2007年05月15日
 ■  uK3XOKa+氏作SS「ちびアラドのケーキ」

スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その154
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1178375856/l50


975 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/11(金) 23:10:39 +6FeFPfT
…なんかエキドナがちびアラドとアラドに自分が作ったケーキを試食してもらえないかたずねてる光景が浮かんだ
そしてちょうどティータイムなのでウキーラと5人で優雅にお茶会という光景が


268 :前スレ975 :2007/05/13(日) 11:21:38 uK3XOKa+

ようやく前スレの最後で言ってたネタが書けた
ティータイムのネタだったはずなのに、全然ティータイムを書いてないのは気にしない
内容も時間がかかってしまったのも反省はするけども後悔はしない

ケーキ作りするちびアラド



◇  ◇  ◇


「ふむ、後は焼きおえたらトッピングをすればよいのだな…」

とても戦艦の中にあるとは思えないほど設備の整ったクロガネの厨房で彼女、エキドナ=イーサッキは本を片手にオーブンの前に立っていた。
彼女の目の前で稼動しているオーブンからは甘く、おいしそうな匂いがしている。
もうすぐ焼きあがるであろう、自分が生まれて初めて—と言っても、まだ数年も経過していないが—作ったケーキを前にここまでうまくいったことに満足しつつ、これを作るきっかけを作った自身の創造主、レモンの言葉を思い出していた。

「(せっかく戦い以外のこともできるんだから、何か趣味でも持ちなさい…か。とりあえず、幾つかもらった本から”お菓子作りの本”から適当に選んだケーキを作っているが…なかなかに難しいものだな。しかし…)」

このケーキをどうしたものだろう。ここまで作ったはいいものの、自分が使った分量は8〜10人分だと本には書いてある。
いくらなんでも、そんなに一人で食べることはできない。

「私としたことが、まさか確認ミスをするとはな…」

以前の自分なら考えられないことだが、過ぎたことはしょうがない。とにかく完成させて、自分で食べられるだけ食べたあとに誰かに御裾分けすればいいだろう。
そんな風に考えていると、オーブンから焼き終えたことを示すチーンという高い音が聞こえてきた。

「ふむ、細かいことは後で考えるか。先にトッピングを済ませてしまおう…うつったか?」

自分が口にした言葉にどこぞの突撃小僧の顔を浮かべつつ、エキドナは焼き終えたスポンジケーキをオーブンから取り出し、トッピングを始めた。


一方、どこぞの突撃小僧は…

「は…ハーックシュッ!…誰かうわさでもしてしてんのかな…それにしても、ちびのやつどこに行ったんだ?」

鬼ごっこ中のちびアラドを探してクロガネの艦内を歩いていたりする。

「あー、でも失敗したなぁ…遊んでやるとは言ったけど、まさかクロガネ全部を使った鬼ごっこなんて…見失ったら、探し出しようが無いぞこれ」

自身の分身である以上、なんとなくどこら辺にいるだろうというのは薄々感じるが、距離があるとその感覚もあまり働かない。
勘と運を頼りにして探し出すしかなかった。

「(それにしても…)」

自分が幼かったころも、今のちびのように遊んでもらっていたのだろうか。
昔の記憶は奪われてしまって存在しないが、自分にもたぶん両親がいたはずだ。…捨て子とかでフェフ博士に拾われてたとかだったらいやだが。
ともかく、ちびは分身であると同時に自分の子供のようなものだ。父親のように接してやりたいという気持ちがある。

「確か、カイ少佐って子供がいるって言ってたよな…今度子育ての仕方でも聞いてみよっかなー…おっ!」

今、少しだがちびの気配を感じた。どうやら、近くに隠れているらしい。
距離から考えて、食堂辺りだろう。行き先が決まったアラドは、今までよりも速度を上げて歩き出した。


「…何をしているのだ、お前は?」

今、エキドナの目の前には何かから隠れるかのようにうずくまっているちびアラドがいた。
トッピングを終え、ケーキを切り分けようとしたエキドナが下の戸棚から包丁を出そうとしたところ、その戸棚の中にいたのである。

