2007年02月16日
 ■  ic6TCU6b氏作 「ある日の五人の鍋」

スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その121
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1168566852/l50


117 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/12(金) 23:57:43 VVkbWhPM
とりあえず今更だが
ここまでの流れの反動でみんな思う存分だらだら過ごすといいと思うよ
せっかくの週末(終末にあらず)なんだし



121 :ある日の五人の鍋 :2007/01/13(土) 00:10:48 ic6TCU6b
「遅くなって済まない。クロガネのドック入りが遅れてな」
「おっ、肉が来たな」
「人を土産物で呼ぶな。俺が最後か、タスクは?」
「キッチンで下ごしらえしてるよ。寒かったでしょ、お茶どうぞ」
「ちょっと待ってくれ、指がかじかんで手袋が……イギリスに比べればと思って
いたが、日本の冬も厳しいな」
「今が一番寒い頃だからな。今日はじき雪になるって言ってたぜ」
「おーい、支度できたからそろそろテーブルの上を片付け……お、来たな肉」
「人を土産物で呼ぶなというのに」

「そこの青いロボどけてくれ。皿が乗らねえ」
「あっあっ、変なとこ掴むな! グレートバーンガーンは胸が外れやすいんだ、
もっとこうやさしく抱き上げるように」
「知るか! 触られたくないなら、テーブルの上の玩具をさっさと全部片付けろ。
なんて部屋だ、まったく」
「白菜があと一皿あるんだけど、入りきらないな。床に置くから踏むなよ」
「しかし、たまの休日に男五人で鍋を囲むとはむさ苦しい図だ」
「まあ、たまにはいいじゃない。全員集まるなんてめったにないんだし。はい、
ガスボンベ」
「サンキュ。ほんとはクスハちゃんも来るはずだったんだろ。なんで駄目になったんだ?」
「看護学校時代の友達が急に結婚することになって、内祝いだと言ってた。
お祝いだって、色々持っていったよ」
「色々って?」
「……色々だ」
「……もしかしてそれがなかったら、この鍋に持ってくるはずだったのかな」
「その友達に感謝しよう。タスクこそ、レオナはどうしたんだ」


「ガーシュタイン家主催の何やらがあるとかで、顔出さないわけにいかないんだってよ。
リュウセイんとこのライ少尉も出るっつってたぞ」
「あー、そういえば」
「カーラは?」
「あいつは寒さに弱い。こたつから出ないので置いてきた」
「猫かよ」
「リオは正月の準備だって、月に帰ってる」
「正月? 今頃? あ、中国式か」
「爆竹鳴らしたりするあれだろ。てっきり、リョウトもお呼ばれだと思ってたけどな」
「そんなことないよ。旧正月は家族水入らずで過ごすものだってさ」
「旧正月『は』ね」
「くそ、相変わらずさらっと濃厚にラブい奴」
「まあお前ら、彼女がいるだけましじゃねえか」
「「「「お前にそれを言う資格はない」」」」
「なんだよー」

「ところで、寄せ鍋につみれなんて入れるか?」
「うちは入れるぞ。普通だろ」
「魚があるのに、ダブるじゃないか。みんな入れるか?」
「うちも入れてたよ。でもあぶらげはなかった」
「えー、あぶらげは必須だろ。それより、なんだこのぶっといネギ」
「シモニタ・ネギを知らないのか。鍋には最高だぞ」
「鍋のネギつったら観音ネギに決まってんだろ!」
「なんだそれ?」
「異文化交流だなあ」
「祖父が鍋を作る時は、こぶ茶をひとつまみ必ず入れていたな。香りが引き立つといって」
「流石……」
「言っとくが、紅茶の葉は入れるなよ。おっ、こっち煮えてきた」
「「「「「いただきまーす」」」」」


「熱っ、はふっ、うま」
「うま、うま、アチチチチ」
「フッ、肉から食うとは品のない奴め。俺は肉を横目に見つつ、シブくネギから行くぜ」
「何が渋いんだ、そりゃ」
「いいんだよ」
「いや、でもこの肉おいしいよ。さすがエルザムさんのお墨付きだけあるよね」
「肉汁が甘くてうまいよな。こんないい肉食ったの、ホワイトスター討ち入り前の
宴会以来だ」
「この肉が手に入ったから、鍋を企画したようなものだからな。スイスの高地で、
ビール粕を食べさせて育てた牛だそうだ」
「ふーん、酔いそうだな。おっ、春菊もうまい」
「ところで、ここの所どうしてたんだ、ユウ? お前だけ普段連絡が取れないからな」
「夏からずっと、南米のDC残党狩りさ。コーヒーは山ほどあるのに、ろくな紅茶がなくて参った」
「贅沢言うんじゃねえや、俺とリョウトなんて地球へ下りるのも久しぶりなんだぞ。あ、その
豆腐いい感じ」
「もーらい」
「あー!」

