2007年03月03日
 ■  luP+udwT氏作SS「南極大決戦」

スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その127
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1170109601/l50


149 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/30(火) 22:40:51 6VTXW0DG
スネーク!タイムパラドックスだ!



150 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/30(火) 22:43:43 luP+udwT
時間と聞いて、もはや感情を抑えきれなくなった。
駄文を垂れ流させていただきたいのですが、かまいませんねッ。



151 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/30(火) 22:45:20 WIe/u20q
いいかッ!俺たちは「書き込んで良いですか」なんて言葉は使わねぇ!
「書き込んでいいですか」と聞いた瞬間。そいつは既に終わっているんだッ!
だから「書き込んだ」なら使っていい!





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152 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/30(火) 22:45:58 luP+udwT
5:05/南極上空

「この糞親父ィーッ!! 今日という今日こそ二度と復活できないぐらい痛めつけてやるっ!!」
「そんなに怒るなよぉ、ジョッシュ。お茶目なパパの悪戯じゃないか?」
「だ、黙れぇーッ!!」
「踏み込みが~足り~ん~♪ パパそんな攻撃には当たってやれないなぁ。
 ……というか、そんな負の感情丸出しで攻撃してきても、パパ元気になるだけだぞ?」
「調子に乗るなァァァッ!!」
「アッハッハッハッ!!」


16:08/地球連邦災害救助対策班・南米支部

「……氷山?」

俺、ラウル・グレーデンはカップラーメンをすすっていた。
仕方がない。『食費に回す資金があったらエクサランスへ』だ。
三人住まい中、二人に声を揃えられたら逆らえません。くたばれ民主主義。

「はい、何かしらの機動兵器が二体、南極近辺で大暴れしたようで。
 戦闘自体は既に終結したのですが、戦闘中の余波で巨大な氷山が割れました。
 現在、アルゼンチン沖へと向かっているそうです」
「氷山って言っても、所詮は大したサイズじゃないんだろ? 
 こっち来る前に溶けたり割れたりで消えるって」

ええ、それはそうなのですが、とラージが眼鏡を上げる。
大体こいつがこういう仕草をしたときというのは厄介事が追加されるときだ。

「豪華客船が近くを航行中でして。
 しかも戦闘中に使われた兵器のせいか、通信が全く通じないと」
「……なにそのタイタニック」

16:11/地球連邦災害救助対策班・南米支部・格納庫

「ミズホ! エクサランス、動けるか?」
「はい、時流エンジンは温めてあります。でも……」
「でも?」

慌しく動いていたミズホが、一転、暗い表情で立ち止まる。

「――問題の氷山が余りに巨大です。ライトニングフレームでも動かせるかどうか…」
「ライトニングでも? そんなに大きいのか…」
「はい。計算上、瞬間的な出力が足りません。
 これでは質量差で、エクセランスが轢かれちゃいます…」

エクサランスが幾ら機動兵器といっても所詮は乗り物。氷山に比べれば軽い。
軽い方が重い方を押し返そうとすれば、相当の力がいる。力負けすれば押し潰されるだけだ。

「ダイバーやガンナーの射撃で撃ち砕くのはどうだ?」
「それも相手が大きすぎて……
 …ごめんなさい、私が強力なフレームを組み立てられないから…」
「ミ、ミズホのせいじゃないさ。そんな顔するなよ!」
「でも…」
「俺はミズホにはいつも笑顔でいて欲しいんだ。
 氷山なら俺が何とかするからさ。ミズホは笑っててくれよ、な?」
「ラウル……」

