2006年07月15日
 ■  ODE(面白いSSが 同時に投稿されて 縁起がいいね)システムだ…

スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その82
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1152084140/l50


659 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 19:01:11 B6UkOODv
トウマな流れを陸甲剣するが、夜に七夕SSを落としたいのだけど、いいかな?



667 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:00:46 jRVrAojN
ギップルでも召喚できそうなほどシリアスでクサいSSを思いついたが途中で気力が付きた俺に誰か精神コマンドを。


668 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:05:22 cLmPbL0y
>>667
つ激励 期待 信頼



669 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:08:36 Pe7JM4lF
>>667
つ感応 補給 友情 


671 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:10:21 O07t5mgx
>>667
感応感応感応官能感応感応
感応感応感応感応感応感応

紛れ込ませているとはエロいな


672 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:10:41 WU4VfpAX
>>667
つ応援 祝福 偵察



673 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:13:34 x1bq4QOo
>>667
つ鰻重

高カロリーな精神コマンド


675 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:16:28 oRCrf1Bz
>>671
見えた!官能の一滴!



676 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:17:02 cLmPbL0y
>>673
折角だから俺は紅白鰻重に団子と煎茶も付けて>>667に送るぜ!



677 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:19:06 oRCrf1Bz
>>676
俺は熱々の鰻重を送るぜ



678 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:26:48 jRVrAojN
俺、鰻苦手なんだよなあ



679 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:27:12 vkSXENRv
トロンベ「フッ…スーパーで特売だった鰻重だ」

一同「「ゲェーッ!! 実に否トロンベ!!」」

トロンベなら…自家製ブランシュタイン家秘伝のタレで味付けしてくれるってアタイ信じている


680 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:27:42 AndOgyi5
|
|∀・)つ[アンドロメダ焼き・母さんのシチュー・SPドリンク]

…あと他にスパロボで食えそうなものというと…あ。

|
|∀・)つ[ゼルエル]



681 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:28:16 6KqAB+d7
>>667
つ再動、修行、



682 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:28:49 cLmPbL0y
>>680
ドンキーのパンもだ!



683 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:29:30 Ap3Zrjkc
|
|∀・)つ[カットナラナイザー]


・・・喰えるの?



684 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:29:53 x1bq4QOo
>>678
orz

つステーキ



685 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:30:27 jGYqzkmR
>>667
加速

>>682
げげぇー!あのパン土から発掘されてるー!


686 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:32:00 OB0mFzP5
>>678

つ火星丼 愚乱丼



687 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:33:30 Pvfg54ti
実はドンキーのパンは、ロランが錬金術で土から作りだしていたんだよ!!



688 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:33:59 OB0mFzP5
な、なんだってー!
 Ω ΩΩ



690 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:34:03 vTwEA9WJ
>>678
セシリーのパン○



691 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:34:14 AndOgyi5
 まぁ、量産機が食ってたし、食えないことは無いだろう。
|
|∀・)つ[エヴァ弐号機withアスカ]



692 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:35:45 cLmPbL0y
おっといけない、宇宙一の珍味を忘れてたぜ
つツインテール



693 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:36:32 WU4VfpAX
どっちが食べたのかは解らないが

「ヴァルク・ベン」
「アストラナガン」

でも食べて元気出せ


695 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:38:09 AndOgyi5
>>693
どっちにしろナガンはアウルゲルミルに食われてるジャマイカ。…あ!

 忘れてたぜ!
|
|∀・)つ[グルンガスト参式]



696 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:39:19 vkSXENRv
ヴァルク弁当
ウマイヨ!

ベルグバウ弁当で中身がGまみれn(無限光



699 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:41:49 OB0mFzP5
AI1にとっては全てが食料です。


え、違う?


701 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:45:48 A/nKnnPj
アストラナガン「ヴァルクウマー」



702 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:53:17 cLmPbL0y
・・・・食い倒れたか?
まあマターリ待ちましょう



703 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:54:13 WU4VfpAX
>>699
そいや、AI1て触手ロボに分類されるのか?