「ユウ、ホタテそろそろ堅くなっちまうぞ。ブリット、お前シイタケも少しは食えよ。
あっ馬鹿、そっちから肉入れんな。手前から順に入れてけば、そっちの端がいつでも
煮えてる具になってわかりやすいだろ」
「いいじゃねえか、どうでも」
「タスクって鍋奉行だったんだね」
「意外だったな。まあ、仕込みもほとんど奴がやったし」
「野菜入れるぞ。鍋が冷めるから、食いたい物は今のうちにとっとけよー」
「ちょっと待て、もう一杯。……それで、お前達こそ最近どうなんだ」
「俺たちは相変わらずさ、リョウトが順調に出世してるくらいかな。先月からプロジェクト
チーフだってよ。昔風にいや係長だぜ」
「軍出向だから、階級に合わせて役職が付いてるだけだよ。部下がいるわけじゃない」
「SRXチームは、最近あまり名前を聞かないな。何やってるんだ? 伊豆にはいるんだろ?」
「あー、うーんと……色々やってんだけど、守秘義務で言えねえんだ。ごめん」
「まあ、そういうこともある」

「汁が減ってきたな。リュウセイ、ポット取ってくれ。……てかユウ、お前がさっきから
汁ばっか飲んでっからだ」
「いいだろう別に、この味が好きなんだ。旨みが複雑で、深い」
「そりゃそうだろうけどよ」
「俺は鍋ってえと、底にしいた昆布を最後にかじるのが好きだったな」
「僕はこの、クタクタになった白菜の葉のとこが好き」
「俺はこの白身の魚が気に入ったな。脂が多いのに淡白で、うまい」
「ああ、納得」
「何が?」
「鰤ってんだ、その魚」
「…………」

「あれ? ここにあったイモは?」
「もう誰も食べねえと思って、鍋に入れた」
「えー! 早えよ」
「録画の確認なんかして、いちいち席を立つからだ。最後はおじやか、それともモチか?」
「一応、うどんも用意してあるけど」
「待て待て待て、ここだけは家主権限でダテ流でいかせてもらうぜ。刻みネギと卵と
御飯をもてい!」
「はっ、これに」
「ちょっとこう、塩で味を調えてだな。かき回しつつ……よし、今だ! てい!」
「おー」
「おー」
「うまー」
「鍋の最後のおじやって、なんでこうしみじみ美味しいかなあ」
「俺、これが一番楽しみ」
「日系人であることの喜びだな」
「リシュウ先生に教えを受けて良かった……」


「あ、雪降ってら」
「ほんとだ。いつのまに」
「冬だねえー」


End





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126 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/13(土) 00:15:17 ic6TCU6b
>>117
ダラダラしてみた



127 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/13(土) 00:17:19 lJdehYUt
凄く和んだ。



128 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/13(土) 00:20:42 Svsq1x/m
>>126貴様アッー!


定番の実にトロンベ



129 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/13(土) 00:22:29 cr+zTeG3
GJ!!いつも、α5人組をありがとう御座います。



131 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/13(土) 00:24:18 swQuFK0U
ちくしょう毎度GJだぜ!



132 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/13(土) 00:26:37 VSVj+pfU
いいねぇ、男の友情ってのは



133 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/13(土) 00:29:37 SxAmTx6t
男の友情は美しいなあ


702 :>>121、少し便乗させてくれ :2007/01/14(日) 21:21:10 N3lXKLVb
「ダテさん、息子さんからお手紙が届いてますよ」
「あ、ありがとうございます」
ある病院。
入院中の患者の下に、看護師が手紙の入った封筒を持ってくる。
封筒を受け取った患者の女性は、柔らかい笑顔で看護師に礼を言う。
「ふふ、元旦に顔を出してくれたばかりだというのに、あの子もマメね」
今は軍で働いている息子のことを思い出し、その笑顔は母性に溢れたものになる。
「ダテさんに寂しい思いをさせたくないからだと思いますよ。いい息子さんじゃないですか」
「ええ。私の自慢の息子ですよ」
白い封筒の口を開け、中を取り出すと、手紙が一通。そして。
「あ、写真」
看護師が呟く。写真が何通か入っている。
写真を見ると、そこには息子と、息子の仲間らしい青年が4人映っていた(>>121)。
「この子たちは……リュウセイのお友達かしら?」
他の写真を見ると、息子と金髪の青年と肩を組んで笑っている写真や、バンダナを巻いた
青年とゲームをしている写真がある。
手紙を見ると、息子らしい大雑把な字で、こんなことが書いてある。

 お袋、元気にしてるか?
 元旦の時はあまり時間とれなくてごめん。
 写真に写ってるのは、俺の仲間だ。みんないいヤツで、シビアになりがちな軍の中でも
 こいつらのおかげで元気にやってられる。
 次に会いに行けるのはいつになるかわからないけど、それまでには手紙とか
 たくさん送るからさ。元気にしててくれよな。
 
