2008年08月25日
 ■  シャナ=ミア

【清楚】シャナ=ミア【丁寧語】
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1149862128/l50



1 :それも名無しだ :2006/06/09(金) 23:08:48 zcDuq1b3
以前も似たスレがあったようなので
その次スレ、という感じで
シャナ=ミアを語るスレです。


2 :それも名無しだ :2006/06/09(金) 23:11:34 +xxE4EMR
ぶっちゃけ出番が少なくてネタが…
統夜と幼馴染み設定で伸ばせるだろうか


12 :それも名無しだ :2006/06/11(日) 09:40:11 vk4gyRXr
うるさいうるさいうる(ry

・・・・いや、ホントごめん



7 :それも名無しだ :2006/06/10(土) 10:15:03 8Gd8iovb
語るっつってもな
キャラの露出が少なすぎて語ろうにもなあ



8 :それも名無しだ :2006/06/10(土) 11:56:27 nYBDm8kT
とりあえずOGに出たら

私、私ね、統夜ともっと一杯話したいの、統夜君の事もっと知りたいの、私の事もっと知って欲しいの
統夜ーー

みたいな展開にして欲しい



9 :それも名無しだ :2006/06/10(土) 15:37:05 BvqSXdMd
>>8
統夜じゃなくてアルヴァンならあるかもな



15 :それも名無しだ :2006/06/12(月) 20:36:03 KdSowvPT
アレだ、声優は誰が良いと思う?


17 :それも名無しだ :2006/06/12(月) 20:45:19 jiCirfeQ
真綾or桑島

(ちなみに俺は統夜の声は下野紘派w)



18 :それも名無しだ :2006/06/12(月) 20:54:34 XxsOt8Oo
>>17
それなんてPON?



21 :それも名無しだ :2006/06/13(火) 15:08:19 n0IliA+u
田中理恵がいいな
フルメタのお蓮さん風なしゃべり方



22 :それも名無しだ :2006/06/14(水) 23:21:05 Aoki726D
もう理恵でいいよ。


釘宮ね。
うるさ(ry




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34 :それも名無しだ :2006/06/21(水) 11:34:00 QG8Xi7m5
この娘、統夜編では
「アル=ヴァン、私を置いて行かないで!私は貴方が居ないとダメなの!」
って叫ぶキャラなのに。

カルビ編では随分地味と言うか、遠慮がちというか。
呼称も「お従兄さま」になってるし。



35 :それも名無しだ :2006/06/21(水) 18:53:23 n+RQfiXN
>>34
カルビの前でそんな風に呼んだら血だるまにされるから、だな。


37 :それも名無しだ :2006/06/22(木) 01:03:57 Ji4opjlA
>>34
だってまともにラブバトル展開しても勝ち目無いもの



38 :それも名無しだ :2006/06/24(土) 22:51:12 mLi/R7TI
つまり
トウヤに3人娘、シャナをくっつけて
カルビにアルバンをくっつければよいのだな



39 :それも名無しだ :2006/06/25(日) 12:23:57 9v+WU8lk
アルバンカワイソス




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41 :それも名無しだ :2006/06/25(日) 23:37:29 5wKJtnOh
気になったんだが、シャナ姫って統夜より年上?年下?
俺は、3〜4歳年上って思っているんだが・・・



42 :それも名無しだ :2006/06/26(月) 11:49:31 rX4QknUZ
同い年でしょ



44 :それも名無しだ :2006/06/29(木) 09:14:03 96kGyYWK
シャナ「私達、幼馴染みですの。」


統夜「ごめん、おぼえてない」


シャナ「統夜ァァァァ!」

カルビスレから持ってきた。今は反省してる。


しかも比瑪役が三人・・。


45 :それも名無しだ :2006/07/02(日) 15:34:52 S89ipQ1A
個別ルートだとアル=ヴァン死んじゃうから、
シャナ一人しかフューリーの重鎮は残らない訳で。

小娘一人で交渉してたら、どう見ても地球に技術だけ吸い上げられてポイです。
本当にありがとうございました。

そうならないように、ハーフフューリーな統夜は
地球で乳繰り合ってばかりいないで、月で幼馴染を手助けすべきだと思うのだがどうか。




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56 :それも名無しだ :2006/07/27(木) 19:04:08 svbJupLk
ちょっと聞きたいんだが、ここで書くとしてカップリングは
①統夜
②アル=ヴァン
③カルヴィナ
④その他
のどれがいいんだ?



57 :それも名無しだ :2006/07/27(木) 19:36:24 YilAaWdp
>>56
まあ誰でもいいんじゃね?


58 :お姫様の夏休み第一話 :2006/07/27(木) 19:58:17 svbJupLk
シャナ「ふう……。おに……アル=ヴァン・ランクス、これで終わりですか?」
アル「はい。……申し訳ありません、シャナ様。しかしシャナ様の署名が必要なのです」
シャナ「いえ、貴方を責めている訳ではありません。私はフューリーの代表ですもの、このくらいのことはしなければなりません」
アル「しばらく会談や署名などの気疲れする仕事が続いています」
シャナ「私は今まで何もできなかったのですから。大それたことはしていません」
アル「姫。貴女のお体には全世界のフューリーの命運がかかっているのです」
シャナ「お従兄さま? いったいどうしたのですか?」
アル「そこで、僭越ながら私たちフューリー幹部が一計を案じ、シャナ様にちょっとした贈り物をご用意いたしました」
シャナ「贈り物?」
アル「——夏休みです」


統夜「おーい、用意できたのか?」
テニア「うん、ばっちし!」
統夜「……カティア、用意できてるか?」
テニア「うわ、統夜ひどっ!?」
カティア「ええ、統夜。それにしても……ラフトクランズをこんなことに使っていていいのかしら?」
テニア「いいじゃん! せっかく平和になったんだし!」
統夜「まあ、何か聞かれたらオルゴン・クラウドで誤魔化せばいいさ」
カティア「……そういう問題なの?」
メルア「私はお菓子がたくさんあればいいです」
カティア「……はあ。あまり気に病む私の方が変なのかしらね」
テニア「そう言えば、昨日アル=ヴァンさんが電話で言ってた人って、どうなったの?」
統夜「もうそろそろ来る……と思うけど」
メルア「どなたが来るんですか、統夜さん?」
統夜「さあ? なんか、フューリーに一般的な地球人の生活を見せたいとかって話だけどな」
テニア「げっ、じゃあアタシたち、教育番組のお姉さんみたいなことしなきゃなんないわけ!?」
カティア「大丈夫よ、テニア。きっとアル=ヴァンさんもテニアにそんなことは期待してないわ」
テニア「そっかー。良かっ……ん? 今、カティアさりげなくアタシのことバカにしなかった?」
カティア「あら、気のせいよ」
統夜「お前らうるさいぞ。……あれ? 何だろう。黒塗りの車が」
メルア「ビターチョコレートみたいですね」
テニア「わっ! こっちに来たよ!」

——キキーッ……ガチャ、バタン

アル「統夜、わざわざ君に頼みごとをしてすまなかったな」
統夜「アル=ヴァン・ランクス!? じゃあこの車はあんたのなのか!?」
アル「いや、私の私物ではない」
統夜「その車の中に昨日言ってた調査員とかいう人がいるんだな……」
アル「その通りだ」
テニア「でもさ、アタシたち。そんなにすごいことできないよ?」
??「そんな心配には及びませんよ、テニアさん」
カティア「……この声」
メルア「……まさか」
シャナ「今日からキャンプに行くのですよね。私、昨日から楽しみで楽しみで、つい夜更かししてしまいました」
四人「シャナ=ミア!?」

