2007年03月08日
 ■  hkmr1vqr氏作SS「リューネとマサキ」

スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その128
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1170430605/l50


前回の続き



658 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/02/05(月) 03:36:30 hkmr1vqr
流れに関係なく、マサキとリューネの話を投下。




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「かんぱーい」
「……かんぱーい」
マサキとリューネは缶ビールの缶を付き合わせて、飲み始める。
「ぷはーっ、ビールおいしいねぇ~」
一気に半分ほど飲んで笑顔で言うリューネに対して、マサキはげっそりとした顔でちびちび
飲んでいる。
ここはリューネの部屋だ。テレビ脇には時代劇のDVDが並んでいたり、ダンベルが部屋の
中を転がっていたりと、いかにもリューネらしい。
「まあ、たしかに旨いけど……どうしたんだよ、急に。一緒に飲もうだなんて」


それは、十分ほど前の出来事。
喉が渇いて食堂に来たマサキが、食堂の椅子に一人座っているリューネを見かけたのが
切っ掛けだった。
何やら、普段と違い暗い雰囲気を漂わせている。
「リューネ?どうしたんだ、こんなところで」
「あ……マサキ」
マサキに声をかけられたリューネは、どうにか笑顔を見せるが、やはり暗い雰囲気は消せない。
「どうしたんだ?普段のお前と違って、何か暗いぞ」
「そう?……そうだ、マサキ!今から飲もうよ、二人で!」
「え、えぇ!?」
急に元気になったかと思えば、いきなりそんなことを言い、マサキの腕を引っ張って
部屋に向かうリューネ。
「な、ちょ、おい!?どうしたんだよ!?」
「いいからいいから♪」


それが、十分ほど前の出来事。そして今はリューネの自室で、ビールを飲んでいる。
そこで、マサキはリューネに聞いたのだ。どうしたんだよ、急に。一緒に飲もうだなんて。
「んー……たまには、ね。向こう出身の二人で飲むのも良いでしょ?」
「まあ、別に良いけどよ……何かあったのか?」
「ん?特に何も無いよ?ただ急にマサキと飲みたくなっただけ」
「本当に?」
「うん」
「本当に?」
「……うん」
「ほん、とう、に?」
「…………ごめん、マサキ。ちょっと泣き言言わせて」
「最初から素直に言え」
マサキに何度も聞かれて、ついに白状するリューネ。
「あたしたちってさ、別に軍の正式メンバーじゃなくて、割と自由にいろんな所に行って
協力することがあるでしょ?」
「ああ」
「だから、いろんな声が聞こえてきちゃうんだよね」
「声?」
「うん……DC戦争や、ノイエDCの声……」
「……」
DC戦争……リューネの父、ビアン総帥が頭となる『ディバイン・クルセイダーズ』と、
キョウスケやリュウセイたち地球連邦軍との戦争。
「あの戦争で、親父は、地球に降りかかる脅威に立ち向かうには、今の強さだけじゃ駄目だと
教えてくれた」
DCの目的……それは、今後地球に降りかかる脅威に立ち向かえるだけの力を育てること。
今の地球連邦の力では到底太刀打ちできないと判断したビアンは、自ら悪役を担い、その
役目を果たした。
「だけどね、そのことを知ってるのは、直接親父たちと戦ったあたしたちだけなんだ……
 他の基地や末端の連中は、『誰かが勝手に大きな戦争起こしていつの間にか壊滅した』。
 それぐらいにしか思っちゃいない」
「リューネ」
「どうでもいいことは、どこかから伝わるもんでさ……あたしが、その『誰か』の娘ってのが
 知れていて、疎ましく扱われたこともあるよ……」
「……」
「なーんか、そういうことを考えちゃってさ。『あの戦争は何のためのものだったんだ』、
 ってね……」
「それでも……俺たちは、あの戦争の意味を知ってるだろ……」
リューネの自嘲めいた言葉にフォローするマサキ。
「あたしたちは、ね。でも、親父が起こした戦争の意味を、あたしたちだって最初は理解
 できなかったんだ。親父たちは、あたしたちよりも少し先が見えてただけで、僅かな人に
 しか理解されないまま、戦争で……」
「……」
「もっと簡単に理解し合えればいいのにね。『その時』が来るまで理解されず、悪役を
 徹し切るしか無いなんて、悲しすぎるよ」
「……俺は」
缶ビールに口を付けて、傾けながらマサキが言う。
「俺は、今ではビアンに感謝してるよ」
「……え?」
「たしかに俺たちはビアンがやろうとしたことは、最後にならないと解らなかった。でも、
 ビアンがああやって立ちはだかってくれたから、俺たちはバグスやホワイトスターに
 立ち向かっていくことができたんだと思う」
「マサキ……」
「ビアンのしたことは無駄じゃない。それだけは、俺が保証してやるよ」
「うん……うん……」
マサキの言葉に、リューネは泣いていた。
マサキはリューネに泣かれて、どうすればいいか戸惑いながらも。
「ったく、難しく考えすぎなんだよ」
そう悪態をついて、缶を一気に傾ける。
「筋肉バカなら筋肉バカらしく、もっとシンプルに考えようぜ」
「筋肉バカ言うな」
まだ涙の跡を残しながらも、リューネが笑う。それにつられてマサキも笑う。
「さて、まだ酒はあるだろ?どんどん飲もうぜ」
「おー!」
そして、二人だけの宴は、朝まで続いた。

投稿者 ko-he : 2007年03月08日 19:36 : スレ内ネタ:SS

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コメント

そういえばマサキ達は酒飲める年齢なんだよな
最近のスパロボって未成年が多いから忘れてた

投稿者 Anonymous : 2007年03月08日 20:21

確かOGのL5戦役時ではマサキは17歳,リューネは16歳だった筈ですよ

投稿者 ビルトシュバインカスタム : 2007年03月08日 21:54

ラングランの法ではOK、だっけか。
マサキとリューネはやっぱり鉄板だな

投稿者 Anonymous : 2007年03月09日 12:06

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