お楽しみのところ申し訳ありませんが、とラージが後ろから近寄ってくる。

「――出力については、僕が都合をつけました。心配要りませんよ」
「は?」「え?」
「早くライトニングの準備をして下さい。足の都合はついています」

16:33/南極近辺・上空・タウゼントフェスラー内

「タウゼントフェスラーまで用意する、か。
 ――余程の金持ちなんだな、その豪華客船のオーナー様とやらは」
「オーナーというより、製造主ですね。
 天下のイスルギ重工様がつくった船が氷山相手に沈んでしまっては、格好がつかない、と」
「ご苦労様だぜ…」
「まぁ、そう言わないで下さい。政府とは別口に追加報酬も貰えるんですよ」

全部エクサランスの研究費に消えるわけだろうが。まぁ、喜んでるミズホを見れるなら良いけどさ

「それと俺たち以外にもう一個機動兵器があるみたいだが、あれは助っ人か何かか?」
「ええ、まぁ」

イスルギ重工様は俺たちだけでは不安ってわけだ。正直、気に食わない。

「…ま、私たちの活動は地味ですからねぇ」

ラージが俺の心を読んだかのように言う。
確かに紛争の第一線で戦っている兵器群に比べれば、
俺たちの災害救助任務は地味だし、それが若干悩みの種だ。
災害救助に有効と認められているエクサランスの維持費はともかく、
時流エンジンの研究費用や新型フレームの開発費用の申請はなかなか降りない。

「それだけに、これはチャンスです。ここで活躍すれば、臨時収入は勿論、名前も売れます。
 連邦の上の方々も我々を無視しづらくなれば、潤沢な資金が得られます。
 そうすればもっと研究が! 更なる研究が!」

耳元で狸の皮算用するな。

「見えました、氷山です!」
「よし……エクサランス、ライトニングフレーム! 出るッ!!」

16:34/南極近辺・上空

タウゼントフェスラーから放り出される。
落下スピードに舌を噛みそうになりながら、各部のスラスターを起動。
エクサランスの姿勢を強引に戻していく。

「うわ……こいつはでかいな…」

横幅だけでも3kmはある。こんなもの、どうやれっていうんだ?

『削り取っている暇はありません! 素早く決めてください!!』

通信機からラージの声が響く。

「わかってるよっ! ッ……おおおおおっ!! リアクタークラッシュッ!!」

膨大なエネルギーがエクサランスの機体各部に設けられた水晶状のパーツから迸る。

「いっけぇぇぇーっ!!」

スロットルを倒し、全速で前へ。
ライトニングは一瞬、その名の通りの光となって氷山へ向かい………

「……やっぱ無理かぁーッ!?」

返り討ちにあった。


16:34/南極近辺・海中

『ラウル! ラウルッ!!』
「あいててて……
 ……くそ、ラージの奴、どうにかしたって言って……全然駄目じゃないか…」

悪態をつきながら、機体のダメージをチェックする。幸いにも損傷は軽微らしい。

『いきなり突っ込んでいく馬鹿がいますか。この猪』
「うるさい! 何が出力は僕が都合をつけましたーだ、この陰険眼鏡!
 全然都合ついてないじゃないか!」
『つけましたよ。多分』
「多分って何だよ!? しかもエクサランスの出力は全然上がってなかったぞ!?」