カティア「どうしてシャナさんが」
アル「ん? 紫雲統夜、私は君に伝えたはずだと思うが、従者諸君に伝えなかったのか?」
統夜「……聞いてないぞ」
アル「確かに『地球の文化調査、学習のためにフューリーを一人預かってもらいたい。我々の中で最もこの状況に適当な人物だ』と伝えたと思ったが」
統夜「いや、て言うか知ってる奴なら知ってる奴だって言えよ!」
シャナ「……あの、もしかして、私はあまり歓迎されていないのでしょうか……?」
統夜「あ、いや、そういう訳じゃないですけど。姫様が来るなら最初から言っていただければ、こっちもそれなりの心の準備ができたのにって」
シャナ「こちらからお願いしたのですから、お気遣いいただく訳には」
統夜「仮にも一国の姫に失礼なことはできません」
シャナ「統夜=セルダ・シューン名誉騎士」
統夜「は、はい?」
シャナ「私は今日は公務ではありません。子どもの頃のように『シャナ』と呼び捨ててはいただけませんか? それから丁寧語ではなく、貴方の普段通りの喋り方を」
統夜「あ、わ、分かりま……分かった。シャナ」
シャナ「ふふ……ありがとう……統夜」
テニア(……ねえねえ。シャナってアル=ヴァンのことが好きなんだよね)
カティア(そうだったと思うけれど……たぶん)
メルア(統夜さん、シャナさんと仲が良さそうですね)
テニア(で、でもさ、あれってただ単に幼なじみだったからでしょ!?)
カティア(幼い頃に引っ越して分かれた二人が偶然出会う……それが恋の始まり……おあつらえ向きね)
テニア(ふ、不吉なこと言わないでよ! カティア、少女小説ばっかり読んでるからそんな変な想像するんだよ!)
カティア(『恋愛文学』です!)
メルア(カティアちゃん、たくさん小説持ってますもんね)
統夜「あれ、三人とも、何やってるんだ?」
テニア「えっ!? ……あ、あはは! 何でもない何でもない」
統夜「何か話してたみたいだけど」
メルア「はい。統夜さんとシャナ=ミアさんがこいっ……!?」(がばっ)
テニア「メ、メルアったらやだなぁ! 何でもないよ! うん、本当に何でもないの!」
メルア「モガモガ」
カティア「そ、そう言えばアル=ヴァンさんはキャンプの経験とかあるんですか!? 一緒に行くんですよね?」

アル「いや、私は職務があるので行くつもりは無いが」
テニア「ええっ!? だ……だって……じゃあシャナの世話は誰がするの!?」
シャナ「あの……私ちゃんと一人でもやれます……」
アル「統夜がいる。彼は若いが名誉騎士だからな。私も安心してシャナ様を任せられる」
シャナ「お従兄さま。私ちゃんと一人で……」
統夜「シャナ、落ち着いて」
シャナ「……もう」
カティア「ですが……」
アル「すまない。そろそろ私も戻らねば。統夜、後は頼むぞ」
統夜「分かったよ。って言ってもキャンプしに行くだけだけどな」
カティア「安請け合いしないでください、統夜!」
統夜「何、怒ってるんだ?」
メルア「カティアちゃん怖いです」
シャナ「……やはり私は迷惑なのでは……」
統夜「いや。気にしないでいいよ、シャナ。いつものことだから。テニア、カティア。シャナは俺が手伝うから、お前たちの手は煩わせない。それでいいだろ?」
テニア&カティア(それが一番心配なの!)
アル「……話はまとまったようだな。それでは私は失礼する」
シャナ「行ってらっしゃいませ、お従兄さま」
統夜「さて、じゃあ俺たちも出発しようか」
カティア「……はぁ。分かりました。分かりましたよ、もういいです」
シャナ「いよいよ出発なのですね。……統夜、今日のお宿はどこなのですか?」
統夜「…………」
テニア「…………」
シャナ「…………?」
統夜「シャナ、まずはキャンプについて勉強しようか」

(第一話 終)



62 :それも名無しだ :2006/07/27(木) 21:18:38 YilAaWdp
>>58-61
乙。続きが楽しみ。
不覚にもジェラシーカティアに萌えた。



63 :それも名無しだ :2006/07/28(金) 00:58:01 XQ600C7M
実にGJだ



105 :お姫様の夏休み第二話 :2006/07/29(土) 16:57:15 MEtDjYKf
テニア「ついたー!」
シャナ「これは……海ですね?」
統夜「山です」
シャナ「え……でも」
統夜「正確には湖。ネルガルの保養地だよ。海はこんな湖よりもっともっと大きい」
シャナ「そうなのですか……」
カティア「海のキャンプは以前しましたしね」
メルア「あのキャンプは辛かったです」
シャナ「どうしてですか?」
メルア「甘いものが全然食べられなかったんです……」
シャナ「???」
統夜「さて、テントを張らないとな。その前に腹ごしらえか」
テニア「オッケー待ってました!」
カティア「統夜、荷物の中からカップ麺と水筒取ってください」
統夜「了解。テニアは豚骨ラーメンか?」
テニア「うん、そう!」
統夜「俺とカティアは無難に醤油ラーメンか。メルアは……お汁粉味? こんなのあるのか!?」
メルア「ダメですか?」
統夜「いやまあ……売ってるってことは需要はあるってことだよな……誰が買うのか知らないけど。カティア、水筒。シャナ、はい、塩ラーメンでいいだろ?」
シャナ「…………」
統夜「シャナ?」
シャナ「これはいったい……何なのですか?」
カティア「シャナさん、もしかしてカップラーメン食べたことありません?」
テニア「考えてみれば、フューリーの大使館じゃそんなの出ないよね」
シャナ「……すみません……私、不勉強ですね……」
テニア「えっ? い、いや違うよ! そういうつもりじゃなくって……」
統夜「大丈夫だよ、シャナ。俺たちのやるのを真似すればいいだけだから」
シャナ「は、はい! ……頑張ります!」
統夜「いや、そう気張るものじゃないんだが……」
メルア「美味しいです」
テニア「メルア早!?」
統夜「まずこうやってビニールを開けて、蓋を開ける。あとはお湯を注いで三分待つだけ」
シャナ「待つだけ? お料理はなさらないんですか?」
カティア「三分待てば自然にできあがるようにできてるんです、シャナさん」
シャナ「これは凄い調理器具なのですね……」

統夜「いや、調理器具ではないけど……まあいいや。じゃあお湯入れるから準備しておいて」
シャナ「分かりました。やってみます!」
統夜「それにしても、ラーメンだけってのはなんか味気ないよな」
カティア「それ、私に対する当てつけですか?」