「…ッ!…ッ!」
「…ふむ、アラド曹長と鬼ごっこをしている最中で、見つからないように隠れていたのか。しかしな、刃物があるところに隠れるのは感心しないぞ、ちびアラド。怪我でもしたらどうする。それと、それは鬼ごっことやらではなくて、かくれんぼというものではないのか?」
「!(ハッとした顔)」

気付いてなかったらしい。とりあえず、危ないので戸棚から抱きかかえて外に出す。少しまぶしそうに目を瞑ったのは、ずっと暗いところにいたからだろう。
あまり抱きかかえられたことが無いのか、自分の服をぎゅっと握ってくる。

「…なんとなく、悪い気分ではないな」

自分が無意識につぶやいた言葉に驚いた。まさか、自分がこんな言葉を発するとは…レモン様が聞けば喜んでくれたかもしれない。
何はともあれ、これからどうすればいいだろうか。下ろそうとしても服を離さないし、かといってこのままちびアラドを抱え続けているわけにもいかない。
さて、どうしたものか…

「ん〜と、こっちの方から…あれ、エキドナさん?…と、ちび?何でエキドナさんがちびを抱っこしてんすか?」
「む?アラド曹長か、ちょうどよかった。お前のファミリアが私の服を掴んで離さん。どうにかしてくれ」

アラドがエキドナとちびアラドに近づき、ちびアラドにこっちに来るよう言ったり、アラドが代わりに抱こうとしてもちっともエキドナから離れようとしない。どうも、エキドナに抱っこされるのが相当気に入ったらしい。

「困ったな…作業の途中だったのだが」
「え、マジッすか?俺が代わりにやるんで、ちびが自分から離すまでもう少し抱いてもらってていいすか?」

アラドの申し出にエキドナも同意する。どうせ後は切り分けるだけだったのだから、別に問題はないとふんだのだ。

「なら、そこにおいてあるケーキを切り分けてもらえるか。大体8等分くらいにしてくれればいい」
「これっすか?…うまそうなケーキですけど、ひょっとして…」
「私が作った…何か、おかしなところがあったか?」
「ちょっとクリームの塗りとかが少し荒い位で、おかしいところはないと思うっすけど…いや、そんな不安そうな顔しないでくださいよ」

少し不安そうな顔をしていたエキドナの顔が今度は安心したような顔に変わる。
…もっとも、その表情の変化はどちらの表情もほとんど気付くことができないようなものだったが。

「そうか、ならよかった…そういえば、アラド曹長は大食漢だったな。作りすぎて困っていたところだ。食べていくといい…こいつと一緒にな」
「…?」

一瞬、一瞬だけ、エキドナがちびアラドに顔を向けたとき、微笑んだように見えた。その顔がとてもきれいで…アラドは数瞬見惚れてしまっていた。

「…アラド曹長、どうかしたか?」
「…あ、いや、なんでもないっす。ごちになります」

とりあえず切り分けますねと、アラドはエキドナから視線をそらす。真っ赤になっていると自覚できるほど顔が熱い。
とてもエキドナの顔を直視することはできなかった。

「そういえば、そろそろティータイムと呼ばれる時間だな…紅茶でも入れてみるか」

アラドがケーキを切り分け終えたころ、エキドナが時計に目をやればちょうどそんな時間帯になっていた。

「あ、それならわざわざ入れなくても、多分そろそろユウキ少尉がここに「呼んだか?」ぃぃっ!?」
「何そんなにおどろいてんの、アラド?あ、こんにちは、エキドナさん」
「ちょ、ちょうど話してたところに出てこられたら誰でも驚くとおもうっす、リルカーラ少尉」

突然—少なくともアラドにはそう感じられた—現れたユウとカーラの二人にアラドは驚きを隠すことができないでいた。
たとえ来るだろうとわかっていても、心の準備をしていないでいると心臓に悪いものだ。

「ユウキ少尉とリルカーラ少尉はなぜここに?」
「ティータイムに紅茶を飲むのは当然のことなのでな…ここには、少佐が作り起きされているお菓子類もあるから、いつも利用している」
「まぁ、そんなわけで紅茶のみにきたんだけど…アラド、おいしそうなもの持ってるじゃない」

