこや顎を撫でて相手をしてくれた。
 それで、私も子猫の気分になってリョウト君にされるがままになっていると、リョウト君の指が私の唇にそっと触れた。
 …いけない。目を開けると、やっぱりリョウト君は少し意地悪い顔になっていた。

 私とリョウト君が男女の営みをする時、
リョウト君は決まって意地悪い顔をして私の唇を指でそっと撫でる。意地悪い顔をするのは、私が受け一方だから。
唇を撫でるのは、意思確認の為。言葉にするには恥ずかしいし、
口付けだと私には刺激的過ぎて、された途端に力が抜けて拒めなくなってしまう。
だから、唇を撫でて私がそのままでいるようならばオーケー、そうでないならNGと言う風に暗黙の了解が出来上がったのだ。

 その時はまだ家事の続きがあったので、ぱっと立ち上がって台所に逃げ込んだ。
 逃げ込んだ、というのは台所が一種の安全地帯だから。
台所で(何をするのかは各人の想像にお任せする)、というのは男の人のロマンらしいけど、
リョウト君もご多聞に漏れずにそういうものが好きらしい。
 同棲を始めて最初に台所に立った時にリョウト君に手伝ってもらっていたら、
意思確認もなしにいきなり抱きつかれて意地悪く色々と…。
 その日の料理はお世辞にも上手くできたとはいえなかったけど、疲労していたからかとても美味しかったのを覚えている。
 だけど、何度目かの時、私が包丁を持ったままの時にじゃれあっていた時に、私が指を怪我してしまった。
 傷は大したことはなかったけど、あの時のリョウト君はものすごく自分を責めて、
台所ではそういう事(くどいようだが、どういう事かは想像にお任せする)をしないように固く誓ったらしい。
 以後、台所ではした事がない。当然ではあるけれど、少し、残念でもある。

 私に逃げられたリョウト君は少し残念そうな顔をしていたけど、直前まで何をやっていたかを思い出し、黙って仕事に取り掛かった。
(今にして思えば、仕事の続きをしたいから、わざとあのタイミングで私の唇に触れて私を追い払おうとしたのかもしれない。
そう考えると何だか見透かされているようで癪に障る。今度問い質してみよう)
 そんなリョウト君を眺めつつ、私は既に出来上がっていた料理を皿に盛り始めた。
「テーブル、素直に片付けてくれるのかな。食事しながら仕事したりしないかな」そんな事を考えつつ。

あ、オチがない



755 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/09/04(月) 01:33:38 ba+Rbl67
>>752
アイビス「あまーーーい!!ニッポンのもちもちした名古屋名物より甘いよっ!!(顔真っ赤)」
ツグミ「(う○ろうなんてどこで知ったのかしら、この子……)」
イルイ「(なるほど、ポイントは台所かぁ………メモメモ)」


アヤ「は、早く………早くRー3の所へ行かないと…………(ヨロヨロヨロ……)」
マイ「アヤ…………(´・ω・`)」
ライ「(それほどまでの精神的ダメージだったのか…………)」



756 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/09/04(月) 01:38:29 VB7BmSQ7
あぁなんか「○○○かわいいよ、かわいいよ○○○」と叫びつつ悶え喜んだり、
みそラーメンつくって夜勤のリオの帰りを待つリョウトネタ書きづらくなっちまった。



757 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/09/04(月) 01:40:51 IHPebctq
なにその誠君

2006年08月08日
 ■  あーるわんタンの恩返し Ver.2



61 :名無しさん@ピンキー :2006/07/17(月) 21:57:44 Nz+3ibYT
なんだろう、なに書いてるんだろう、俺





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 午後、非番のライディース・F・ブランシュタインが義手の調整をしていると、
バダンッと扉が開き。リュウセイが飛び込んできて、叫んだ。
「大変だ、ライ」
「どうしたっ、リュウセイ」
「聴いてくれっ」
「いや。だから訊いているだろう、なんだ」
「大変なんだ、俺が——