 P.S:俺と同じチームのヤツで、お袋を紹介してくれって言ってるのがいるけど、
 今度連れて行けそうな時があったら連れて行くよ。
 
「……ふふ、あの子ったら、相変わらず子供みたいに」
写真に写る息子の顔を指で撫で、微笑む。
息子が軍に入ってから、長い時が経ってる。地球の危機を救うような任務も、こなしている。
だけど、母親であるこの女性からすれば、子供はいつまでも子供で。
「みなさん。どうか、私の息子をよろしくお願いしますね」
写真に写る息子の仲間に、そう微笑んだ。


―――――――――――



703 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/14(日) 21:24:04 GcJilSaW
>>俺と同じチームのヤツで、お袋を紹介してくれって言ってるのがいる

ICE MANか?ICE MANなのか!?

GJ。



704 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/14(日) 21:24:32 wK5bhsue
>>702
ラァァイが未亡人狙ってっうぇwww


705 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/14(日) 21:25:01 HsiF0HNF


706 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/14(日) 21:25:33 6/OAogpG
>>702
Gj.
乾いたのどが潤った感じだ。





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番外編:だらだらシリーズ



134 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/13(土) 00:32:42 1yqV5RE2
>>117
テニア「ふにゅ~」
メルア「く~、く~」
カティア「すぴ~」
統夜(微動だに出来ん!)
シャナ「ジ────」
統夜「あ、シャナ!いい所に!助け(ry」

10分後。

シャナ「Zzzz」
統夜「息すら出来(ryガクッ」



136 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/13(土) 00:44:52 VAoF6sQO
誰かマサキ召還笛持ってきてー。なんか凄いでかい耳クソが取れた



137 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/13(土) 00:48:24 /xP+dvRe
それ友人関係解消フラグですぜ



138 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/13(土) 00:52:50 VSVj+pfU >>136
何やってるんですか、甲児さん



140 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/13(土) 01:06:54 7b5IfGoJ
>>136
ブリ笛ならぬマサ笛か?



141 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/13(土) 01:10:05 8B39GMdf
>>140
EXのEDに出てきたエーテル通信機の話
甲児とマサキが某大使を呼ぶ笛に例えてたけど
実際、笛のかたちをしているかは不明



139 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/13(土) 01:00:52 YX2zrRhR
>>57
>>117
メイシス「あ、アルティス様…大切な話がございます!」
アルティス「メイシスか。すまないが提言なら明日にしてくれ。今日はだらだら過ごすべき日らしい」
メイシス「は? い、いえ! 今日は一軍の将としてではなく、ひ…一人の…その…お、女として…」
アルティス「貴公も炬燵に入るがいい。今日の為にラリアーからDVDと言うものを借りて来たのだ」
メイシス「いえ、ですから提言ではなく…」
アルティス「ランボーと沈黙の戦艦、それにコマンドーがあるが、貴公はどれが見たい?」
メイシス「…コマンドーで」
アルティス「うむ…そうだ、確か野菜を漬けておいたのがまだあったな。それを出せば更なるだらだら感が得られよう」
メイシス「アルティス様はそのままで。私がお持ち致します」
アルティス「いや、今日は貴公が客人だ。貴公は楽にしていてくれ。私がもてなそう。そうだ、茶も煎れるべきだろうな」

「起こさないでやってくれ。死ぬほど疲れているんだ」

アルティス「どうだ?」
メイシス「は、美味しゅうございます」
アルティス「そうか。だがメイシスには及ばぬ」
メイシス「いえ、私など…」
アルティス「今でも、貴公の煎れた茶が恋しくなる時が、たまにある」
メイシス「……」
当初の目的からは外れてしまったが、こういうのも悪くは無い。

「いったい何が始まるんです?」
「第三次世界大戦だ」

後は映画が、もう少しマシなものならば尚良かったのだが。
メイシス「かしこまりました。台所をお借りします」
アルティス「待て。今日は私が…」
メイシス「アルティス様は自らの事に専念してください。私は傍らで、貴方を支え続けましょう」
アルティス「…うむ。すまんな」

「銃なんて捨てて素手で来いよベネット!」

投稿者 ko-he : 2007年02月16日 04:32 : スレ内ネタ:SS

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コメント

このシリーズとても好きね(`・ω・´)

投稿者 Anonymous : 2007年02月15日 17:55

面々の個性がよく掴まれていて相変わらず面白いな。
季節感も溢れて非常に和むw

投稿者 Anonymous : 2007年02月15日 19:08

え~と……ある日の五人シリーズはこれで三作目でしたっけ?

投稿者 Anonymous : 2007年02月16日 11:58

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