2007年03月26日
 ■  JII2CCj9氏作SS「新生教導隊行軍せよ」

スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その135
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1172238167/l50


前回の続き



742 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/02/26(月) 01:32:46 JII2CCj9
>>724
俺の睡眠時間を返せー!




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伊豆基地――
極東地区防衛の要であり、あのハガネ隊を擁することでも知られる、地球において好悪問わず最も有名な基地の一つである。

その伊豆基地から約10km離れた山中に、新生教導隊の一員であるゼオラ・シュバイツァーとアラド・バランガの2人はいた。

「本隊、もうどの辺まで行っちまったかな……」
「結構時間経ったし。ここと基地の中間点くらいじゃないかな……」


――軍隊とは、詰まるところ歩く組織である。
PT・AMを駆って、あるいは徒歩で。戦場へ歩き、補給点へ歩き、基地へ歩く。
PTやAMという機動兵器も、常に使えるとは限らない。
連戦で稼働率が落ちるかもしれない。戦闘中に大破するかもしれない。
そんな時でも、兵士は歩かねばならない。
進軍するために、あるいは撤退するために。
よって、軍隊ではまず歩くことを叩き込まれる。
2人もそのための行軍訓練に参加していたのだが――

「まさか、道踏み外して足を捻るなんてな」
「悪かったわね……」
「しかも他のみんなは無視してさっさと歩いて行っちまうし。どうしたもんかね」

行軍中、疲れによって前後不覚になったゼオラは、斜面を踏み外して落下。
アラドはゼオラを助けようとし、諸共に転がり落ちてしまったのだった。

「みんな、本当に先に行っちゃったのかな……」
「あれから1時間は経ってるからな。落ちるところも見てたはずだし。
 それで誰も助けに来ないってことは、先に行ったって考えるしかないよなぁ」

斜面を転がり落ちて、始めのうちは声を上げて助けを呼んでいたのだが。
しばらくしても誰も姿を見せず、声や物音すらしなくなったことから、周囲には誰もいなくなったのだという結論にはたどり着いていた。

「このまま夜になると色々とマズイことになるからな。
 ゼオラ、足はどうだ。歩けるか」
「ちょっと……無理、かも」

考える――
このまま夜になってはマズイのだと。
日暮れ前には終わる訓練日程であったため、手持ちの水は少なく、食料はないと言ってもいい。
なにより、夜の森にはどんな獣が潜んでいるとも限らない。
情けない話だが、自分の腕でゼオラを朝まで守るのは厳しいと、アラドは理解していた。


「よし。こうなったら最後の手段だ」
「何かいい考えでもあるの?」
「ほれ、俺の背中に乗れよ」
「え……背中に、ってまさか担いで基地まで歩く気なの」

アラドの提案に目を白黒させるゼオラ。
恐らくゼオラは、このまま助けが来るまでじっとしているのだと思っていたのだろう。
確かに、隊の皆は2人が落ちた場所を把握しているだろうし。救助することを考えれば動かないという選択肢は至極真っ当なものだ。
だが、アラドはそれを選ばなかった。否、始めから選択肢として考えてはいなかった。
救助を出すのなら、始めに落ちたときに助けようとしていたはずである。
なのに誰も助けなかった以上、救助の存在すらも疑わざるをえないのである。
それにアラドは自分の体力にだけは自信を持っていた。
自分なら、ゼオラを連れたままでも基地まで戻れるのだと。

「基地まで10km。お前をおぶっても3時間もあればいけない距離じゃない。
 それよりも夜になるほうが危険だろ。飯もない、火もない、水も無い。そんなんで朝まで耐えられるのか」
「でも救助が来るんじゃ」
「来るかもしれないけど来ないかも知れねーだろ。
 それに歩いたほうが救助を待つより断然早くつく。
 ほら、ぶつくさ言ってるヒマがあったら早く乗れよ」
「ん……」

アラドはゼオラを背負うと、気合一閃立ち上がった。

「ちょっと、そんなに重くないはずだけど」
「荷物が重いんだ荷物が。
 ほら、水だけ残して後はここに置いていくぞ」

荷物を捨て、ゼオラを背負ったまま歩き出す。
しばらくすると、やはりというか。アラドの全身から玉のような汗が吹き出てくる。

「ちょっと、アラド」
「大丈夫、何とも無い」

どうみても強がり以外の何物でもない。
だが、そんなアラドを見て、なぜだかゼオラは嬉しくなる自分を感じていた。
首に回す腕に、ほんの少しだけ力を込め、すぐそばにあるアラドの顔を見つめる。

それから4時間弱。どちらも何も言うことなく。2人は行軍訓練を終えた。

基地に戻ってすぐ、2人を待っていたのはカイ少佐の褒め言葉だった。
なんでも救出部隊はずっとそばにいたが、2人が自分の意志と力で戻ってくることを期待して待機していたのだという。
そのことを聞いた2人は、その場に崩れ落ち、医務室へと直行することになったが。
復帰後、ゼオラのアラドへの小言が、ほんのちょっぴり減ったというのは誰も知らないことである。




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745 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/02/26(月) 01:35:27 SOZ6iZW9
>>743
GJ!そして乙!



748 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/02/26(月) 01:42:15 zdHVeEZw
>>743
狂おしいほどGJだ・・・・


751 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/02/26(月) 01:59:59 cvlsh3g1
>>742-743
恋に訓練に頑張れツインバード。GJ。

投稿者 ko-he : 2007年03月26日 03:07 : スレ内ネタ:SS

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コメント

GJ!!
行軍だとネタはオルタかアンリミだな。

投稿者 雷精 : 2007年03月26日 08:21

オルタかアンリミと言われて、それが何なのか全く分からないのも私だ。

投稿者 Anonymous : 2007年03月26日 14:03

マブラヴのことだと思う

投稿者 Anonymous : 2007年03月26日 15:59

オルタっていえばあれだろ?

一度見た技を覚える教授。

投稿者 Anonymous : 2007年03月26日 16:47

オルタって言うのは清浄なる世界を作る会の会長さんでしょ?

投稿者 Anonymous : 2007年03月27日 01:11

オルタって言うのは清浄なる世界を作る会の会長さんでしょ?

投稿者 Anonymous : 2007年03月27日 01:14

いいともの収録スタジオだろうが!!

投稿者 こうへー : 2007年03月27日 06:21

コメントしてください




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