 俺、部屋で寝てたんだけどさ。そしたら、こんこんってかわいらしいノックの
音がしてさ。なんだろうなぁって思って、扉開けたわけさ。なんだと思う?
『知るか』
 女の子が居たんだよ、女の子。ラトとかマイくらいの女の子が立ってたんだよ。
しかも可愛いんだよな、モロ俺の好みっていうか。
 青みがかった短い黒髪に、黄色いカチューシャつけててさ。翠の瞳が綺麗で、
吸い込まれる感じって言うか。ハハ、俺なにいってるんだろうな。
『待ったくな』
 んでさ、アヤと同じチームの制服着てたんだよ。
 でもよぅ、初めてみた子なんだよな。なのにさ、なんか見覚えがあるんだよな。
誰だっけなぁって思いだそうとしたんだけど、思い出せなくてさ。きみ誰?って
訊いたら、なんて言ったと思う。
 ふふんっ、おっどろくぜぇ。その子が言ったんだ
「わたしは“あーるわん”です」ってよ。

 あーるわんて、あのR—1かよって訊いたら。ほっぺた真っ赤にしてさ、照れ
たみたいに
「はい、そうです。いつも優しくしてくれて、ありがとうございます」
 だってさ。びっくりしたね、ホント。
『……ああ』
 んでさ。なにしに来たのって訊いたら。あーるわんたらよぉ、
「お礼しにきました」
 なぁんて、かわいいこと言うわけよ。鶴の恩返しって奴だな。昔話の世界だよ
な、まったく。
 俺は訊いたわけよ、お礼ってなにくれるのって訊いたら。あーるわんがしゅる
るるるぅって服脱いで、
「わ、私です」
 なんて言ったわけよ。
 そんなこと言われたらもう、ウハータマランてなるだろ? なるよなぁ、そう
だよな。したらさ、俺全裸なんだよ。靴下は履いてたけど、他にはなにも着てな
くて、あーるわんはベッドにねころがってる訳だ。
 もう準備は万端てやつだな。
 俺はあーるわんの脚を開いてやって、あーるわんの接続ジョイントを舐めてや
ったんだ。そしたらさ、アールワンのやつが、
「いやっ、ひっ、リュウセイさぁん、ジョイントぬるぬるしちゃいます、あーる
わんの大事なとこ、気持ちいいですぅ」
 ってさ、かわいい声でなくんだよな。
 そうなったら、もう迷いはないっていうか、することは一つっていうか。
「ヴァリアブルフォーメーション」するしかないわけで、
「ああーっ、うらぬす☆しすてむ、いっちゃいますぅ」ってなるわけよ
『そうか。ところで一ついいか、リュウ』
 あ? なんだよ。
『俺たちは、こんなことをこんなタイミングで言うのもなんだが。友だな』
 あったり前だろぉ、なーに言ってんだよ。
『そうか…………』
 んで、続きなんだけど——そうそう。
「リュウセイさんの破砕剣すごいですぅ、とってもヴァリアブルで、Tリンクツ
インコンタクトって感じで」
 すっげ、かわいくてさ。なんか絡まってくるかんじだし、全部吸い取られそう
で、すっげぇ気持ちよくてさ。
 つまり
「あっあっあっ、んっ、んぅっ、いく、いっちゃう、リュウセイさぁん」
「イくぜ。天上天下一撃必殺砲」
 てなったわけよ。
——おい、聴いてんのか?


あーるわんタン

『あ、はい——えぇ、救急車を一台……はい、黄色い奴を』




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63 :名無しさん@ピンキー :2006/07/17(月) 22:10:58 93Mg2ctR
腹痛くなるくらいワロタ
アホやあんた最高のアホや(褒め言葉)



64 :名無しさん@ピンキー :2006/07/17(月) 22:32:56 perr0drY
三木&置鮎ボイスで全部再生されちまったじゃねぇかwww

あの二人ならやりかねん・・・



65 :名無しさん@ピンキー :2006/07/17(月) 22:33:48 ZKVsIn4q
ライのリアクションは正しいなw



66 :名無しさん@ピンキー :2006/07/17(月) 23:19:41 rRNhp7Sb
>>61-62
天上天下ワロスwwwwwwwwww
やべえ、傑作だ。



67 :名無しさん@ピンキー :2006/07/17(月) 23:58:45 gdLJevDH
寝酒吹いた。
笑い殺す気か」w



68 :名無しさん@ピンキー :2006/07/18(火) 00:12:12 Z/KA/L5Z
久々に茶吹いたw
>>62は天才だなwwww



69 :名無しさん@ピンキー :2006/07/18(火) 06:31:57 UIf5rYM7
OK.後々あんじゅるぐちゃんとか大きさ以外何も変わってないう"ぁるしおーねちゃんとかともリュウセイは出会うんですな。

超スピードで神挿絵を描いた絵師様ぐっじょぶです!!!