——カリカリカリカリカリ

統夜「い、いや、そういう意味じゃないけどさ……ん? テニア、何急いでるんだ?」

——カリカリカリカリカリ

テニア「なんかなんとなく食べ物のことで負けるって屈辱なの!」
統夜「……そうか」
メルア「ごちそうさまでした」
テニア「あっ! ほら、統夜が話しかけるから!」

——カリカリカリカリカリ

統夜「それは悪かったな……シャナ、そろそろ準備できた?」
シャナ「……………………統夜様」
統夜「……分かった。ビニールは俺が剥がすよ」

アル「ラフトクランズの信号?」
従者「はい。ポイント230のE……ネルガルの保養地がある地点ですね」
アル「それはおそらく紫雲統夜のラフトクランズだろう。確かそこに行くと言っていた」
従者「紫雲統夜……名誉騎士ですか?」
アル「君も知っていると思うが、先の戦争でフューリーの平和を導いた人物だ。特別にフューリーの外にいながら、ラフトクランズの所持を許されている」
従者「存じております」
アル「彼ならば間違っても私怨のためにあれを駆ることは無いだろうな。報告は以上か?」
従者「はっ!」
アル「では下がって構わん」
従者「失礼します!」
アル「次は……連合軍との折衝か。やれやれ。一国の姫とは言え、シャナ様にこの様な激務を課しているのはどうもな。せめて今は楽しんでいらっしゃればいいが……」

テニア「そんじゃ、みんなで湖の方遊びに行こう! 行くよメルア!」
メルア「はい!」たたたたたた……!
カティア「こら! もう、二人とも……テントの組立も手伝わないで!」
統夜「いいよ、カティア。どうせすぐにできるし、カティアたちも先に行っててくれ」
カティア「そ、そうですか? 統夜がそう言うなら、お言葉に甘えようかな。それじゃあ……」
シャナ「統夜様、何か私にお手伝いできることはありますか?」
統夜「えっ? いや、俺だけでやれるから大丈夫だよ。シャナも湖の方に行ってみたらいいんじゃないか?」
シャナ「そんな、統夜様一人を働かせて、私が遊んでいるわけにはいきません。それに私はあまりこうした経験がありませんから、できるだけ色々なことに挑戦してみたいのです……」
統夜「そう……そうか。うん、分かった。じゃあ手伝ってもらおうかな」
カティア「…………」
統夜「あれ、カティア、忘れ物か?」
カティア「私も手伝います」
統夜「え、いや、別に」
カティア「手 伝 い ま す !!」
統夜「……わ、分かった。あ、ありがとう」

テニア「カティアたち遅いなぁー……」ぷかぷか
メルア「そうですねぇ……」ぷかぷか
テニア「……ん?」
メルア「どうしたんです、テニアちゃん?」
テニア「いや、今さ、あの沖の島の方で何か光らなかった?」
メルア「……何も見えませんけど」
テニア「あれ? おっかしいなぁ。今確かに光ったと思ったのに……」
メルア「灯台でもあるんでしょうか?」
テニア「んー、そんな感じでもなかったような……」
メルア「そんなことより、戻りませんか? なんだか心配です」
テニア「そだね。戻ろっか。シャナはともかく、カティアが来ないの変だもん」

——バシュッ

メルア「?」
テニア「メルアー! 何してるの? 早く早く!」
メルア「あ、はい」

??「サいトロンが記オクしている……今のニン間を知っテいる……サン人のジッ験体……。……トーヤ……」

(第二話 終)



108 :それも名無しだ :2006/07/30(日) 01:15:56 z3fpZKQy
続きキターヽ(´▽`)/
GJです!



109 :それも名無しだ :2006/07/30(日) 08:53:58 t0gwE4GS
一晩たったら続きが!!


次もヨロシクです



110 :お姫様の夏休み第三話 :2006/07/30(日) 20:05:27 Jkybw3Ah
統夜「よし……これを固定して完成だ」
テニア「あっ、テントもうできたんだ?」
カティア「そうよ。貴女たちが遊んでる間にね」
テニア「そ、そういうこと言わないでよ。カティアの意地悪」
メルア「そう言えばカティアちゃん、どうして来なかったんですか?」
カティア「え、そ、それは……どうでもいいじゃないそんなこと!」
テニア「何ムキになってるの?」
カティア「なってません!!」
シャナ「これがテント……? 今日はここに泊まるのですか?」
テニア「そうだよー。夜はバーベキュー食べて、そのあと花火もするんだから」
シャナ「…………」
統夜「シャナ?」
シャナ「あの……統夜様。こんなことを言うのは失礼かもしれませんが、フューリーの難民基金に申請すれば、当座の生活費は……」
統夜「シャナ、別に生活に困ってこういう生活してる訳じゃないから」
カティア「こういうことを楽しむのが、キャンプの目的なんですよ」
シャナ「そう……なのですか……これ、ベッドがありませんけれど、どうやって眠るのですか?」
メルア「寝袋です」
カティア「こういうの。ちゃんとシャナの分もあるから大丈夫ですよ」
シャナ「これは……ステイシスベッドの様なものですか?」
統夜「いや全然違うけど、まあシャナが納得できるならそれでいい」

テニア「びゅーん!」
カティア「テニア、振り回さないの! 火花が飛び散って危ないでしょ!?」
テニア「もう、カティアってばうるさいなぁ」
カティア「う、うるさいですって!? テ〜ニ〜ア〜!!」
テニア「きゃー、カティアが怒ったよ〜!」
メルア「これ……何ですか?」
統夜「それは打ち上げ花火だな。よし。じゃあ何発かやってくるか」


カティア「はぁ……まったくもう、テニアったら言うこと聞かないんだから」
シャナ「皆さん、楽しそうですね」
カティア「うん。まあ私たちは特に。実は私も結構楽しんでるのよ」
シャナ「ふふ。テニアさんたら、怒られたのにあんなに走り回って」
カティア「まあ、気持ちは分かるから。あんまりきつく怒ったりはできないのよね」
シャナ「テニアさんの気持ちが、ですか?」
カティア「ええ。私たちってこういう遊びがあんまりできない環境で育ったから」
シャナ「…………!」
カティア「だから今がすごく楽しいの。きっとテニアのあれは、昔の分を取り戻そうとしてるんだと思う」
シャナ「…………」
カティア「もっとも、つき合わされる統夜は大変でしょうけれど。あ! 花火が上がった!」
シャナ「……すみません。ちょっと夜風に当たってきますね……」
カティア「え……? え、ええ……」
テニア「もう、夜だと落下傘がキャッチできないのが悔しいよー」
メルア「全然見えなかったですもんね」
統夜「まあ明るくなってから探してみれば……あれ、シャナは?」
カティア「何だか、夜風に当たってくるって……」
統夜「夜風に?」

統夜「……星、綺麗だな」
シャナ「……統夜様。……そう……ですね」
統夜「シャナ、もしかしてつまらないか?」
シャナ「い、いえ。そんなことはありません。すごく楽しいです」
統夜「それならいいんだけど。なんだか心ここにあらずって感じに見えたから」
シャナ「……少し不安なんです」
統夜「フューリーのこと? でもアル=ヴァンならちゃんとやってると思うけど」
シャナ「あ、お従兄さまを疑っているという訳ではありません。ただ……」
統夜「……ただ?」
シャナ「……統夜様、今すごく平和ですよね」
統夜「ああ、平和だ。戦う理由もない」
シャナ「……統夜様は、こんなに平和でいいのかな、って思うことはありませんか?」
統夜「えっ……?」
シャナ「あ……いえ……すみません、何でも……ありません……」
統夜「シャナはさ、きっと疲れてるんだよ」
シャナ「そんなことは……」
統夜「明日の朝、湖の中島の方に行ってみようか」
シャナ「湖の……ですか?」
統夜「三人には内緒でさ。静かなところでしばらくゆっくり過ごせば、きっとシャナも気分を落ち着けられると思う」

