2007年04月08日
 ■  Ghc5az7W氏作SS「ゲシュペンスト・スピリッツ」

スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その139
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1173374026/l50


928 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/12(月) 13:32:02 Ghc5az7W
長い上に蜜柑。もとい未完の話だがまあいいや。




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「――すいません。突然」

伊豆基地。ケネス・ギャレット准将へ前回の戦果報告をしに行った帰り。廊下の向こうから聞きなれた声がした。
レフィーナ・エンフィールド。イカロス基地の士官学校を主席で卒業し、若干19歳ながらヒリュウ改の艦長としてその腕を振るう才女。
L5戦役を始めとした数々の戦いで艦を並べ、戦った人物である。
戦時中はともかくとして、今は平時。小規模紛争に大型艦を二隻も投入することは無く、直接会う機会はなかなかなかった。
丁度いい機会と思い。テツヤ・オノデラは軽く挨拶でもと、声のするほうへと足を向けた。

――するとそこには、涙を流しながらも笑顔を浮かべて話をするレフィーナ。
  そしてそんな彼女にハンカチーフを差し出すリー・リンジュンの姿だった。

和やかな雰囲気を醸し出しながら話を続ける二人。
その光景に少なからずショックを受けたテツヤは、話の内容すら耳に入らず。ただ静かにその場を離れることしかできなかった。


翌日。ハガネの艦橋では艦長席に座り込み、大きな影を背負ったテツヤの姿があった。
ブリッジ要員であるエイタやリオも、そのただならぬ様子に話しかけることも出来ず。ブリッジはいつになく重い雰囲気が漂っていた。

「各補給物資、および機動兵器の搬入完了。いつでも出港できます……艦長?」
「あ、いや、すまない。発進してくれ。最初の目的地は北米地域。到着後すぐに付近の哨戒任務に入るぞ」
「了解。こちらスティール2。コントロール、発進許可願います」
『こちらコントロール。発進を許可します。快適な航海を』
「ありがとう」
「よし。スペースノア級万能戦闘母艦ハガネ。発し「艦長。通信が入っています」ん?」
「回線、回します」

発進の号令をかけようとしたまさにその時、ハガネに向かって入ってきた一本の通信。
回線を繋いで見ると、そこに映し出されたのはレフィーナ・エンフィールドの姿だった。

「レフィーナ艦長……」
『お久しぶりです。オノデラ艦長。戻ってくるなりまた哨戒任務だそうですが、気をつけてくださいね』
「まあ上司に睨まれてる以上は仕方がありませんよ。ご心配はありがたく頂いて……」

最後にこうやって会話をしたのはいつだったか。
久々の会話に心が躍るところも無いではなかったが、次の瞬間、前日のことを思い出す。
レフィーナとリー。共に士官学校の主席卒業者であり、それぞれの所属地での評判も良い。まさにお似合いと言えるかも知れない二人のことを。

『……艦長? オノデラ艦長?』
「っ! すいません。何ですか?」
『どうしたんですか。ぼーっとして。
 それでですね。今回の航路はどのようなルートをお通りになるんでしょうか』
「あ、はい。照会すれば出てきますが、今回は北米地域から……」

それから二人はしばらく、今回の任務の目的や航路などについて話し合い。通信を終えた。
だが通信を終え、北米へと向かい出しても、テツヤの影は晴れず。相変わらず重い雰囲気がブリッジを支配し続けていた。

「ダメだな……」

艦長室。
かつてはミナセ・ダイテツが使っていたその部屋も、今ではテツヤが自分の居室として使用していた。
テツヤとしてはあくまでも艦長代理であり、そのままにしておきたかったようではあるが。周囲からいくつもの反対意見が出た結果。こうして使うことになったのである。
そんな部屋のベッドに寝転がりながら、テツヤは軽い自己嫌悪に陥っていた。
先日のリーとレフィーナの様子にショックを受け、ブリッジの空気を悪くしただけでなく、当の本人にさえ心配をかける。泣きっ面に蜂をでも言うべきか。幾つもの要因が重なった結果、自分は艦長として本当にふさわしいのか。それさえも疑問に思える始末であった。

いっそ哨戒任務の間中、部屋で寝ていようか。
そんな考えが頭を巡っていたその時、突如として艦中にエマージェンシーが響き渡った。

『艦長! 前方の街がDC残党の襲撃を受けている模様! 至急ブリッジへ戻ってください!』
「何っ!?」

急ぎ、ブリッジへと戻ったテツヤが目にしたものは幾つもの黒煙を上げる街。そしてそこへ向かって飛び立つSRXチームの姿だった。

「なぜSRXチームが出ているんだ!」
「艦長! リュウセイ少尉が勝手に出撃してしまって。後のメンバーもそれを追って!」
「くっ。状況が状況だけに仕方が無いか。ハガネも彼らを追うぞ! PTだけでは各個撃破される危険性がある!
 だが、それにしても。DCはなぜあんな街を襲うんだ」

