2006年09月13日
 ■  運命の夏の日 エピローグ

スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その91
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1154529791/l50


771 :750 :2006/08/05(土) 02:18:13 iyVATps3
トウマ編のあの話をSSにしてみました…



764 :750 :2006/08/05(土) 01:58:48 iyVATps3

駄作ですがよろしく

注)欝になっても知りませんので





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「私には五つ上のお兄ちゃんがいたんだ…」


夏…去年はお兄ちゃんが帰って来て素麺を一緒に食べたんだったよね…
私もお兄ちゃんの真似をして山葵を入れてみたけど駄目で、みんなで笑ってたよね…

お兄ちゃんは、それから一ヶ月しないうちにどっかに行っちゃったんだよね…
お家に手紙が届いて、お母さんが泣き崩れた時はびっくりしちゃった

「宇宙でお兄ちゃんの部隊が…」

私は最初、嘘だと思ってた…
なんかの冗談か、間違いだって…
だって、お墓にはお兄ちゃんいないんだよ…
宇宙…って広いし、きっと無事で、また、いつもみたいに玄関を開けて帰ってくるって…信じてた


だけど、お兄ちゃんはいなくなっちゃった…
でも、お兄ちゃんのお部屋はそのまま残ってるの…
時計も動いてるし、小さい頃に買った机もそのまま、本や作りかけのパズルも…
だけど………そこにはもう来ないんだよね…
顔も見れないし、声も聞けないんだよね…お兄ちゃん…

そして、今年も夏が来たの…

「バイト~っ!皿洗い終わったら上がっていいぞ~!」

あと数枚で既に皿洗いは終わりそうだ

「は~いっ!お疲れ様で~す」

バイトの彼、トウマ・カノウは急いでいた
次のアルバイトまでの時間が迫っていたのだ
彼はハイスクールを卒業した後、親から独立し、ハイスクールから続けてたアルバイトで生計をたてていた
彼自身もそろそろ身を固めた方がいいとは分かっているのだが、どうしても『コレ』という仕事が見つからない
そのせいか、ズルズルとアルバイトを続けている

「やばいな、確かこっちからなら、近道…うわっ!そうだった…」

近道は通行禁止になっていた
今、地球…いや、太陽系はあらゆるところで戦争をやっていた
この地区は、戦闘区域に入ることはほぼなく
2ヶ月前に近くで起きた戦闘が起きたくらいである
そのときに、飛んできた流れ兵器によって通行禁止になっていたのだった

「ドンパチするなら、関係ない所でやってくれよな…」

ボソッと愚痴をこぼした次の瞬間、罵声がとんできた

「何言ってるのよ!」

…12歳くらいの女の子がそこに立っていた
トウマが無視して通り過ぎようとすると、女の子はトウマの上着を掴んで離さなかった

「先、行きたいから離して…」

トウマが言いきる前に少女が口を割り込む

「謝って…!兵隊さんや、他の地球を守ってる人達に謝ってよ!」

トウマはその少女を振り切って黙って走って行った

(…なんだ?あの女の子………)

バイトが終わり、日も暮れてきた
今、午後七時…
夏の日暮れは遅い…
トウマは少し気になる事があり、ある場所に向かった
通行禁止と書かれた看板の前にその少女は座っていた

「…昼間は…ゴメンな…」

トウマは、その少女にジュースを差し出しながら、昼間の事を謝った
少女は首を横に振り、自分も言い過ぎたと、頭を下げてきた
しっかりした子だと、トウマはただ関心していた、
街灯がつき始め、送っていこうか?と、トウマが聞くと少女は首を振り帰路についた

次の日

トウマは街の路上販売をしていた
昔からの友人に頼まれたバイトで、友人の造った趣味のアクセサリーを売っている
夏場はその照り付ける太陽がやけに憎い
コンクリートから跳ね返る熱気に蝉の声さえ欝陶しい

「…今日はこれくらいにするか」


トウマは、商品を友人に返すと、次のバイトの時間潰しにでもと、喫茶店に出掛けた

「あ…お兄ちゃん…」

昨日の子がそこにいた

「昨日は本当になんか気に触る事言ってゴメンな」
「ううん…少し私も…」
「なんかあったの?聞かせてよ?俺さ、知りたいし…あ、嫌ならいいんだけどさ…」
「実は…私にはお兄ちゃんが…五つ上のお兄ちゃんがいたんです…」

カランと、少女のレモネードの氷が音をたてる…

「でも…去年…戦争で…軍にいたお兄ちゃんは…」

少女の身体が震え始めた

「ゴメンッ!嫌な事…聞いたね」


二人の間に気まずい雰囲気が流れる

「あ、すいません…私、用事が」

彼女なりに気を使ったのだろう
少女はその場を立ち去った


その日、トウマは、アルバイトを休んだ


(軍人さんにも家族や、友人、恋人、大切な人はもちろんいる
当たり前の事だ…
そして、俺は…その軍人さん達に助けてもらってる
俺には関係ないと思ってた…いや…思うようにしてた…戦争…
関係ないわけ…ないんだよな
あんな小さな子が…それを教えてくれた…)