2006年08月07日
 ■  貪り〜むさぼり〜 やめて、弄っちゃヤダ!

注意:一部過激な描写がありますのでカティアな方以外はご了承してスルーしてください


925 :名無しさん@ピンキー :2006/07/07(金) 16:44:44 Fiuqkrkm

話は違うが。
エルマくんを擬人化するのは有りなんだよね、そーだよね。




926 :名無しさん@ピンキー :2006/07/07(金) 16:56:20 FXfU2R60
>>925
達人は擬人化せずにリュウセイ×エルマだ!


928 :名無しさん@ピンキー :2006/07/07(金) 19:20:46 GnjDxykw
>>926
「俺……初めて会った時からずっとお前のことが気になってたんだ…
 好きだ、エルマぁっ!!」
「リ…リュウセイさん!?ボク、男の子ですよ!?」
「そんなこと関係ねえ!俺のものになってくれ、頼む!」
「ボクはセレーナさんのパートナーなんです、そんなことできるわけ…
 な、なにをするんですかリュウセイさん、放してください!」
「ああ…この固光りするボディ、愛らしい瞳、つんと立った二本のアンテナ…
 なにもかもがたまらないぜ…」
「や、やめてください!そんなところ触っちゃ…っあぁ!!」
「この固い装甲の下はどうなってるのかなー、ちょっと拝見」
「駄目です、装甲脱がせちゃ……いやっ、やめて…」
「へへへ…こうしてるとエルマの中がよく見えるぜ。配線の一本一本から
 基盤に書かれた数字まで丸見えだ…」
「お願い…見ないで……見ないで…ください…」



929 :名無しさん@ピンキー :2006/07/07(金) 19:23:54 kMXUgfdb
>928
GJだw

リュウセイの嗜好と思考と施行がどうなっているの小一時間問いたい

2006年05月22日
 ■  アラゼオイル(+15)

【プニプニ】ゼオラタン萌えスレ3【たぶるんっ】
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gamerpg/1055508756/l50

アラドと再会出来たゼオラは勢い余ってアラドの部屋に向かうが…


149 名前:アラ ゼオ イル :2003/06/18 02:51 xlZ5rtv/
始めはただ、アラドと再会できた事の嬉しさの余りに舞い上がってしまい、夜更けだと言うのにアラドの部屋まで来てしまったのが原因であった。
しかし、いざドアの前に立った途端、これから自分がしようとしている事に気がつき、ゼオラは真っ赤になって顔を覆った。
コレでは他人からして見れば夜這いの他何でもない。

「でも、やましい事なんてするつもり無いんだし、あの子がココでどんな生活をしていたのかだって気になるし……」

誰にする訳でもない言い訳をして、ゼオラはアラドの部屋のドアを開けようとした。

「ふ……あぁ……」

ふとドコからか擦れた声がして、ゼオラは飛び跳ねそうになった。
慌てて辺りを見回しても、当然誰も居ない。
バクバクと緊張する豊かな胸を抑え、深呼吸する。

「アラド……、あ、あん……」
「——ッ!?」

ゼオラは一瞬自分の耳を疑った。
アラドの部屋から、女の子の声が聞こえた——。
唐突に浮かんだ想像を打ち消すように、ゼオラは耳を済ませて聞き耳を立て、1分ほど部屋の中から聞こえる音に全神経を集中させ——

——後悔した。

想像が現実だったと証明されたショックと、ついさっきまで自分に歯の浮くような台詞を言っておいて自分以外の女の子とアラドが体を重ねているショック、
そしてその相手が虫も殺せぬ顔をした幼女であるイルイであったショック。
アラドは何時からあんな貧乳……もとい、洗濯板で満足できるようになったのであろうか?

151 名前:アラ ゼオ イル :2003/06/18 02:54 xlZ5rtv/
いや、それ以前にアラドがイルイを誘ったのであろうか?

