「今は部屋で寝込んでるらしいわ」

食堂でレオナはタスクに風邪をひいたことを伝えていた
まぁ、タスクは本当は知っていたのだが…

「て………天変地異の前触れか………レオナちゃんデート行こうぜ！デート」

タスクの誘いをいつものように断るレオナ…だが、手にはお粥がつくられていた

「嫌よ、でもお見舞いなら行ってもよくってよ」
「んもう、レオナちゃんてばツンデレなんだから～」
「やっぱり止めようかしら」
「うそうそ！じゃいきましょか！」

305 ：ヒリュウ改通信　号外　2/3 ：2006/09/23(土) 13:37:18 o/9hFMBR
【カチーナ自室】
“勝手に入った奴はぶっ殺す！”という貼紙がしてある

「ｺﾞﾎ…ｺﾞﾎ…まさか風邪をひく…ｺﾞﾎとは…」

タスクが風邪をひいたときは“根性で治しやがれ！”と葱を首にまいて窒息させたことのあるカチーナは
クマさんパジャマを着てベッドの上で抱き枕を抱きながら天井を眺め
ぐったりとしていた…
たまには…ゆっくりもいいかもしれない…

「隊長！大丈夫っすか！！」

タスクとレオナが入って来た
ゆっくりできそうもない…

「林檎とお粥を持ってまいりましたわ」
「あ、ああ…サンキュ……じゃ…そこに置いて…」

ここは、早々と退散して戴いてゆっくりとしたい
…できる訳ないが………

「へーっ、隊長の部屋って案外キレイっすね」

タスクは部屋を見渡しながら答えた
部屋と言っても目立つ物といえば
ベッドと机、それにパソコンとクマの人形…軍艦なのでしょうがないが
それでもきっちりと片付けられていた

「な！タスク！！て…テメェ…ｺﾞﾎｺﾞﾎ…舐めてんのか」
「舐めてなんかいないッスよ、ホラホラ、隊長は寝ていて下さい」
「そうですわ…今、林檎を剥きますから………」
「くっ……治ったら覚えてやがれ！」

ｼｬﾘｼｬﾘｼｬﾘｼｬﾘ………
レオナの林檎を剥く音だけが聞こえていた

「俺がなんか子守歌でも…」
「イラネーよ！林檎剥いたら………」

その時、林檎を剥く音が止まる

「痛っ…」
「レオナ！…指から血が………」

レオナが指を軽く切った
タスクはチャンスとばかりに、レオナの傷口を舐めた
咄嗟の出来事でレオナも対処出来なかった

「あ…ちょっと、タスク…」
「あとは…絆創膏を…カチーナ隊長、絆創膏ありますか？」

「いちゃつくんなら！テメェら！！出てけ！！！」

二人を追い出した、カチーナはそのままベッドに倒れ込んだ………

「ｺﾞﾎｺﾞﾎ…うっ……気持ち悪くなってきた…」

306 ：ヒリュウ改通信　号外　3/3 ：2006/09/23(土) 13:40:48 o/9hFMBR
あれからいつのまにか寝てしまっていたカチーナは、おでこのタオルで目が覚めた…

（………冷たい………）

「あ、中尉…起こしちゃいました？」

そこには、ラッセルがただ黙って座っていた

「…ラッセル…？」

ラッセルはカチーナのタオルを取ると、洗面器の水に浸け、水を絞り
またおでこに優しくのせた

（………気持ち良い………）

カチーナは安心した顔で、また寝息をたて眠り込んだ

「中尉？…寝ちゃいましたか………」

水を替えに行こうと席を立つと、カチーナがラッセルの服の袖をしっかりと掴んでいた

「………参ったな………」

「大丈夫ですか？」
「お見舞いにきましたぞ」

レフィーナとショーンとユンが見舞いに入って来た
そこにはベッドで眠るカチーナと
看護に疲れてか、カチーナの寝息に誘われてかラッセルがベッドに寄り添う形で寝ていた

「………」

カシャ

「って！ショーン副長！」

「治った！治った！さーて………ん？なんだ？あの人だかり」

カチーナの姿が見えると隊員達はそのヒリュウ改通信まで道を空け
それぞれの職場に散っていった

ヒリュウ改通信号外67“カチーナ中尉とラッセル少尉の愛の行方その３”

「…………………」

「タスク！テメェ！待ちやがれ！！」
「俺じゃない！俺じゃないッスよ！」
「問答無用！！しねぇ！」
「うんぎゃああああああ！」

「平和ですな…艦長…」
「副長………」

307 ：名無しさん＠お腹いっぱい。 ：2006/09/23(土) 13:51:36 kBsD4BGy
(*´Д｀)/ヽァ/ヽァ

308 ：名無しさん＠お腹いっぱい。 ：2006/09/23(土) 13:55:34 3kBM64Ys
>>306を見て

そして、号外の写真の隣に、小さく、　ショーン副長　と書いてあったから、カチーナ大尉に３週間、ヒリュウ改の掃除をすべて任されていた

とゆう電波が来た

309 ：名無しさん＠お腹いっぱい。 ：2006/09/23(土) 14:05:33 sYfS9jsc
>>306を見て

-レフィーナが艦橋で倒れました-

なんて電波が

さすが英国紳士（少佐）だ、身内のスクープでも容赦ないぜ！