シャナ「統夜様……。ふふ、ありがとうございます。でもきっと、帰ったらカティアさんたちに怒られますよ?」
統夜「あー……まあ、そうだな……それは怖いけど……まあどうにかするさ」

テニア「カティアー! 起きてっ! 起きて起きて!! 大変だよ!!」
カティア「何なのよもう……騒々しいわね」
メルア「まだ朝の六時です」
テニア「いいからこれ見て!!」
カティア「ん……なになに。『ちょっとシャナと一緒に湖の中島まで行ってくる。食事は用意していくから心配しなくていい。三人は適当に楽しんでてくれ。統夜』……?」
テニア「どうしよう!? ラフトクランズで行っちゃったから、中島に行く方法が……って、うわ!?」
メルア「カティアちゃん……怖い……」
カティア「テニア、携帯電話」
テニア「え、あ、は、はい」

——ピポパ……プルルルル……ガチャ

カティア「フューリー大使館ですね? 私はカティア・グリニャールです。聖騎士のアル=ヴァン・ランクスさんを呼んでください。今すぐによ!!」

統夜「さすがにこのあたりまで来ると、全然人の手が入ってる感じがしないな」
シャナ「本当に良かったんですか、統夜様?」
統夜「まあ、買い物とか、何かつき合うことで折り合いつけるさ。それに夏休みは予定ぎっしりだからな。主に遊びだけど」
シャナ「失った分を取り返す……」
統夜「ん?」
シャナ「……そう、言っていました。カティアさんが」
統夜「シャナも、休みなんてなかなかとれないんだろ? 楽しまなくちゃ」
シャナ「そう……そう、ですね……」


カティア『だから、統夜がシャナさんをてごめにしようと……!』
テニア『カティア、落ち着いてよ! 嘘はよくないってば!』
アル「ふむ。まあ、よくは分からないがそろそろ様子を見に行こうかと思っていたところだ。夕方にはお邪魔しよう」
カティア『それじゃあ遅いんです!!』
従士「失礼します!!」
アル「どうした、騒々しい。通話中だぞ」
従士「……はっ! しかし、緊急連絡なのです! ネルガルの保養地でラフトクランズの反応が確認されて」
アル「それはさっき聞いたはずだが」
従士「二機、あるんです……」
アル「……何?」
従士「ラフトクランズの反応が、二つ……申し訳ありません、反応が微弱だったせいか確認が遅れましたが……」
アル「……何だと!?」

シャナ「きゃっ!?」
??「おっと、動かないでくれよ。右目が潰れててよく見えないんだ。暴れると短剣が刺さっちまう」
統夜「シャナ!?」
??「よう、久しぶりだ。地球人の、ヒトの寝床で騒ぐ癖は直らないようだな、紫雲統夜?」
統夜「貴様は……ジュア=ム・ダルービ!!」
ジュア「名前を覚えててくれてるとはな、光栄だぜクソ野郎」

(第三話 終)


115 :それも名無しだ :2006/07/30(日) 21:14:09 Vilvewqe
お疲れ様です
続き待ってます



116 :お姫様の夏休み第四回 :2006/07/31(月) 19:21:50 v6cyokw2
アル「まだ用意できないのか!」
従士「しかしオルゴンクラウドの戦闘域出力は禁止されています! 連合政府の許可なしに使用しては、外交問題に……!」
アル「くっ……」
従士「自重してください……それに向こうには紫雲統夜名誉騎士がいます」
アル「そうか……そうだな……統夜……」

ジュア「それにしてもてめえら、何でこんなところにいるんだ? のんきにデートか?」
統夜「その無礼な手を放せ、ジュア=ム・ダルービ!」
ジュア「何一人でテンパってんだよてめえ。そんなにこの小娘が大事か……ん?」
シャナ「ジュア=ム・ダルービ正騎士」
ジュア「こいつは……何だ、シャナ=ミア様じゃないか! フューリーの最高権力者が、何だっててめえみてえな地球人に」
シャナ「その手を放しなさい、ジュア=ム・ダルービ正騎士。今ならまだ無礼は許しましょう!」
ジュア「これはこれは、ご寛大な処置、涙が出そうですよ、シャナ=ミア様。けど、そいつはできませんね」
シャナ「……何ですって?」
ジュア「だいたい、俺はあんたに忠誠を誓った訳じゃないんだ。俺が命令を聞くのは総代騎士やフー=ルー様、そしてアル=ヴァン様ですよ」
統夜「貴様、ジュア=ム・ダルービ! 主君の名すら忘れたと言うのか!」
ジュア「違うね。俺はフューリーの騎士だ。シャナ=ミア様がフューリーの志を継いでいるなら俺は従う。だが……」
シャナ「っ……」
統夜「やめろ、ジュア=ム!」
ジュア「フューリーに仇なすなら、俺は迷わずこの剣を横に引く」
統夜「女子どもを人質に取るとは……騎士の心すら失ったか……」
ジュア「ああ? てめえみてえな地球人に言えることじゃねえんだよ! 見ろ、この顔をよ! ラフトクランズのおかげで真の死は免れたが、右半分が崩れてる! ここまで傷が深くなれば、もう元には戻らない! 醜いだろ、この顔はよぉ!」
統夜「だからと言って、行動までをも醜くしていい道理など無い!」
ジュア「俺はいいさ、生きてるんだからな。だが総代騎士様たちは死んだ」
シャナ「…………!」
ジュア「俺だって修復に今までかかったんだ。それすら奇跡なのに……フー=ルー様や、そして……」
シャナ「ジュア=ム・ダルービ」
ジュア「何だよてめえ……ヒトが話してる時に!」
シャナ「それで貴方の気が済むのなら、私を殺しなさい」


統夜「シャナ!?」
ジュア「ヒュゥ♪」
シャナ「ただし私を殺したら、もう金輪際地球の人達には関わらないでください。何処に行っても構いません。だから……」
ジュア「駄目だね。てめえを殺す、それからそこの地球人を殺す。三人の実験体を殺す、あのクソ女を殺す。そして全ての地球人を殺す。皆殺しだ」
統夜「ジュア=ム……貴様何処まで腐っている!」
ジュア「はっ! 腐ってるのは俺じゃない。俺以外の全員だ」
統夜「戯言を!」
ジュア「まあ、そうだな。喋ってるのにも飽きた。まずはてめえからだ、じゃあな、お姫様」
統夜「シャナ! やめろぉ!!」

——ゴゴゴゴゴゴゴ……

ジュア「何だ?」
統夜「今だシャナ、頭を下げろ! でやぁぁぁぁっ!!」ギィン!!
ジュア「ぐっ……てめえ……! しかし……これはオルゴンクラウドの空間干渉だな……目覚めたか、ラフトクランズ!!」
統夜「逃がさない、ジュア=ム!」
ジュア「ちっ」シュッ!
統夜「投げナイフ!? ……くそ、逃がしたか……。シャナ、怪我は?」
シャナ「あ、ありません……」
統夜「俺はラフトクランズのところまで戻る。ジュア=ムは必ず仕掛けてくる。シャナは隠れていてくれ!」
シャナ「……はい」