ショックの余りに我を失ったゼオラの妄想は加速していく。
話に聞いていた限りでは、イルイとアラドの出会いは単なる偶然で、逃げ送れたイルイを偶然アラドが救出したというものだ。
ならば立場としてはアラドの方が上、つまり、アラドが命を助けた事をネタにイルイにこんな事を強要している事となる。
だったら許せない。しかし、あの気の弱いアラドがそんな事を言えるだろうか?
スクール時代から一緒に過ごしている自分がそういう事は一番理解している。まずアラドにそんな度胸はない。
ならば関係を迫っているのはイルイの方か!?確かに、気の弱いアラドの事だ、いくら貧乳とは言え、裸の女の子に迫られたら何も言えずに受けに回ってしまうだろう。
……ん?アラドが受け側?あのホッペをプニプニされながら、イルイと肌と肌を重ねていると言うのか……。
悪いのはイルイ?うん、間違いない、あの子だ。あの子がアラドを誘惑するからいけないのだ。よし、ならばアラドを救出しよう!!

余りに長い妄想に区切りをつけたゼオラの目には決意の炎が揺らいでいた。
最初にこのドアの前に立った時の保守的な態度はドコへやら、真実も知らない状態で悪役に仕立て上げたイルイに対する怒りが燃え盛っている。

「アラド!! イルイ!! そこまでよ!!」

バァーン!!とでもドアを蹴破りそうな勢いで部屋に飛び込んだゼオラが見たものは、ホッペをプニプニされているアラドと、手を後ろに縛られてアラドの上に裸で座らされているイルイ。
そして、アラドのホッペを満面の笑みでつついているヴィレッタであった。


152 名前:アラ ゼオ イル :2003/06/18 03:04 xlZ5rtv/
「……(パクパク)」

開いた口がふさがらないとはこういう事か。

予想していた通りの状態の、受けアラド。
ズボンは下ろされ、イルイと合体はしているものの、それ以上にホッペをつつかれる度に息を荒げているのが気にかかる。

次にイルイ。正直スマンかった。
この様子からして君はヴィレ姐の被害者みたいだ。もう何も言うまい、スマンかった。

最後に、予想だにしなかったヴィレッタさん。
妖艶な笑みを浮かべ、ひたすらアラドのホッペをプニプニしている。

(何でこの人がこんな所に?)
ゼオラは半ば放心したままその異様な光景を見つめていた。

そのときのゼオラに確かにいえる事は、アラドが異様にホッペの刺激に対して敏感であったことくらいである。

(終われ)

2006年03月21日
 ■  おくすりの時間(+15)

高熱にうなされるイルイ。心配する室内犬サイズのシモベ達。
ソフィア・ゾンボルトは熱の下がらないイルイの為に………

ちょっとエッチな描写があるのでチビッコ達は見たらイヤン

「………はぁ…はぁ…うん……」

 一人の少女の苦しげな息を吐く音が部屋に響く。
普段は二つにくくっている柔らかな金髪も今は下ろしている、額に乗せられた熱取りシートもすでに生ぬるくなってしまっていた。
そこにコンコン、とノックの音が響いた。

「はぁい…」

 力の無い声でその少女、イルイが答える。
音を立てないようにドアが開いて、イルイを引き取ってくれたゼンガーの心の伴侶、
いや、今では戸籍の上でもゼンガーの伴侶となった女性ソフィア・ゾンボルトが入ってきた。
ベッド横に屈み込みながらイルイの様子を調べる。

「まだ大分つらそうですね…」
「だい…じょうぶ、だよ……」
「無理はしちゃだめ。はい、お水、飲める?」
「ぅん……んっ…んっ…ぷは…」

優しく声をかけながら、少し頭を上げさせて水を与えながら心配そうにイルイの額の熱取りシートを変えると、耳温計を用いて体温を測る。

「8度1分……お医者さんに行きましたけど、まだ高いですね…」

 季節の変わり目で気を抜いてしまったのか、愛娘イルイが風邪をこじらせてしまい、この三日ほど高熱が続いている。
何度か7度の半ばまで下がったこともあったのだが、またすぐにあがってしまう。
ソフィアは熱を下げるための方法をしばらく思案していたが、先日から風邪のウィルスによる原因の胃炎を併発したのか、
上腹部の痛みを訴えているイルイに解熱剤を使用するのは避けるべきだ。
だが、熱が続いて眠ることも困難なようなこの状況では、少し熱を下げて休ませることが必要だろう。