704 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:56:30 OB0mFzP5
>>703
接吻ロボです。



705 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 20:59:53 IKuzfheg
触手+美女+接吻=ワクテカ

こうです


707 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 21:01:54 oRCrf1Bz
触手+熟女+接吻=再起不能


こうです



716 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 21:11:41 jRVrAojN
みんなありがとう。
書きあがるまでにかなりかかりそうだから、しばらくは忘れてくれ。

精神コマンド+差し入れを頂いたjRVrAojN 氏羨ましい





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☆☆B6UkOODv氏のSSココから☆☆


727 :659 :2006/07/07(金) 21:38:40 B6UkOODv
   = Obedient Digital Exchange =

今夜は七夕。牽牛星と織女星を祭る行事…というのは
辞典データを引用するまでボクも知らなかった話。

日本の人達の提案をきっかけに、広場に一本の竹が立てられると
七夕という風習を知る者も知らない者も、こぞって
短冊に願いを書き流し、枝葉に飾っていく。
さすがに願いが叶う事を真剣に信じている者は居なかったけど、
αナンバーズやハガネ隊の皆が楽しく一夜を過ごしている様子が羨ましくて、
ボクもたどたどしい文字で、一つの願いを短冊に込めた。
それが事件の始まりだとも知らずに…

 【生まれ変わったら人間になりたい】

翌朝、ボクは何故か紫雲統夜になっていた。


慌てふためいて自分の周囲を確認すると、そこには
あられもない下着姿で僕の右側に寝そべっているカティアさん、
同じく下着姿で僕の左側で眠りについているメルアさん、
やっぱり下着姿でボクの上に乗っかって寝ているテニアさんの肢体があった。
ボクは事態が飲み込めなくて、泡を食っていたけど、
その気配を察知した女の子達が一斉にボクに抱き寄ってくる。

「おはよう、統夜」
「おはようございます、統夜さん」
「おはよー、トウヤ」
「う、うわぁーーーーーー!」

生まれて初めて触れた、生身の感触が暖かすぎて、
ボクは驚嘆の声を上げながら着の身着のまま、慌てて寝床を飛び出す。
三人の女の子達は、呆気に取られた表情でボクの痴態を眺めていたが、
そこに逃亡の意志を感じ取ると、すかさずしがみ付いて来ようとする。

「あ、何処に行くの統夜!」
「またいつもの逃走癖!?」
「逃がさないんだからー!」
「逃がしてくださいよー!」

三人の執拗な追跡をかわしながら、ボクはこういう時に
頼りにできそうな常識人を必死に検索…いや心当たりを探して遁走した。
風に身を切る感覚も、息が切れて息苦しくなる感覚も新鮮だったけど
今のボクはすっかり錯乱していてそれどころじゃない。
差し当たって、最寄の知り合いの部屋に駆け込むことにした。

「毎度毎度のことながら、お前は苦労性すぎる。
 毎週のように逃げ込んできてどうするのだ、軟弱な奴め」

スレイさんは青息吐息のボクに水と酸素ボンベを差し出しながら
呆れるような、哀れむような視線で見つめている。
目つきと口調は苛烈だけど、人知れず優しい一面もボクは知っていた。

「毎週って…そんなに毎回の事なんですか?」
「今更何を言っている」

どうやら本物の統夜さんも、あの魅惑的な女の子達は手に余るらしい。
なんとなく背徳的な感情に突き動かされて逃げてしまったけど
あんなに暖かい感触に包まれて眠れるのなら、やっぱり人間って羨ましいかも。

「何をボーッとしている? 今日の統夜は殊更変だぞ」
「あ、わかります?」
「当然だ。で、今日は一体何があったんだ。
 …ああ、いや、破廉恥な話になるようなら詳細は遠慮するぞ」
「別にハレンチという訳ではないんですけど…」

