2006年12月01日
 ■  サア、オイシイオリョウリヲツクリマショウ

スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その104
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1160222839/l50


682 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/10/11(水) 01:30:55 mxENvQk4
「はぁー」
「どうしたよ、ラト嬢ちゃん」
「まだまだ塚さんの腕にはほど遠いな、と思って…」
 (いろんな意味で)地獄の料理教室の参加者の中ではそこそこ出来の良かっ
たラトの生真面目な落ち込みぶりを見て、塚は苦笑しながらもこう応じる。
「なあに、要は経験だ。自分のベースにする味付けを掴んでしまえば、後は
全部その応用さ。すぐ追いつく」
「でも塚さんは毎日こうやってお仕事でやってる訳だし」
 真面目ないい子だ。塚は改めてラトのことをそう評価した。彼女は自分に対
する過大評価は絶対にしない。自分に足りないものを正確に把握して評価を下
せる。もっともそういう人間は得てしてちょっとしたことで諦めを付けてしま
いがちだ。だからこそ、塚はこんな言葉を続けた。
「そうでも無いさ、それも良し悪し。仕事として料理をするっって事は『ハレ』
の食事、まあ平たくいえばごちそうを作る訳だ。よって、俺達はバッと食べた
瞬間に『美味い』もんを作る習慣がある」
「はあ」
「それともう一つ。俺達が素人さんより何が優れているかっていうポイントは
な、大量の料理を均質に作れるって事だ。例えば100人前の食事を一気に出せ、
って言われれば、俺には出来るが、ラト嬢ちゃんには出来ないだろ?」
「はい」
「だから、そういう所の逆を突けば、俺以上に美味いものは必ず作れる」
「なるほど」
「実際世の中にはな、プロの料理人が逆立ちしたって絶対勝てない料理人が居
るんだよ」
「どういう人ですか」
 塚はその真摯な問いかけに、苦笑いとともにこう応じた。
「おふくろさん」
 その瞬間、塚の前にいたラトと、そして背後にいたマイの目が確かに光った。



「という訳で修行に来ました」
「是非教えてください。報酬としてリュウを連れて来ました」
 いやに殺気立っているラトとマイの心境が分かっているのか居ないのか。
ユキコはいつもの暢気な口調に嬉しさを加えてこう応じた。
「あらあら~、よく来たわね~」
 その上、両者の顔をまじまじと見比べた後にさらにこうまで言った。
「やっぱり女の子はいいわね~。男の子はトシを追うごとにかわいげが無く
なっちゃってね~。10年ぐらい前は夜中に雷を怖がって私の布団に潜り」
「おふくろ! いいから黙ってろよ! なんでいっつもそうやって恥ずか
しい話ばっかり」
「本当の事でしょ~?」
「だからだよ!」
「リュウ? 母さん貴方をそんな子に育てた覚えは無いわよ~?」
「じゃあどんな子に育てたんだよ」
「どこに出しても恥ずかしい子に」
「逆だろ!? 普通!」
 ユキコさん、貴方の言葉は見事正解です。
 そう顔に書いて呆れ返っているラトとマイに、久々の親子のコミュニケーシ
ョンを楽しんで上機嫌のユキコはこう告げる。
「なにも無いけど、すぐご飯作るから、ちょっとだけ待っててね~」



683 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/10/11(水) 01:31:08 mxENvQk4
 で、30分後。
「はい、お待たせしました~」
 その言葉とともに食卓に並んだのは、何の変哲もない家庭のお惣菜ばかり。
塚の作る料理よりは明らかに地味だ。
『…どこが塚さんの料理に勝っているのかしら』
『わからない』
 口の中で思わずそう呟きつつも、ラトとマイはまず汁椀に口をつける。
「!?」
「なにこれ…美味しい」
 メインの具材は冬瓜。ボディをしっかりさせる出汁は短冊切りにされたベー
コンと薄切りの干し椎茸からしっかりと引き出されており、塩味もおそらく少
量の塩を足した程度。
 塚が料理するなら、ベーススープも塩分もずっと濃く味をつけるだろう。
だが、ユキコがつけたこの味だからこそこのスープは美味い。ラトもマイも
そう思った。あくまでも淡い塩味の中から、冬瓜の甘み、ベーコンと椎茸の旨
みががくっきりと浮かび上がって来る。そして何より、
「なんか、ほっとする味」
「うん」
 さらに、ご飯茶碗によそってあるのは舞茸の混ぜご飯。何の変哲もない、
1パック100円の舞茸を醤油と少量のバターで味付けし、たっぷりの白ゴマ
と一緒にご飯に和えただけのものだ。
 これも、旨い。
 食べた瞬間に美味いのではなく、しみじみと旨い。
 その味をしっかりと噛み締めている横で、
「おかわり!」
 その味のありがたみをまるでわかっていないかのような体で、リュウセイが
ご飯茶碗を突き出す。ユキコは嬉々としてそれを受け取り、混ぜご飯をこれで
もかと大盛りに盛り付ける。
 それを横目で見ながら、マイとラトはその他のおかずにも手を付け始める。
 かぼちゃを荒く潰し、少なめのマヨネーズで和えたサラダ。
 それと一緒に食べると丁度いい、ボイルしただけのブロッコリー。
 細かく割かれたササミとキュウリの酢味噌和え。
 どれを取っても、味わいは同じものだった。
 美味いのではなく、旨い。
「そっか」
「これが、おふくろの味なんだ」