テニア「カティア……この感覚!」
メルア「サイトロンの……共震です」
カティア「いったい何が起こっているのよ!?」

ジュア「よく逃げなかったなあ、紫雲統夜?」
統夜「……大方、俺の姿が見えなかったら辺り一面薙払うつもりだったろう」
ジュア「はっはー! ご名答だ。冴えてるな!」
統夜「何処までも腐りきった奴だ! 来い、ジュア=ム・ダルービ! 統夜=セルダ・シューンの名において貴様を撃滅する!!」
ジュア「地球人が……騎士の名を語ってるんじゃねぇぇええええ!!」ガキン! バシュッ、バシュッ!
統夜「ラフトクランズ! オルゴンクラウドの密度を最高にして全面にシールド展開!」ギュイイイイ
ジュア「受け止めたか。後ろに地球人の町があるもんなあ!! だがその頭の悪さが命取りなんだよ! 死ね死ね死ね死ねぇ!!」ブゥンッ……ズシャッ
統夜「シールドが!?」
ジュア「終わりだ、偽騎士野郎!!」

統夜「ラフトクランズ、前面に向かってオルゴンライフル最高出力!!」
ジュア「何ッ!? 自分を巻き込むつもりか! オルゴンクラウド、発動しろぉ!!」ギュイイイン!
統夜「うおおおお!!」
ジュア「弾け!」バチィィ!

——シュウウウゥゥゥ……

ジュア「畜生……何なんだてめえ……超至近距離で躊躇なく撃ちやがって……」
統夜「主君のために命を賭けるのが騎士の務めだ。お前には分からないだろうがな」
ジュア「黙れ黙れ黙れ黙れぇぇええ! 地球人のてめえが騎士の様な口を叩いてるんじゃねえ!!」
統夜「来るか!!」
シャナ「二人ともやめなさい!!」
ジュア「ああん?」
統夜「シャナ!? 隠れてろって言っただろ!!」
シャナ「先の大戦以降、あらゆる戦闘行為は禁じられています! 双方剣を退きなさい」
ジュア「バカかてめえ! 聞くはずがないだろう!」
シャナ「ジュア=ム・ダルービ、貴方の言うことに理があると言うのならば、地球に住む同胞に意見を募ればいいでしょう! その後で連合政府と交渉を行えばいい。今の貴方のやっていることは、単なるテロ行為にすぎません!!」
ジュア「うるせえんだよ、裏切り者が!!」
シャナ「裏……切り……?」
統夜「貴様!」
ジュア「裏切り者だろてめえはよ! 俺たちフューリーの王でありながら、フューリーのために命を賭けていた俺たちを裏切った! てめえは俺たちを見捨てたんだ!!」
シャナ「そんな……私は……」
ジュア「だから……俺が、殺してやるよ!!」ジャキン
シャナ「……え?」
統夜「やめろぉぉぉぉぉぉ!!」

——バシュッ!!!

(第四話 終)



119 :それも名無しだ :2006/07/31(月) 21:03:28 PsWCSoae
乙です
良いとこで寸止め(´・ω・`)


120 :お姫様の夏休み最終話 :2006/08/01(火) 22:05:37 w2dCu1ta
ジュア「だから……俺が殺してやるよ!」
統夜「やめろぉぉぉぉぉぉ!!」

——バシュッ!!!

統夜「うおおお! 俺の体はどうなってもいい!! 間に合ぇぇぇえええ!!」キイン!
ジュア「何だ? これは……馬鹿な、ラースエイレムだと!? しかも粒子を固着した……何故地球人の貴様が使える……!!!」
統夜「オルゴンクラウド、受け止めろぉぉっ!!」バシィィィ!!
ジュア「……何だよ……何だよ、何なんだよてめえは! 地球人だろぉ! 何故騎士ですらできないことを簡単にできる! そんな裏切り者のために!!」
統夜「シャナは……フューリーを……裏切ったり……してない……!」
ジュア「裏切り者だろ! シャナ様……いや、シャナ=ミアは俺たちフューリーを裏切ったんだ! その結果俺はこんな体になって、フー=ルー様やグ=ランドン様、そしてたくさんの奴らが死んだ!!」
シャナ「……っ!」
統夜「はあ……はあ……黙れ、ジュア=ム・ダルービ。それ以上の狼藉は名誉騎士の名において俺が許さない……!!」
ジュア「はあ? 名誉騎士……? 名誉騎士だと……!? 貴様が!? 名誉騎士だと!! ふざっけるんじゃねええええぇぇぇええ!!」
統夜「くっ……怒りに身を任せた攻撃など!」
ジュア「ざけんなざけんなざけんなふざけんなぁぁぁああ!! 貴様が名誉騎士だと!? そんなものこの俺が認めるものかよ!!」
統夜「ちいっ!」ガキィッ!
ジュア「名誉騎士だぁ!? 所詮、裏切り者の拝命だろうが! 認められるかクソ野郎!!」バシィッ!
統夜「ジュア=ム、貴様は騎士の風上にもおけない奴だ。主君に刃を向け、あろうことか裏切り者呼ばわりとはな!」
ジュア「黙れよてめえ! 俺の主君はフューリーだ! フューリーだけだ! 最初に裏切ったのはそこの女だ! 許せねえよ、そいつだけはな!!」
統夜「ジュア=ム! 貴様!!」
シャナ「待ってください。統夜=セルダ・シューン」
統夜「シャナ!?」

シャナ「ジュア=ム・ダルービ」
ジュア「ああ? 何だよ裏切り者!!」
シャナ「確かに私は裏切り者かもしれません。私は騎士たちが地球人を滅亡させる計画を立てていたのを知っていました。でも私はそれを止められなかった」
統夜「シャナ……」
シャナ「私はそこにいる統夜=セルダ・シューンの父親が追われていたことを知っていました。けれど私はそれを止められなかった……」
統夜「…………」
シャナ「私は月で多くの地球人たちがラースエイレムという兵器によって虐殺されていたのを知っていました! それも私には止められなかった!」
ジュア「何言ってやがる、てめえ……」
シャナ「私はたくさんの騎士たちがその手を血に染め、無意味な殺戮を繰り返しているのを知っていました! でも私は誰一人として止めることができなかった! 何故!? それは私が臆病者だったからです! すべてを知っていて、私はそれを見ているだけだった!」
ジュア「何を言ってんだぁああ!!」
シャナ「ですから貴方たち騎士の傷は私の痛みです! 貴方たち騎士の罪は私の罪です! 私はシャナ=ミア・エテルナ・フューリアの名をもって、貴方たちの罪を贖罪します!!!」
ジュア「認めねえ認めねえ認めねぇええ!! そんなもの認められるか!! そんなものを認めたらグ=ランドン様は、アル=ヴァン様は、フー=ルー様は! ……俺たちは何のために戦ったんだ!!」
統夜「……ジュア=ム、もう戦いは終わっているんだ! 俺たちが戦う理由は無い!」
ジュア「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇえええええ!!」ブォンッ!!
統夜「何!? しまっ……!!」
??「そこまでだ、ジュア=ム・ダルービ準騎士」
ジュア「何……!?」
??「ただちに全武装を解除してこちらに投降しろ。これはフューリー全体の意思決定機関である、シャナ=ミア様からの要請である」
ジュア「そんな……何故……何故です? 何故貴方がそこにいるんです……!? 何故俺は……貴方の向かい側にいるんです!?」