かつての戦いにおいて、DCはそのほとんどが壊滅。現在でも残っているのはわずかな勢力に過ぎない。
もし、DC再興を目指しているというのなら、拠点となる軍事基地を真っ先に襲うはずである。だが現実には目の前の街が襲われ、無残な姿を晒すこととなっている。

「簡単ですよ。生きるには食べる物が必要です。PTを動かすには資材や資金が必要です。そしてそれが豊富に存在しているのは軍事基地ではなく……市街地です」
「だからと言って……くそっ!
 住民の避難はどうなっている!」
「ほとんどはシェルターなどに避難済みです。でも一部の住民が取り残されてると」
「SRXチームはどうしている!」
「さすがに彼らだけでは抑え切れていません。救出に向かわせるのは無理です!」
「ならハガネを向かわせる! 進路変更。取り残された住民の救出を最優先とする。
 SRXチームにも極力早めに艦の防衛に回るように伝えてくれ」
「了解!」

悪い時には悪いことが重なるもの。その言葉を噛み締める。
ならばせめて、これ以上悪いことにならないよう……。思わず、信じてもいない神に向かってそう願ってしまうテツヤだった。

「クソッタレ! なんでこんな大量のエルシュナイデが残ってやがるんだ!」
「北米基地の元司令官が誰か忘れたのか?
 わざとかどうかは知らんが、撃ち漏らした連中がどれだけいても不思議ではないだろう!
 それと何度も言うが、あの機体の名称はエルアインスだ。エルシュナイデはまだマオ社で作成中だということを忘れるな!」
「どっちでもいいから早く合流して!
 このままだとハガネに辿り着くよりも先に各個撃破されるわよ!」

ハガネに先行。というよりは専行して市街地へと向かったSRXチームであったが。残党にしては多すぎる数の敵に取り囲まれ、絶体絶命の状況下にあった。
多少の数であれば、まだSRXチームに分があったであろう。だが相手が操る機体は、以外にもエルアインス――かつてシャドウミラーからノイエDCへと供与された『向こう側』のRシリーズ――であった。

「リュウ! R-WINGで無理やりにでも囲みを抜け出せるかしら?」
「無理だ! 抜け出せたとしても砲撃は敵さんの得意分野だ。
 ロボアニメでもない限り変形中を狙われちまう!」
「仕方ないわね……。ライ! R-2の装甲を当てにしてもいいかしら?」
「了解です。大尉に合わせてハイゾルランチャーを打ち込みます。リュウセイは出来た間隙を縫って大尉の援護に回れ。俺はその後だ」
「OK! タイミングは任せ……アヤ!」

通信とフォーメーションの構築に気を取られていたアヤ。気がつけばR-3の上から、エルアインスのビームキャノンがまさに狙いを定めているところだった。

「しまっ!?」

両肩のビームキャノンに光が点り、放たれようとしたその瞬間。
上空から真下へ黒い影が抜け。同時にエルアインスを撃ち落としていった。

「なっ!?」

大地に降りた影は、そのまま戦場を駆け抜け、瞬く間に数機の敵機を蹴り落とした。

「大尉! 敵が動揺している今のうちに合流を!」
「そ、そうね。合流ポイントを送るわ。二人とも速やかに集結!」

突如現れた影に敵は浮き足立ち、その隙をついてSRXチームは囲みを脱し、合流地点へと急いでいた。
その間にも影は戦場を走り、あろうことかその拳と脚だけで、敵部隊を圧倒していった。

「いったいあれは……
 こちらSRXチーム、アヤ・コバヤシ大尉。所属不明機、名前と目的は。こちらSRXチーム」

他の二機との合流の間、アヤは正体不明の影に向けて通信を送る。
すると意外なことに、影は即座に返答をよこした。

『アーウィン・ドースティン――正義』

簡潔に。影――黒いゲシュペンスト――は断言した。





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931 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/12(月) 13:35:23 Ghc5az7W
ってことで未完の話をぐだぐだと。
んじゃ続きはODEが解除された辺りに……できるといいなあ。



933 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/12(月) 13:38:44 O28Xvu8b
>>930
ライスピネタktkr!!
でもそのキャラはジェスのがあってる気がする



934 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/12(月) 13:39:52 iHMjdLws
>>932
今気づいた。そこまでして出番が欲しいのか、ダディ…。



935 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/12(月) 13:45:00 Ghc5az7W
>>933
あー。ジェスか。個人的にジェスは内に秘めた闘志ってよりは、むき出しの闘志っぽいんで。
個人的な補正をかけてウィンにしたんだ。
何せ、俺ライスピ読んだ事ないから! セリフからイメージするしかないから!
ただ、面白いという話は聞くので仕事終わったら1巻だけ買ってこよう。

そして昼休みが終わるので仕事へ戻る。



936 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/12(月) 13:50:00 id4atix8
>>931
続き、ずっと待ってる!ずっと、ずっと…ずっと待ってるから!!ここで待ってるから!!

投稿者 ko-he : 2007年04月08日 10:22 : スレ内ネタ:SS

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