「結局料理をいちばん旨くするのは、食べ手に対する愛情なんだよな。食べる
人のことを大事に思って気遣って、手間を惜しまずその人のために料理する。
だとすれば、俺達がいくら逆立ちしてもおふくろさんの愛情には敵わない」
 塚のその言葉を受けて、ライがこんな疑問をぶつける。
「じゃあ、あの子たちがリュウセイの家に行っても無駄なんですか?」
「そうでもないさ」
「?」
「言ったろ? 食べる人に対する愛情が、料理を旨くする、って」
 その言葉を聞いて、ライは塚の言わんとする所を理解した。
 それを見て取って、塚は言葉を続けた。いくつもの意味を込めた言葉を。
「リュウセイの奴ぁ、果報者だよ。気づくだろうさ、そのうちな」



684 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/10/11(水) 01:35:34 Zj7rW4Ix
>>682-683
何だろう・・・塚さんの声がクリスの声で脳内再生されたよ。



685 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/10/11(水) 01:37:55 42REJmdi
林原?



686 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/10/11(水) 01:39:08 Zj7rW4Ix
>>685
ちゃうちゃう、クリスとアークのほう。


694 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/10/11(水) 06:59:00 PJGE+zU2
>>686
ゼーガの方か


687 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/10/11(水) 01:54:51 zjr12VTD
エライ人曰く、料理には3つの種類があるんだよ
お袋、シェフ、パティシエってね
ラトは経験とカンと愛情に若干の手抜きがキモになるおふくろの味よりも
正確な分量・手順・時間が必須条件なパティシエのデザート作りのほうが向いていると思うんだ



688 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/10/11(水) 01:56:23 Zj7rW4Ix
>>687
メルアの目がキラキラ輝きだしたんだが気のせいか?


693 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/10/11(水) 03:32:16 RzJRUJra
>>688
メルア「光子力ビィィイイイイイイイム!!」

かと思た



696 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/10/11(水) 08:24:08 bZE5qV9T
>>693
テニア「アイソリッドレーザー!!」
メルア「きゃあ!やられました~(バタ)」

統夜「幼稚園児の遊びかよ・・・。」



698 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/10/11(水) 09:40:27 apQrzKOc
>統夜「幼稚園児の遊びかよ・・・。」
  , -__ヽ|ノ_
 <;;;;;;ノノハヽ
Σ ヾ ´Д`ノ ←今でも普通にノリノリでやってる人


699 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/10/11(水) 09:45:17 54sSzvf4
>>698
本物でなw

きっとリュウセイは、こどもの頃の作文には「ぼくの将来の夢は、スーパーロボットのパイロットになることです」とか書いていたに違いないww



700 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/10/11(水) 09:51:16 /LkivAfK
むしろ「お父さんみたいなみんなのヒーロー」とか。
警察官はヒーローですよね。




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690 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/10/11(水) 02:31:52 ir2Li5CO
メレンゲとか生クリームが顔とか体とかにかかって男ドモが前かがみになるイベントフラグだな


691 :流れは炊事と見た!! :2006/10/11(水) 02:43:01 dZgCi6PZ
富士樹海でのSRX小隊(残機 リュウセイ&ライ)対ATX小隊(残機 キョウスケ&ブリット)の模擬戦にて

ヴィレッタ「お互いのチームは前方二十キロ先に居るわ」
アヤ「ふふふ……うちのリュウセイとライとの二対二なら、SRX小隊の勝ちね」
ヴィレッタ「休憩時間は終了よ。両チーム状況を開始しなさい」
エクセレン「あ~ら、それはどうかしら。実験部隊のリーダーさん。叩上げ小隊を甘く見ないことね」
ヴィレッタ「………生活感むき出しでウロチョロすなー!!」
エクセレン&アヤ(あ~ん?)といった感じで振り向く。
アヤ(割烹着と三角巾。額には念の字)「炊事洗濯道をバカにするとは貴様それでも軍人かー!!」
エクセレン(三角巾とATX小隊と書かれたエプロン)「柳生烈堂いわく、戦場では誰が飯を炊くぞ!!」
ヴィレッタ「う……」
マイ(エプロン)「ちなみに元ネタは子連れ狼だ。隊長はまさか知らないのか?」
ヴィレッタ「いや、そうじゃなくって……ナニやってるの?」
エクセレン「自分が置かれた状況下で出来る事をしてるのよ」
アヤ「撃墜組みの罰ゲームの実行及び監視」
エクセレン「適度な運動とダーリンへ愛の篭った栄養管理」
マイ「とりあえず空いた時間は活用すべしと隊長もいっていた」
ヴィレッタ「な、なるほど……」
エクセレン「いけない! 豚汁の火を止めてないわ!」ダッ!
アヤ「ご飯もちょうど炊けてるころね!」ダッ!
マイ「テーブルの設置は完了している、アヤ」
アヤ「ごくろう!」
ヴィレッタ「調子狂うわね……」(……な、なによぅ、私だって大根のかつら剥きくらい……いや、そうじゃなくて)


元ネタから若干改悪。



692 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/10/11(水) 02:55:42 x8WLZPTG
何その荒野に獣慟哭す

荒野に獣慟哭す 4 (4)

荒野に獣慟哭す 4 (4)


投稿者 ko-he : 2006年12月01日 13:07 : OG萌えスレ101-105

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コメント

>>687
板前を忘れるなんて。

投稿者 ひかっぺ : 2006年12月01日 19:34

料理人は20代前後が明暗を分けるらしいな。
修行が遅いとどうしてもおふくろの味になって修正が効かなくなるんだと。

投稿者 紅名無しさん : 2006年12月01日 20:20

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