アル「聞こえなかったのかジュア=ム・ダルービ、剣を置け」
ジュア「アル=ヴァン様!!」
アル「ジュア=ム。もしも君が戦いをやめないならば、私はアル=ヴァン・ランクスの名において貴殿を全力で撃滅する」
ジュア「そんな……!」
アル「選択しろ」
ジュア「う……うう……」
アル「ジュア=ム!!」
ジュア「う……うあ……ああ……あああ……あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
統夜「…………」

アル「すまなかった。君のラフトクランズの反応と、微弱な彼のラフトクランズの反応が干渉して、すぐに対処することができなかったのだ」
統夜「……いや、大丈夫だよ、アル=ヴァン」
アル「心配はしていなかったが」
統夜「……アル=ヴァン」
アル「彼は我々が責任を持って監禁する。もっとも……」
統夜「?」
アル「……もう彼を監禁する意味が残っているとは思えないがな」
統夜「……そうだな」
アル「気にするな。君の責任ではない」
統夜「なあ、アル=ヴァン、シャナは……?」
アル「分かっているだろう? それは君の仕事だ」

統夜「……シャナ」
シャナ「統夜様」
統夜「隣、いいか?」
シャナ「あ、はい……」
統夜「…………」
シャナ「……統夜様、びっくりしてしまいましたね。まさかジュア=ム・ダルービ正騎士が生きていただなんて」
統夜「…………」
シャナ「せっかくのキャンプだったのに、台無しになってしまい……」
統夜「……シャナ、俺さ、シャナは間違ってると思う」
シャナ「……え」
統夜「俺は父さんからラフトクランズを受け継いで、地球に攻めてきたフューリーと戦った」

シャナ「それはやっぱり私のせい……ですよね」
統夜「違うよ、シャナ。誰のせいでもない。みんな状況に翻弄されながら、自分が正しいと思ったことをやっただけだ」
シャナ「でも私は……」
統夜「シャナだってそうさ。それに俺は、はっきりとそう言えるほど自分の意志で戦ってた訳じゃない」
シャナ「……そう……なんですか?」
統夜「俺だけじゃない。たぶんアル=ヴァンやカルヴィナさん、うちにいる三人だってそうだ。だからさ……」
シャナ「……統夜様?」
統夜「贖罪をするって言うなら、未来を作るならそれは誰か一人の役目じゃない。俺たち全員の役目だ」
シャナ「…………」
統夜「シャナ一人が背負うんじゃないよ。生き残った俺たちが、みんなで背負うんだ」
シャナ「……統夜様……。統夜……統夜ぁ……っ! 私怖くて……辛くて……! 私のせいでたくさんの人が死んだのに!」
統夜「シャナ……」
シャナ「カティアさんや、たくさんの人が不幸な目にあって! なのに、それなのに! 私はこんなに何の苦労もせず生きていて……!」
統夜「今は気が済むまで泣くといい、俺が側にいてやるから……」

アル「……行かなくていいのか?」
カティア「……そんな野暮なことしませんよ」
テニア「ちょっと納得いかないけどね……ってメルア、邪魔しちゃダメだって!」
メルア「だって統夜さんが……!」
テニア「こういう時はね、黙って見守ってあげるのもいい女の秘訣なんだよ」
カティア「ま、そういうことね」
メルア「……納得できません」
アル「大人だな」
カティア「大人ですもの」
アル「おや……あれは……。……キスの体制に入ったか」
カティア「そこまで許せるかぁっ!! テニア、メルア、行くわよ!!」
テニア「うん!!」
メルア「はいっ!!」
三人「こらーーっ! 統夜(さん)ーー!!」
アル「ふ……やれやれ」

アル「貴方が守ろうとした未来は、ゆっくりと、しかし確実に育っていますよ……エ=セルダ様……」

(完)



124 :それも名無しだ :2006/08/01(火) 22:45:55 cE4Dw1k4
世界中の乙を集めても君に届けたい想いに足りない。



125 :それも名無しだ :2006/08/02(水) 00:11:29 0pERD9Ek
長編乙です。

つGJ



127 :それも名無しだ :2006/08/02(水) 22:45:48 PmEc5jXV
>123
長編GJ!



128 :それも名無しだ :2006/08/03(木) 15:37:32 Lmm+6UbN
>>123
今更だがGJを贈らせてもらう。受け取ってくれぇ!!




_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/



46 :それも名無しだ :2006/07/09(日) 10:25:52 frYKaKFj
チャージ!



47 :それも名無しだ :2006/07/13(木) 18:57:41 JYcP4W70
チャージなどさせるか!



48 :それも名無しだ :2006/07/14(金) 22:32:41 3Nf+Xzi5
リカバー!



49 :それも名無しだ :2006/07/15(土) 18:51:14 GKSNbp5/
リカバーなどさせるか!

だが、この状況をなんとかするためにSSを制作してやらんでもはない
…制作時間がかかってもいいならな



50 :1 :2006/07/15(土) 20:40:03 NT07FnQ+
>>49
是非とも


51 :それも名無しだ :2006/07/15(土) 23:35:05 GKSNbp5/
では、制作に入る
出来しだい投下する



52 :それも名無しだ :2006/07/23(日) 15:29:42 0yTpd78Y
>>51を待つべく保守


65 :それも名無しだ :2006/07/28(金) 12:13:15 6ZaZ7WYZ
>49および>51だ。
たった今、完成した



66 :それも名無しだ :2006/07/28(金) 13:56:21 jzxCqc1i
問題ない

……とにかく投下だ!



68 :それも名無しだ :2006/07/28(金) 17:21:06 6ZaZ7WYZ
了解した
投下を開始する


69 :それも名無しだ :2006/07/28(金) 17:41:21 6ZaZ7WYZ




◇  ◇  ◇


゛ピンポーン゛
「ハーイ」
その訪問者がやって来たのは突然の事だった
統夜「どなたで─」
ドアを開け訪問者を見た瞬間、紫雲統夜は絶句した
??「…」
統「…アル=ヴァン…」
ア「久しいな、統夜」
そこにはいたのはかつての大戦で統夜と真実をかけて死闘を演じ最後の決戦で肩を並べ共に戦った誇り高きフューリーのは騎士アル= ヴァン・ランクスだった
ア「実は…統夜に頼みたい事があって来た」
統「それよりなんでウチの住所知ってるんですか?」
ア「ネルガルの者に教えてもらった」
統「…そ、そうですか。ま、まあ上がって下さい。話はそれから」
ア「いや、結構。この後用があるゆえ手短にすます」
統「はあ…」
統夜はイマイチ話が見えず気の抜けた返事をする
ア「単刀直入に言おう。……シャナ=ミア様を泊めて欲しい」
統「……はい?」
統夜は自分の耳を疑った
統「…今、なんと?」
ア「シャナ=ミア様を泊めて欲しいと言ったのだ」
統「…何でですか?」
ア「ム…色々とあってな」
統「はあ……いつですか?」
ア「今からだ」
統「今から!?」
突然の申し出に統夜は驚愕した
統「そ、そんなイキナリそんな事言われても…ハッ!」
統夜はある事に気が付いた
統「今からっていう事は当のシャナ=ミアさんは?」
ア「ウム…こちらにいらっしゃる。」
そう言ってアル=ヴァンは体を横に移動させるとそこに話の中心人物フューリーの姫君、シャナ=ミア・エテルナ・フューラが現れた
シャナ「あの…すみません突然」
統「………」
統夜はイキナリのこの展開に頭がついていけず呆然とする
そんな統夜をよそにアル=ヴァンは懐中時計を取り出し時間を確認している
ア「ムッ!時間がない。それでは頼んだぞ統夜。シャナ=ミア様、明日の昼頃には迎えにまいります」
アル=ヴァンは口早にそう言うとそそくさとどこかに行ってしまった
統「あ……」
その場にはアル=ヴァンに何か言ってやりたかったが結局言葉が見付からず言いそびれてしまった統夜とどこか嬉しそうなシャナ=ミアとシャナ=ミアの荷物が残された
シャ「お世話になります統夜」