「イルイちゃん、ちょっと待ってて。今お薬もってくるから」
「は…ぁ、はぁ…ぅん…」

 解熱方法に思い当たったソフィアが薬を取りに部屋から出る、再び部屋にはイルイの苦しげな息を吐く音のみが響く……。

しばらくするとドアが再び開いてソフィアが戻ってくる。
その足元には、第三次大戦後に室内犬サイズに縮まって復活したザナヴ、ケレン、カナフが心配そうにちょこちょこ着いて来ていた。
そして、ソフィアの手にはパッケージに包まれた薬……。
イルイは重い体を必死に動かして上半身を起こし、薬を飲みやすい体勢をとろうとした。
しかし、義母はそんなイルイの肩を支えるとその身を転がそうとする。

「イルイちゃん、ちょっと体動かすね」
「…ぇ?うん…」

 薬を飲むんじゃなかったのかな?ときょとんとするが、義母に任せるがままになるイルイ。
だが、枕に顔を埋めて、膝で体を支えて尻をもたげた四つん這いの姿勢をとらされて混乱する。

「え?え?お母さん?」
「さてと……じゃあお薬入れますよー」
「へ?」

 ソフィアが薬をケースの中から取り出す。
弾丸型の乳白色の薬……一般に「座薬」といわれる種類の処方薬だ。
す・・っとソフィアの手がイルイのピンクのパジャマにかかり、するりとそれを下げおろす。

「ふぇぇぇっ!?!?!?!?」

 イルイはいきなりのことにびっくりして体をひるがえしてソフィアを見つめる。

「お、おか、お母さんっ!?な、なにを……?」

 パジャマのズボンをずりあげながらソフィアに問う。
しかしソフィアはきょとんとしたまま、手に持った座薬をイルイの方に向ける。

「え?なにって……このお薬をお尻に…」
「お、おしり…?」
「……あ。そ、そうなのよ。このお薬はそういう風にするお薬なの。大丈夫だから…安心して。ね?」
「……ぅ、ぅん……」

 座薬というものを全く知らなかったイルイだが、学者でもある義母の言葉なら信用できる。
ちょっと恥ずかしいけど、自分を治そうとしてくれる義母の想いと、早く元気になってゼンガーたちを安心させたかった。
イルイはゆっくり体を動かすと先ほどと同じように四つん這いの姿勢をとる。
そして、ソフィアの前に小さなぷっくらとした臀部を差し出すと、ぎゅっと枕を握り締めながら挿入を待つ。

 恥ずかしそうな娘の姿に、早く済ましてあげようとソフィアはするり、とパジャマのごと下着を下ろす。
真っ白なお尻に、絵画などの天使を思い浮かべて、思わず撫でそうになってしまうが嫌われてしまうだろうと、思いとどまる。
座薬の先端をとっ、とイルイのすぼまりに押し当てた瞬間…

「ひゃっ!!!」
「あっ、ご、ごめんなさいっ、くすぐったかった?」
「だ、だいじょうぶ…」

 体を引いてしまったイルイが再びソフィアの方に尻を向ける。

「じゃあ、行きますよ…我慢してね…」
「んっ…ン…〜〜っ」

 ゆっくり、ゆっくりと先端がイルイの中に押し込んでいく、しかし、5mmほど埋まった瞬間イルイが尻を引いて逃げる。
風邪による体のダルさも忘れて恥ずかしさに顔を真っ赤にしてソフィアを涙目で見つめる。

「や…いや、それ……」
「うーん…だけど熱下げちゃわないといけないの。我慢して、ね?」
「ぅー……」


 恥ずかしさに唸って俯くイルイの頭を優しく撫でながら、ソフィアはイルイの体を再び横たえさせる。
しかしこのままではまた恥ずかしくて拒否反応を起こすだろう…すぐに入れるようにしないと…。
座薬をぼぅっと眺めると、ふと何かに気付いたように、ベッド横でイルイのお尻を出している姿を恥ずかしがってあらぬ方向を見ている三つの僕に声をかける。

「ザナヴちゃん、ちょっといいかしら?」
「がう?」

 ぴょこん、とベッドの上に飛び乗るとソフィアの口元に耳を傾ける。

「…?」

 イルイがなんだろう?と怪訝な表情でその様子を見ていると、ザナヴがぱたぱたと尻尾を振りながら部屋を出て行く。
30秒ほどしてザナヴが口にオリーブオイルの瓶を咥えて再び部屋に戻ってきた。