カーラの目がアラドの手元にあったケーキに向く。その目は獲物を狙う狩猟動物の目だ。

「それは私が作ったケーキだ。作りすぎてしまったので、食べてもらえると助かる」
「食べる食べる!ユウ、早く紅茶入れてみんなで食べようよ」
「急かすな、紅茶は入れる前の準備も大切なんだ。あらかじめカップを暖めておくことで(うんたらかんたら)」
「あー、もう、また始まった…しょうがないから、先にお皿出してケーキを分けちゃお…アラドの分は3人分くらい乗るお皿でいいよね?」
「あ、それでお願いするっす」

ユウが演説を繰り広げながら紅茶を入れる中、カーラはてきぱきと動いてケーキをそれぞれのお皿に移し、適当なテーブルの上に並べる。
いつもこんな風にティータイムを過ごしているのだろう。
カーラは準備しながらではあるが、実際にはユウの言葉をちゃんと聞いているであろうことがその苦笑した表情から窺える。
ユウも聞いてもらっていることがわかっているのだろう、別段気にした様子もない。いいコンビである。

「ところでさ、アラド」
「はい、何すか?」
「…なんで、エキドナさんがおちびちゃん抱っこしてるの?」

準備をほとんど終えたカーラがそれまで持っていたのであろう疑問をぶつけてくる。
まぁ、普通に考えればありえない画だ、当然の疑問だといえる。

「えーと、まぁ—かくかくしかじか—というわけでして」
「へー、でもほんと懐いちゃってるね。なんか、親子みたい」
「な!?何いってんすか!?」
「アラド、顔真っ赤だねー。でもそんな感じに見えるよ?こう、天然クール系奥さんとお母さん大好きな子供って感じ。ユウもそう思わない?」

カーラから話を振られ、ちょうど紅茶を注ぎ終えたユウが反応する。一応、こっちの話も聞いていたらしい。

「何を言っているんだ、お前は…まぁ、エキドナの髪も微妙に紫がかっている様に見えるから親子に見えないこともないな」
「ユ、ユウキ少尉まで…エキドナさんもなんか言って下さいよ」
「…天然クール系…そう見えているのか…」
「SOCCHI!?」

ほんの少しだけエキドナが不満そうな表情をする…が、その発言がまさにそれを示していることに気付いていないのが彼女らしい。

「まぁ、何はともあれみんな座れ、紅茶が冷めてしまう」
「はいはい、さ、座ろ」
「うむ、ご馳走になる」
「それじゃ、いただくっす」

5人—ちびはいまだに抱っこされているが—でテーブルを囲み一時のティータイムをすごす。
エキドナのお手製ケーキに舌鼓を打ったり談笑したりしながら楽しい時間は過ぎていくのであった…

終わり

ティータイム中、、生クリームを顔中につけてしまったちびアラドの顔をエキドナが拭いてあげてまた母親みたいだといわれたり、アラドの頬にくっついたクリームを取ってあげたり、それでまたアラドの顔が真っ赤になって慌ててしまい紅茶をこぼしてしまったり、それのせいでユウが怒って紅茶責めをアラドに決めたりしたがそれはまた別の話である。




◇  ◇  ◇




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270 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/13(日) 11:29:02 7UCZcLcl
>>268グッジョォォォォォォォォブ!!



271 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/13(日) 11:35:46 HbKHAK6R
>>268俺は最初から最後までGJだってのによお!



272 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/13(日) 11:54:04 aYroCC2A
>>268
GJなんだなこれが!


289 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/13(日) 14:22:39 8Sq2z9JB
ちょっと遅いかも知れんが・・・・>>268
お前のSSに俺が泣いてGJした!!


投稿者 ko-he : 2007年05月15日 05:47 : スレ内ネタ:SS

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コメント

母の日も近かったからお母さんなエキドナを書きたくなった。
ひょっとしたらこうへーさんに喜んでもらえるかなーという気持ちもあった。
相手がアラドなのは俺の趣味です。

正直すいませんでしたー!

投稿者 前スレ975 : 2007年05月15日 11:41

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