統「どうぞ」
そう言って統夜はシャナ=ミアの前にお茶を差し出した
シャ「ありがとうございます」
礼を言ってシャナ=ミアは出されたお茶に口をつける
統「安物ですみません」
シャ「いえ、突然お邪魔したのはこっちですから気を使わないで下さい」
二人はリビングにいた
現在三人娘は各々の用事で外に出ており今は二人しかいない統夜邸は静かだった
統「あの…」
シャ「はい、何でしょう?」
統「どうゆう用件でウチに?」
そう聞くとシャナ=ミアはお茶の入ったカップを置いた
シャ「実は─」
シャナ=ミア曰く、明日、ネルガル主宰の議会があるらしく、その議会の議題の中にフューリー受け入れについてのモノがありその議会にフューリー代表として参加する為に来たらしい
統「その議会がこの辺近くで?」
シャ「はい」
統「でも、泊まる場所ならここよりも別格にいい所がいくつもあるじゃないですか。もしくは頼めばネルガルが用意してくれると思いますが…」
シャ「私達も最初はそうしようと思ったのですが…」
シャナ=ミアが言葉を濁す
統「何か問題が?」
シャ「ええ…その…私達、目立ちますから…」
統「……ナルホド…」
統夜はシャナ=ミアの言葉を理解した
フューリーの存在が一般世間に公表されてから年月はそう過ぎてはなく、いくら月にいたとはいえ普通の世間の見方は゛異星人゛のそれに近い
故に受け入れに関して良く思ってない輩も少なくない
中にはかのブルーコスモスの様に過激なのもいる
統「それでウチに?」
シャ「はい、まさか其のような立場の者が一般の家庭に泊まるとは思わないでしょうし、もし、何かあってもこの近くにはミスリルの方が住んでると聞きましたから」
統「…確かに」
統夜は納得した
統「分かりました。そうゆう事なら快くお泊めします」
シャ「ありがとうございます」
統「あまり満足の出来るもてなしは出来ませんが」
シャ「いえ、そこまでお気遣いはいりません。急な話ですから」
統「分かりました。……ところでアル=ヴァンはドコへ?」
シャ「この辺で一泊すると聞いたカルヴィナ様に呼び出されました」
統「……ナルホド」
明日の昼、ゲッソリとしたアル=ヴァンが現れるかも知れないと統夜は思った
シャ「その…もう一つ…お願いがあるのです…」
統「何です?」
シャ「えっと……あの……私の事は゛シャナ゛と呼んでくれませんか?」

統夜はとりあえずシャナ=ミアに家の中のキッチンや風呂場、トイレ等教える必要があるであろう場所を一通り案内した
統「─とまあ、一泊する程度ならこれぐらいでですね」
シャ「ありがとうございます」
統「何か感想は?」
シャ「えっと……さっき見せてもらったダイニングキッチンでしたか?統夜はあそこで毎日食事を?」
統「ええ、食事もしますし料理もします」
シャ「…あのお三方とご一緒に?」
統「ええ、ほぼ毎日ですね」
シャ「…楽しそうですね」
統「え?う〜ん…まあ、最初は楽しかったですが最近は騒がしく感じますよ」
シャ「でも…私から見たら羨ましいです。…いつも一人でしたから」
統「…」
シャ「すみません、今のは忘れて下さい」
統「あ、はい」
急に気まずくなり二人は沈黙する
その後、二人は無言のままリビングに戻った
統「他に見たい所はありますか?」
ふと、思い付いたように統夜は聞いた
シャ「他にですか?」
統「ええ、今案内した場所の他に知る必要があると思った場所です」
シャ「…そうですね…」
少し悩むがすぐにシャナ=ミアの頭にある場所が浮かんだ
シャ「それでは…統夜の部屋に案内して下さい」
統「え…俺の部屋ですか?」
シャ「はい」
統「う〜ん…」
そう言われ今度は統夜が悩んだ


統「ここが俺の部屋です」
シャ「ここが…」
シャナ=ミアは部屋に入ると興味あり気に見回した
統「今晩はここで寝てもらいます」
シャ「え!?」
統夜の発言をシャナ=ミアはすぐには理解出来なかった
統「実は来賓用の部屋は今物置部屋になってまして。だからと言ってリビングに寝かせるわけにはいきませんし三人の誰かと一緒っていうのも気を使ってしまいますよね?」
シャ「え?え!?」
シャナ=ミアは統夜の一言一言に久しく感じていない胸の高まりを感じた
シャ「あ、あのそ、それはつまり…わ、私とと、とととと統夜が─」
統「あ、安心して下さい。俺はリビングで寝ますから」
シャ「……そうですか。そうですよね」
この瞬間シャナ=ミアはかつてない程落ち込んだ。
統「どうかしました?」
シャ「いえ…なんでもありません」

リビングに戻り二人は他愛ない会話で時間を潰した
三人はまだ帰って来ていない
そんな時、統夜がふと時計を見た
統「ああ、もうこんな時間か」
そう言って統夜は立ち上がった
統「すみません、ちょっと出かけるので誰かが帰って来るのを待っていてもらえませんか?」
シャ「え、どちらへ?」
シャナ=ミアは統夜がいなくなると聞いて少し不安気に聞いた
統「夕食の材料の買い出しです。四人で暮らしてますしよく食べる奴もいるから冷蔵庫に入る分の食材なんてすぐになくなってしまうんですよ」
統夜は苦笑して言った
シャ「あ、それなら私も行きます」
統「え?」
シャ「お手伝いします。受けにまわるばかりでは悪いですから」
統「いや、しかし…」
シャ「それに…待つだけというのも結構不安ですし」
統「…」
確かに不安だと統夜は思った
特に統夜がいない間三人が帰って来た時一悶着あるのは確実だ。
統「…分かしました。行きましょう」
シャ「はい!」
シャナ=ミアは嬉しそうに返事をすると立ち上がった
統「…ってその格好で行くつもりですか?」
人混みでも目立ちそうな服を身に纏うシャナ=ミアを見て統夜は言った。
シャ「はい、これが外出用ですから」
統「…」
シャ「あの…何か問題が?」
統「…ちょっと待ってて下さい」
統夜は自分の部屋に駆け込むとタンスの奥をあさった