ソフィアは「ありがとう」とザナヴの頭を撫でながら瓶を受け取る。
そして、その瓶から少量手に取るとそれを座薬の先端部に塗りつけていく、同時に指に油をを垂らすと、それをイルイのすぼまりになじませる。

ふにゅ…

「ひぅ…ッ!」

 イルイの体がぎくりと強張る。ソフィアは優しく、優しくイルイの菊蕾をもみ込んで括約筋の緊張を解こうとする。
爪を立てないように細心の注意をもってマッサージを施す。

「ぁ……ぁっ……ん…っ」

 真白い尻肉がゆっくりピンクに染まっていき、イルイもまた目の前がピンク色に彩られていく。
小さな口からはぁはぁと高熱のため以外の原因による熱い息を漏らすイルイ。

「…きもち…ぃぃよぉ…」
「っ!!」

 受け入れやすいようにと下準備したつもりだったが、イルイが予想外の言葉を口にしたことでソフィアは驚愕する。
おそらく熱にうかされたため感覚を素直に告げたのだろうが、性教育上コレはまずいと判断して早急に挿入してしまおうと、座薬を小さなすぼまりに押し当てる。

「力をぬいて…」
「ぅん……」

 くにゅっ、にゅくくく…っ

 先ほどとは違い、オリーブオイルが潤滑油の役目を果たして進入が容易に行われていく。

「ひぃ…あっ……!」

 自分の中に異物が進入してくる……、その違和感に奥歯を噛みしめながら枕を抱いた。
排泄器官として出るということしか知らないイルイにとってこの感覚は頭を混乱させる。

「ひゃ…ぁん……ゃっ…ゃぁ…」

 ぞくぞくっ、ぞくぞくっとイルイの背筋を駆け上り、頭を痺れさせる快感のようなものにイルイは悶える。
半ばほどまで入り込んできたそれの後部に指を押し当てると、ソフィアはぐいっとそれを押し込む。
見る見るうちに埋まっていく乳白色のソレ……体の中で圧迫感が増していくことに解れた体が再び強張り始めた。
とうとうその違和感にイルイはぽろぽろと涙を流しながら逃げようとしてしまう。

「やぁっ!!…やっ!!」
「っ!!」
「はなしてっ…!はなしてっ!やぁ…っ、やぁぁっ!!」
「ごめん、ごめんねイルイちゃん…でも我慢して…」

 逃げようと体をずり上げたイルイの腰を抱きとめるソフィア。
抵抗するイルイを動かないように抱きしめながらも、最後の一押しを押し入れた。
座薬全部がイルイの中に挿入される、こうなると後は括約筋が自然と奥まで送り込むまで漏れないように指を少し押し付ける。

「う…っ、あっ……ぅぅ……〜〜〜〜〜っ」

 座薬が直腸内を逆流して奥のほうで安定して頓挫すると、ソフィアの腕の中で強張っていたイルイの体が突如がくん、と力が抜けた。
はぁー、はぁーと熱い息を吐くイルイ。

「なんか…おなかの中ごろごろする…」
「大丈夫……今に溶けてイルイちゃんの熱を下げてくれるから…ごめんね、恥ずかしかったでしょ?」
「……ぅん」
「ごめん、ごめんね……」

 ソフィアはイルイの髪を優しく撫でると、力弱くうつぶせにベッドに寝ているイルイの下着とパジャマをずりあげて、
さらけ出していた桃色に染まった尻を隠すと小さくて軽い体を抱き起こして仰向けに寝かせる。
シーツを直しながら、ずれた熱取りシートを額の上において優しく声をかける。

「これでぐっすり寝たら元気になれるから…ゆっくりおやすみなさい…」
「うん……ありがとう、おやすみ……」

 部屋の電気を消す。三つの僕は主の体の様子を見ていようと部屋に留まろうとするが、ソフィアは口だけ「だ・め」と動かして部屋を出るよう促す。
きゅー、と情けない声を出して名残惜しそうに部屋を出た。
やがて、荒い息がだんだん収まっていき……穏やかな寝息が部屋に響き始めた……。


 一ヵ月後、暖かくなった4月の陽気についつい研究室で薄着のまま寝てしまいひいた風邪をこじらせたソフィアが、
座薬を手に持ったイルイの目の前に熟した臀丘を晒すことになろうとは、ソフィアは全くこのとき予想もしていなかったとさ。