統夜さんと肉体が入れ替わってしまった、なんて話したところで
インテリな彼女が信じてくれるかどうか半信半疑だったけど
織女星の名を冠する機体のパイロットなら、これ以上の相談役はいないかも知れない。
非論理的だけど、今のボクが直感というものを備えているとしたら
それは素敵な感覚なのかも知れないと感じられた。

「どうした、らしくないな。私にも話せないような事なのか?」
「それは…その…」
「そんな切ない顔をするな…つい抱き締めたくなる」
「わ、わわっ、スレイさん!」
(さすがに抱き心地指数は抜群だなぁ…)

スレイさんのふくよかな胸に抱き留められたボクは
まるで煮沸されたように真っ赤な顔をして慌てふためいた。
部屋に漂う彼女の香水は、知識としては知っているけど
いざ鼻腔をかすめると不思議な気分をもたらしてくれた。
でもその優しさは、ボクではなく統夜さんに向けられた物だと知ると
左胸にチクリとした痛覚をもたらした。

「さぁ話せ。話すだけでも楽になる事もある」
「は、はい、実は…」

艶めいた優しさにほだされて口を開こうとした時、盛大な破裂音とともに
スレイさんの部屋の扉を押し開かれた。
すわ、カティアさん達に見つかったのかと二人して振り返ったが、
そこにいたのは三人娘の誰でもなく、鬼の形相をしたセレーナさんだった。

「ようやく見つけたわよ、エルマァー!」

「エルマだと!?」

つい忘れかけていた本名がボクの耳朶を突き抜ける。
分析能力は本体に置いてきてしまったけれど、それがセレーナさんの
本気の憤怒だという事はすぐに理解できた。

「あ、いえ、違う、いや、違わないんですけど、ボクは…」
「こんな事しでかしちゃて…おいたが過ぎるわよエルマ!」
「馬鹿を言えセレーナ、では貴様が掴んでいるロボットはなんなのだ!」

そう、怒髪天を突いている彼女に首根っこを掴まれているのは、
つい昨日までボクのボディであったはずのロボットだった。
事情を知らないスレイさんが指差して反論するのも当然の成り行きだが、
そのロボットはマニピュレーターをばたつかせて抗議の意思を示した。

「聞いてくれスレイさん! 俺だってわけのわからないままロボットになってしまったんだ!
 確かに、短冊に【たまには三人のアプローチから解放されたい】なんて書いたけど
 だからってこんな仕打ちはあんまりだー!」
「俺…!? お前…まさか本当に統夜か?」

さしずめ統夜さんもセレーナさんにきつく絞られたのか、彼の搾り出すような釈明に
スレイさんはようやく事態を理解し始めたようだ。
しかしセレーナさんは細かい説明に時間を割くことを捨て置いたらしく、
スタンビュートの充電端子をせっせとボクのボディに繋いでいる。

「とりあえずここは、エルマにも詳しく事情を聞いてだな…」
「問答無用! 統夜、プリズムファントム・モードLで!」
「ラジャ!…なんてできませんよ俺は!」
「ゴチャゴチャ言わずに発電しな! エルマ、覚悟ぉっ!」
「ま、待てセレーナ、早まるな!」
「うわぁーーーーーーっ!」

それから後の事はよく覚えていない。
薄れゆく意識の中、スタンビュートを振り上げたセレーナさんの雄姿と、
慌てふためく統夜さんとスレイさんの姿だけが走馬灯のように映った。

「アディオス、ドールケースさん…」
「お、俺の身体が黒コゲにーっ!」
「セレーナ、貴様ーッ!」

ああ、人間はなんて感情の起伏が忙しい生き物なんだろう…。

多大な喪失感と、ほんの少しの充足感に満たされて僕は目を覚ます。
肉体の疲労や呼吸といった生身の感覚はもう失われて、
0と1に支配された膨大なデータ群が脳裏を駆け巡っている。
ボクの身体は…どうやら元に戻ったようだ。