激昂するこちらに向かい、ラージは呆れ果てましたという溜息をつきながら、

『あんな短時間で時流エンジンのリミッターなんて弄くれませんよ。
 一人でまた未来や過去に吹き飛ぶ気ですか?』
「こ、の、野、郎ぉ……!!」

殴る。帰ったら絶対殴る。あの眼鏡の折れ曲がりを一つ追加してやる。

『速く上がってきてください、助っ人の方々が待ちくたびれてますよ』

フィオナ、ごめんよ……お前は兄と恋人を一編に失うことになっちゃいそうだ…。
殺意を胸に、機体を上向きにし、一気に浮上する。

『――大丈夫ですか、えっと……グレーデンさん?』

海面から空へと飛び上がった時に、見慣れぬ声が通信機から呼びかけてきた。
見れば、目の前には黒い小型の機体が飛んでいる。

「あー…ラウルで良いよ。格好悪いとこ見せちゃったな。えっと、君は……」
『統夜、紫雲統夜です』

16:35/南極近辺・上空

「トーヤ……統夜? ってことは、その機体、ラフトクランズか!」
『あ、ご存知でしたか』

ご存知ですとも。フューリー騒動鎮圧の立役者。
年齢やその数奇な生まれから、メディアの注目を浴びまくった紫雲統夜さんですよね。けっ。

『あ、あの……?』
『妙な対抗意識を燃やしている場合じゃありませんよ、ラウル』
「わかってるよ! …力を貸してくれるか、統夜さん」
『は、はい!』

確かに意地を張っている場合ではない。
作戦を成功したいのも当然だが――それ以上に、氷山を砕けなければ多くの人命が失われる。

「いくぞ、リアクタークラッ…」
『馬鹿ですか、貴方は!』
「……っ、何だよ、ラージ! 折角人がやる気出してるところに」
『出し方が駄目なんです。リアクタークラッシュが通じないのは先程見た限りでしょう』
「だからって……!」
『オルゴンソードをFモードにしても出力は同等です。こうなったら重ねて撃つしか…』
『貴方も実はラウル並に無鉄砲なんですね』

悪かったな。無鉄砲で。

『貴方に使っていただきたいのはラースエイレムです。
 ……ラースエイレムの力を用いて、エクサランスの出力を一時的に強化していただきたい』

16:38/南極近辺・上空

ラージの長い長い長い説明を終え、再度俺と統夜は作戦に戻った。

概要はこうだ。
まず統夜がラースエイレムを使って、エクサランスとその周囲の時間を止める。
そのとき、強制的に時間を止められたエクサランスの周囲に、堰き止められた時流子が蓄積する。
ラースエイレム解除と同時に、溜まった時流子を取り込むことで爆発的な出力を得られる…だそうだ。

「本当かよ、それ?」
『物事当たって砕けろですよ、ラウル』

ああ今度こそ多分砕けるだろうな。エクセランスと共に物理的に。

『ラウルさん……すみません。
 俺がもっと長時間、時を止められたら、氷山を砕く時間を作れるのに…』
「あー、いいって。んな自由自在に時を止められたら、こっちが困るよ」

ラージの作戦講義の間、少し話して、大体分かった。
統夜は、メディアが言うような、フューリーと人との間をつなぐ掛け橋、なんて大層な奴じゃない。
本当のミズホと一緒だ。
すぐに落ち込んだりパニクったりするくせに、いざってとき全部自分で背負い込もうとする。

「上手くやろうぜ。…いざとなったら俺たちが客船かついで逃げりゃいいんだ」
『え? ……は、はは。それもそうですね』

機動兵器が二体、客船を肩にかついで逃げる様を想像して、自然と笑みが生まれる。

『ラウル、エクセランスのエネルギーがもう一度満タンになります』
「よし……行くぜ! 統夜!」
『はい!』

リアクタークラッシュの作動準備に入ると共に、ラースエイレムが起動される。
途端、周囲の全てがゆったりと動いているような感覚に囚われ――

『ラウル!』

――目の前に氷山があった。
エクサランスの出力は、限界寸前まで高まっていた。
機器類が異常な数値を示し、オーバーロード寸前の機体が不規則に震えだす。
この出力ならばッ…!

「おおおおおおおっ!!」

両の拳を突き合わせる。
時流エンジンが、周囲の全ての時流子を取り込み、莫大な破壊の力へと変換。
再び、いや、さっきとは比べ物にならない光が迸る。

「リアクタァァァッ!」

その全てのエネルギーを右の拳へ。

「クラァァァァァシュゥゥッ!!」

巨大な氷山へと拳を突き立てる。
一瞬の静寂の後、氷山に亀裂が走り――轟音と共に、氷山は四散した。


16:42/南極上空・タウゼントフェスラー内

「お疲れ様でした、ラウルさん…」
「あんたが統夜か……そっちこそお疲れ様だ」

聞けば、純血ではない統夜にとっては、ラースエイレムの使用は勿論、
フューリーの機体を動かすこと自体それなりの無茶らしい。
普段は副パイロットが補助に入るのだが……それでもかなりの負荷だったようだ。
赤毛の少女はぐったりと輸送機の硬いソファーにぐったりともたれていた。