布団の中でトウマは考え混んでいた…
これからの自分自身について…どうするのかを…


一週間後

トウマは少しだが変わっていってた
困り弱ってる人を助ける…
彼はそんな人間を目指していた
だが人間、そうそう変われるものではないが…少しずつ…少しずつ…

あの子とはあれから一度も会っていない、たまたま会えないだけなのか…
この街にはいないのか…

トウマはボーッとしながらアクセサリーの路上販売をしていた…


「お久しぶりです、お兄ちゃん」

トウマの目の前に現れたのはあの子だった
元気そうなその姿を見てトウマはホッと安心した

「久しぶり…」

少女は商品のアクセサリーをマジマジと見つめる

「綺麗ですね!お兄ちゃんが造ったんですか?」

トウマは首を振り、友人の手伝いのアルバイトと伝えた
少女はアクセサリーをジッと眺めている
この子は多分、本当はこういう子なんだろう…

「なにがいい?プレゼントしてあげるよ」

トウマの意外な一言に少女は首を振った

「遠慮なんかしないで…ほら、選びな」
「ありがとうございます…え~と」
「トウマ…トウマ・カノウ」
「トウマお兄ちゃん!」

少女は食いつく様にアクセサリーを吟味していた

「そういえば…君の名前は?」
「コレかな…え?私の名前ですか?」
「そう…君の名前」
「私は…」

その瞬間、爆風が吹いた


トウマが気がついた時、辺りは阿鼻叫喚の地獄だった

いきなりの敵襲…

逃げ惑う人…人…人…

泣きじゃくる子供…

燃える盛る建物…

「あっ…あの子は………」

トウマは必死になって探した
頭の中ではこういう時、何故だか最悪の場面しか浮かんでこない

「大丈夫…大丈夫だ…」

そう声に出して少しでも不安を和らげようとする


そして、見つけた…その子の…一部を………
トウマは…声をあげて泣いた…これが戦争という現実…なのか…と
しかし、名前も知らない少女は返事をしてくれない…
敵の機動兵器が目の前に現れた…
トウマは既に恐怖と悲しみで動けなくなっていた

(俺…死ぬのか…?嫌だ…まだ死にたく…)

『チェストーォッ!』

一機の特機が彼を救う
巨大な日本刀を持った…夏の日の巨人…


彼は思い出す…夏の日にあったあの名も無き少女のことを…
その強い誓いとともに…





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772 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/08/05(土) 02:22:18 vuTlERIA
>>771
なんだろう……なんか、凄くこみ上げてくる……

一言で言うならGJ!!



775 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/08/05(土) 02:47:51 ZrL2nW9q
GJです。あの台詞をこう使うとは、思いつきませんでした。




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809 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/08/05(土) 13:12:30 vuTlERIA
>>770のSS見てたらこんな文章浮かんだ
ケイサルエフェスとの決戦(ノーマルエンド)でのお話


「トウマお兄ちゃん!」
何処かで聞いた、懐かしい声が
「君は…!あの時の!」
あの時の…、あの夏の日の女の子…、名前も知らない女の子…
「久しぶり、トウマお兄ちゃん」
「君もザ・パワーに…」
「うん!お兄ちゃんも一緒だよ!」
「そう…なんだ……」
「ダメだよ、トウマお兄ちゃん…」
「え?」
「諦めちゃダメだよ!トウマお兄ちゃん!」
「でも、もう……」
かなわない…、強すぎる…、もう…無理だ…
「そんな事言っちゃダメだよ!最後まで…、最後まで戦わないと!みんな…みんな、死んじゃうんだよ!?」
死ぬ…?みんな…?あの夏の日のように…?
嫌だ…!もう誰も死なせたくない!死なせない!!
「そうだな…!そうだよな!こんな所で諦めちゃ駄目だよなぁ!」
「うん!そうだよ!トウマお兄ちゃん!」
こんな小さな女の子もケイサルに取り込まれず、ザ・パワーとなってあいつと戦ってるのに俺が諦めちゃ駄目だよな!

「あれ?トウマお兄ちゃん…そのアクセサリーって…」
トウマの胸で揺れるアクセサリー
「ああ、これか?君が握ってたアクセサリーだよ」
あの日、あの夏の日、君の一部が握っていたアクセサリー、もしかしたら君にプレゼントするはずだったかもしれないアクセサリー
「私、これ欲しかったんだよ!」
「やっぱりそうか!じゃあこの戦いが終わったら、君に届けてあげるよ、このアクセサリー」
「本当!?」
「ああ、本当だよ、約束する!だから…君の名前を教えてくれないか?」
あの日聞けなかった、君の名前……
「う、んわかったよ!私の……私の名前はね……」
そう言い残して彼女は消えてゆく
「……OK!わかったよ、君の名前!」
約束が出来た、この戦い絶対負けられない!


「行くぞ!大雷鳳!彼女との約束を守るために奴をぶっ潰す!!」


投稿者 ko-he : 2006年09月13日 22:02 : スレ内ネタ:SS

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コメント

泣いた

投稿者 久保霊 : 2006年09月13日 22:33

プロローグじゃなかったっけ?あれ?

投稿者 Anonymous : 2006年09月14日 07:47

コメントしてください




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