「気が付いたかエルマ。いや統夜か?」
「…ボクですよスレイさん」
「そうか、元に戻れたのか。良かったな」

慰めの言葉とは裏腹に、スレイさんは口を真一文字に噤んで
ボクの喪失感を共有してくれていた。
膝枕…って奴かな、もう温もりも弾力もセンサーでしか感じられないけど
スレイさんの太腿の上は、とても人心地の良い場所なんだと感じ取れた。

「ごめんなさい…でもボクにとっても不可抗力だったんです」
「分かっている。だから統夜もお前を恨んではいないそうだ。
 …それにしても、そんなに人間になりたかったのか?」
「はい。…でも人間も色々大変なんだって実感できました」
「それはお前の主の、日頃の行いが悪いからだ」
「そのセレーナさんは?」
「…今頃はヴォーダの闇の中かも知れん」
「そ、そんな!」
「…というのは冗談だ。そうしてやりたかったのは山々だが、あいつなりに
 お前と統夜を心配しての行為だったんだろう。行き過ぎの感はあったがな」
「…でもやっぱり、人間でいられる事って凄く羨ましいです。
 楽しくて、暖かくて、嬉しくて、愛しくて…そんな気持ちに溢れてて。
 もし生まれ変わったら、ボクもきっと、きっと…」

独白の言葉に感極まったのか、スレイさんがもう一度ボクを強く抱き寄せる。
機械のボディが軋むほど強い感情と、人肌にほだされる感覚が身を包んでいく。

「どうだエルマ。人間は暖かいだろう?」
「は、はい」
「そうだ、この温もりが理解できるのなら、お前は人間と変わらない」
「スレイさん…」
「つくづくいじらしい奴だな、エルマは」

愛でる瞳が直視できないほど眩しくて、ボクは咄嗟に話題を逸らした。

「と、ところでスレイさんは、短冊にどんな願いを掛けたんですか?」
「わ、私か? 私はだな…」
「【恋の一つもしてみたい】だったっけ? 顔に似合わず案外ロマンチックよねぇ」
「セレーナさん!?」

あろうことかセレーナさんはボク達の睦まじくしている様子を、
意地の悪い含み笑いをして眺めつつ、一枚の短冊をスレイさんの頭上にヒラヒラと翳した。

「き、貴様という奴は、人の夢を手にとって嘲笑うのか…!」
「あらあら、そんなに怒っては綺麗なお顔が台無しでございますことよ」
「可愛らしくラミア語で言ってもムダだーッ!」
「あらら、ツグミのアドバイスも全然効かないでやんの」

今度こそ怒りが頂点に達したらしいスレイさんは、
たった今まで腕の中に抱いていたボクを地面に投げ捨てると
拳を握り締めてセレーナさんを追い回し始めた。

その後、マニピュレーターを駆使してなんとか自立できたボクは、
セレーナさんの短冊も他人を笑える様な願いではなかった事を思い出し、
苦笑いというのはこういう感情かと学習した。

(だって【女の武器がもっと鋭くなります様に】なんて書いてるんだもの)

後にボクは、次の年にも同じ願いが書かれていた二人の短冊を見比べて、
二人の夢は当分叶わない高望みなのだと悟るのだった…。


                             -Fin-




_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/




741 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 21:52:33 cLmPbL0y
真にGJ
コミケの方もこの調子で突っ走ってくれ



743 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 21:54:12 A/nKnnPj
>>735
>「どうだエルマ。人間は暖かいだろう?」
>「は、はい」

「これが人間の………温もり……だよ…」





_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/



ここからjRVrAojN氏のSS

俺はジンクスなど信じない。
だが、茶葉を切らした日と空が曇る日に、ろくなことが起こらないのは確かだ。

新西暦186年。俺は連邦軍を離反してDCに入隊した。しかし、そのDCは俺がほとんど何もしないうちに敗北してしまった。
情報によると、DC本部とコロニー統合軍旗艦は、どちらも一隻の戦艦に制圧されたらしい。
その日、俺の居た戦場は酷い天気だった。おまけに茶葉も戦闘のドサクサで酷い有様になっていた。