「評判と現実は随分違うものだな」
「えっ、何の話です?」
「いや、こっちの話さ」

有名だからって能力が変わるわけでも、英雄になれるわけでもない。
こいつも俺も同じ、誰かを助けたくて戦ってるだけの男だ。

「ラウル! 大丈夫だった、怪我はない?」
「ああ。エクサランスは?」
「流石にあの出力は無茶だったみたいで、少し壊れたところもあるけど……基本的には大丈夫よ」
「そっか、よかった」

慌てて駆け寄ってきたミズホへ微笑む。今までエクサランスをチェックしてたのだろう。息が荒い。
後ろからはラージが来ていた。足取りは落ち着いているものの、その表情は喜びを隠せていない。

「いやぁ、本当によかったですね。まさか本当にエクサランスの出力が増すとは!
 時流エンジンとラースエイレムに何らかの共通項があるのではないかという私の勘は正しかった!」
「は?」

……勘?

「お前、何か確証があったんじゃなかったのか?」
「あるわけないでしょう。ラフトクランズに触れたのもつい3分前なのですから」
「……おい、じゃ、あれか。お前は勘だけで、俺を氷山に突っ込ませたのか」
「そうですが、何か?」

ごめんな。フィオナ。やっぱ兄さん、こいつを許して置けない。

『あーっ!? ラフトクランズがバラバラになってますぅーッ!!』
『うそ、ラースエイレムまで綺麗に仕分けされてっ……!!』

「ラララ、ラージ!?」
「いや、あれがフューリーのテクノロジーですか、実に興味深い。
 是非とも今後の研究の参考にしなければ。時間停止と時流エンジンが融合すれば……!」

くらり、と。
遠ざかる意識の中、聞こえたものは駆け寄ってくるミズホの叫び。
黒髪の少女と言い争うラージの声、互いをなだめようとする統夜の声。

……フィオナ、兄さん、元気でやってるよ。でも、少し負けそうだよ。





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163 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/30(火) 22:57:34 luP+udwT
というわけで、駄文を失礼した。
単にラウルと統夜が協力する姿を描きたかったから書いた! …それだけです。
っていうかオルゴンと時流エンジンが本当に何か関係あるのかどうかは多めに見て下さい…失礼っしました…。


162 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/30(火) 22:56:09 6VTXW0DG
>>160
GJ!なんていうか地味にいい絡み
おかずで言うと味噌汁みたいな
そしてラストはお約束w


165 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/30(火) 22:58:40 ovdcEt41
パーフェクト
完璧だ>>163
これならばRスキー、Jスキーですら萌え殺しきれるだろう


170 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/30(火) 23:07:45 WIe/u20q
>>152
……グレイト……フル……デッド……(訳:GJだ、もう誰もお前をマンモーニとは呼べない)



171 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/30(火) 23:12:11 nf3Rqvu4
>>163
GJ!
短時間でラフトを分解したラージ凄ぇw
バンプレイオスやソウルランサーもやっちゃいそうだな



172 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/30(火) 23:14:48 Fzbk3gmB
ラージw
後でカティアに簀巻かれてそうだな。

投稿者 ko-he : 2007年03月03日 16:23 : スレ内ネタ:SS

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コメント

苦労性ズに助手とラウルも加えてあげてくれ。
(助手は今回遠因だがw)
救助活動用として本格的に彼等の機体が使われる日がくる事を祈って、GJ。

投稿者 その上、名前もない : 2007年03月04日 01:33

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