そして数ヶ月後、エアロゲイターと名付けられた異星人が地球を侵略してきた。
今時異星人などと馬鹿げた話だと思ったが、軍人であり、DCである以上、俺のやることはただ一つだった。
その日も、俺の居た町は土砂降りだった。そして、忌々しいことにどこの店もティーバッグしか置いていなかった。

繰り返して言う。俺はジンクスなど信じない。
それでも、空が曇るのは好きにはなれそうにない。上質なティータイムを楽しめないことなどは論外だ。


エアロゲイターが地球侵略(我ながら古臭い表現だ)を始めてしばらくたった、ある日のことだ。
北アメリカに居た俺達の部隊は、カリフォルニアの都市を襲撃したエアロゲイターと交戦した。
撃退はしたものの、奴らの攻撃で街はほぼ壊滅状態となっていた。

温暖な地と聞いていたが、瓦礫で埋もれ、あちこちで泣き叫ぶ声が聞こえ、
おまけに嫌な雨の降り続いていたそこでは、流石の俺も茶葉の買出しになど行く気にはならない。
士官として救助の指揮を執っていた俺は、己の未熟さと、小雨の降り止まぬ空が嫌でたまらなかった。それと、またもやティータイムを逃したことも。

そんな時、崩壊した建物らしき瓦礫の前に、誰かがへたり込んでいた。
女だった。肌は小麦色、傘も差さずにずっと瓦礫を見つめ続け、時折しゃくりあげている。
どういう状況だったのかは、容易に想像できた。何しろ、あちらこちらで見てきたことだったから。

放っておいて面倒なことになられても困る。そう思った俺は彼女に声をかけた。

「・・・風邪ひくぞ。」
「お父さんもお母さんも、もう風邪なんてひけない。」
「お前は生きてるんだろ。」
「でも、もう生きてる意味なんて無い。」

・・・一番面倒なパターンだ。こういう場合はどうするべきか・・・考える前に動いていた。

「いいから来い。」
「・・・いいよ別に。」
「来いと言っている!」

・・・何をやっているんだ俺は。これもティータイムを欠かしたせいだろうか。
とにかく、俺は彼女を屋根のあるところまで連れて帰った。


彼女は、芸能界を目指していたと、俺に語った。
歌やダンスを毎日練習して、家族に自分の夢が実現するところを見せたかった、と。

雨は止みそうに無い。少しくらいなら話を聞いてやるのも良いだろう。・・・注文した茶葉も都合よく届いたことだし。
それにしても、沈んでいる割には結構喋る女だ。普段はどれだけ喋るのか、それとも気分を紛らわすために喋っているのか。
と、突然彼女が俺に尋ねてきた。

「アンタ達、連邦軍なの?」

冗談じゃない。あんな連中と一緒くたにしないで欲しい。

「俺達は・・・DCだ。」
「壊滅したって聞いたけど。」
「・・・まだ、無くなっちゃいない。」
「・・・そうなんだ。」

妙な空気だ。対処に困った俺は、とりあえず一杯淹れることにした。イブニングティーには少々早いが、たまには良いだろう。

「あったかい。」
「天然物のダージリンだ。ようやく入手できたんでな。」
「ふーん。」
「最近はなかなか手に入りにくいんだが、給料つぎ込んだ価値は十分にある。上品な香りだろう?」
「・・・よくわかんない。」
「・・・そうか。」
「ね、アンタって、紅茶と空の話になると、沢山喋るよね。」
「紅茶はまあわかるが・・・空?」


そうだろうか?天文学ならともかく、空の話なんかした覚えは・・・。

「曇ってるとろくなことが無いとか、嫌なことがあるといつも雨が降るとか。」

・・・いつの間に。大体俺はジンクスなど信じないのではなかったか。

「今も曇ってるけど、あたしといるの、嫌?」
「・・・別に。」
「あ、赤くなった。」

・・・今更ながら気づいた。俺はこの女が苦手だ。

「子供みたいねえ。」
「悪かったな。」
「あ、ふてくされた。」
「・・・もう元気になったんだろ。帰・・・」

しまった。俺はバカか。

「・・・帰るところなんて、もう無いじゃない。」
「いや、その、何だ。」
「・・・あたしにはもう・・・。」
「く・・・済まなかったと言っている。」
「・・・面倒見てよ。」
「ああ・・・・・・って何ぃ!?」
「・・・よろしく♪」

・・・もしかして、これが狙いだったのか?
いや、そんな馬鹿な・・・。

「あ、晴れたみたいだよ。」
「・・・そうだな。」
「悪い天気だから悪いことが起きるんなら、良い天気なら良いことが起きるのかな?」
「・・・さあな。」
「あ、そういえば自己紹介まだだっけ。」
「・・・・・・そうだったか?」
「へへ、アタシの名前はね・・・」


俺はジンクスなど信じない。
何故なら、例え晴れていても、良い紅茶が手に入っても、悪いことは起きるものだからだ。

事実、彼女の入隊手続き等で俺はいつもの職務に加えてさらに仕事を増やす羽目になった。
ついでに言うと、パイロットとして優れた適性があったらしい彼女は、特別に少尉として俺の隊へとやってきた。
念動力だの何だのと一部では噂していたが、そんな馬鹿げた理由で士官になれるはず無いだろう、と思う。
本人は「家族の仇討ちだって説明したらなんかえらそうな人が感動してたから、そのおかげじゃない?」などと言っていたが。

そういえば、あのサンディエゴ以来、いつもと同じ紅茶が妙に旨くなった気がする。
おそらくそれh「おーい!そろそろメキシコに移動だってさー!あ、何書いてんの?日記?見せて見せて!」「やめろ、おい!返せ!返せぇぇぇっ!!」


おそらくそれは、いつも晴れてるような奴が隣にいるからだろう。
俺はジンクスなど信じない。
だが、こういうジンクスなら、信じても良いかもしれない。





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776 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 22:49:47 ZpxaBV+p
U殻キタ━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━!!!!
全国云百万人のU殻ファンが報われる日が来た…(´Д⊂ヽ



777 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 22:52:52 CdDG9mOp
これはいいSSですね



778 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 22:53:16 Uetb11d7
>>775
GJ!!
アンタも凄ぇよ!!



780 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 22:55:10 hF/BUYED
ウキーラキタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!



781 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 22:55:20 cLmPbL0y
おばあちゃんが言っていた。
自分では「ああ、上手くいかないな」と思っても心を込めて書いた物なら皆にそれが伝わると。
つまりはGJです。



782 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 22:56:00 mri9aU3a
>>775
読んでくうちに幸せな気持ちになったよ。
グッジョブ!



783 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 22:56:28 jRVrAojN
とりあえず、ユウはなんだかんだでカーラには勝てないと思うんだよね。


784 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/07(金) 22:57:13 CdDG9mOp
長いSSは敬遠されがちだがこれはいいぜ

俺はOG2ではカーラ使ってなかったがOGsでは絶対使う
なぜなら声が好きだからだ
サトシいいよサトシ(*´Д`)/ヽァ/ヽァ でもサトシっぽくないところがいい(;゚∀゚)=3

あぁ、こんな面白い流れに参加できなかったのが口惜しい

投稿者 ko-he : 2006年07月15日 00:35 : スレ内ネタ:SS

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コメント

お陰様でコミケ用の原稿は無事納めました。
ちなみに、スパロボに参戦している某新世紀アニメが元ジャンルでつ。

投稿者 B6UkOODv : 2006年07月18日 21:17

ガンダムXか!

投稿者 サバ : 2006年07月19日 12:41

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