肉屋「あいよ、注文の合い挽きだ。マイドアリ!」
威勢の良い肉屋の主人から合い挽き肉を受け取ると統夜は店を出た
統「えっと…合い挽きに玉葱、人参、パン粉、あと…」
??「これで全部ですか?」
買い物のメモを確認する統夜に傍らを歩く人物が聞いた
見るからに緩そうなジーパンに長袖のシャツ、キャップを深く被ってはいるが綺麗な蒼い髪がキャップの隙間からのぞいている。
服だけ一見すれば小柄な男に見えなくはないがシャツ越しからでもわずかだがわかる胸の膨らみがそれを否定している
統夜の昔の服を借りたシャナ=ミアだ
外出用の服はあれしかないと言うシャナ=ミアの為に統夜がタンスの奥から引っ張り出した代物だ
統「ひぃ…ふぅ…みぃ……ええ、これで全部です」
シャ「そうですか」
それを聞いたシャナ=ミアは゛フゥ…゛と息をついた
統「…疲れました?」
シャ「え?……ええ、少し…」
統「やっぱり荷物持ちましょうか?」
シャナ=ミアに持ってもらっているビニール袋を統夜は見た
自分も持つと言うシャナ=ミアの為に統夜が作ったワレモノも振ってはいけないモノも入ってない1Kgにも満たない代物だ
だが従者をつけず買った物を自分で持つ買い物は初めてというシャナ=ミアには
キツかったらしい
シャ「いえ、お気になさらずに」
統「…」
そんな事統夜には無理だった。
それどころか疲れている相手に荷物を持たせる事に罪悪感を感じ余計に気になっていた
そんな時甘い香りが二人の鼻をくすぐる
シャ「なんでしょうこの香り?」
統「さあ…あ、あの店からみたいですね」
二人はその店の看板を見た
シャ「『トライデント焼き』?」
統「トライデント焼き…
統夜は首をかしげた
シャ「どうしました?」
統「いえ…どこかで誰かから聞いた事あるんですよ。『なかなかウマイ』って言っていた気が…」
シャ「美味しいのですか?」
シャナ=ミアが『ウマイ』という単語に反応した
統「あ、興味あります?」
統夜がそう聞くとシャナ=ミアは顔を赤くして横に手を振った
シャ「い、いえ、そんな事な─」
統「俺は興味あります」
シャ「…」
統「試してみませんか?」
シャ「えっと…」
シャナ=ミアは葛藤した。
『美味しいモノと聞いて反応した自分をはしたない女だと思われたくない』という思いと『せっかくの統夜の誘いに応えたい』という思いで
そして…

統「すみません!トライデント焼き二つください」


統「ん…確かになかなかですね」
シャ「はい」
あまり人気のない公園のベンチに二人は並び買ったトライデント焼きを食べていた
統「…」
シャ「…」
統「…静かですね」
シャ「はい」
公園に二人っきりというシチュエーションのせいか二人の口数は少ない
シャ「…私こうゆうのって初めてです」
統「こうゆうのって…買い食いですか?」
シャ「はい」
統「…そうですか」
シャ「…」
統「…」
再び沈黙
気まずくなる
統「…」
シャ「…」
統「あの─」
シャ「あの─」
統「…」
シャ「…」
お互い話を切りだそうとして失敗
統「…えっと…何ですか?」
シャ「いえ、大した事ではありません。…統夜は何を?」
統「あ、俺の方も大した事じゃないんで気にしないで下さい」
シャ「…そうですか」
統「…」
シャ「…」
ますます気まずくなる二人
ほとんどトライデント焼きをパクついてるだけの状態になる
この時、一人の救世主と呼ぶべき存在が現れる
??「ママー、見てー、カップルー」
その声の主を統夜とシャナ=ミアは見た
母親につれられてる。小さな女の子だ。しかも二人を指差している
女の子「ああいうのってカップルって言うんだよね?」
母親「コラッ人を指差してはいけません」
母親はそう言うと二人に軽く頭を下げそそくさとどこかに行ってしまった
思わずキョトンとする二人

シャ「…カップルって確か恋人って意味ですよね?」
統「…ええ、正確には第三者側から見た一組の恋人達を示します」
シャ「私達、そう見えるのでしょうか?」
統「…子供は見たモノを率直に言い表すと言いますからおそらくそう見えるのだと思います」
そう統夜が言うとシャナ=ミアは少し顔を赤らめた
シャ「そ、その…統夜はイヤじゃないですか?わ、私と恋人に見られて」
統「…いえ、別になんとも思いません」
シャ「…そうですか…」
統夜の言葉にシャナ=ミアは落ち込む
統「えっと…何かマズイ言いました、俺?」
シャ「いえ、気にしな──」
その時、シャナ=ミアがアクビを漏らした
シャ「すみません」
統「眠いんですか?」
シャ「い、いえそんな事は─」
もう一つアクビを漏らす
そんな様子を統夜は笑った
統「ははは、そんな事言ってもアクビしながらじゃ説得力ありませんよ」
シャ「…」
シャナ=ミアは恥ずかしそうにうつむく
統「肩貸しましょうか?」シャ「え?」
統「俺の肩にもたれて寝ていいですよ」
シャ「えっと…」
統「眠いんでしょ?」
シャ「…お借りします」
統「どうぞ」
統夜が言うとシャナ=ミアは統夜の肩に頭を乗せ目を閉じた
すぐに小さな寝息が聞こえてくる
統「寝付きいいな…」
思わず統夜は関心してしまう
統「……」
ふと統夜は起こさないよう優しくシャナ=ミアの髪を撫でた
統夜は何故か安らぎを感じた


二人が帰って来たのは夕方、少し暗くなった頃だった統「アレ?」
ドアのノブを回した時、統夜は異変に気付いた
シャ「どうしました?」
統「鍵が閉まっているんです」
シャ「誰もいないのですか?」
統「ええ、おそらく」
そう言って統夜はポケットから鍵を取り出しドアを開ける
統「ただいまー」
家の中から返事はない
統「…どっか出かけてるのか?でも、もう、こんな時間だぞ…」
時計を見て統夜はつぶやく
とりあえず二人は買った物を冷蔵庫にしまいにキッチンに向かう
統「ん?」
キッチンに着いた時統夜はテーブルの上にあるモノに気付いた
統「これは…」
テーブルのモノを統夜は手に取り確認する
シャ「何ですか?」
統「…メモ用紙?」
統夜はそれを手にとり内容を見た。
統「カティアの字だ。なになに?」
『統夜へ
突然ですみませんが学友に誘われて一泊二日の温泉旅行に行って来ます。テニアとメルアも一緒です。一泊二日ですから明日の夕方には帰ります。
byカティア

追伸
…すみません断りきれなかったんです。懸命にお願いされて、さらにテニアとメルアはすっかり乗り気になってしまって止められなくて。
     ごめんなさい』

統「……」
シャ「どうしました?」
統「あー、どうもあの三人今日はウチにいません」
シャ「え?」
統「温泉旅行に行ったそうです」
シャ「……ええ!?」
シャナ=ミアと統夜の一つ屋根の下の一晩が始まった

書き置きの驚きと呆れが引くと統夜はさっさと夕食の支度に入りシャナ=ミアに聞いた
統「何か注文はあります?って今日買った食材で作れる範囲ですから大したモノは出来ませんが」
言いながら統夜はエプロン(ピンク)を身に着けた。
この瞬間、統夜は主夫になった。
統「あと、何か食べれないモノとかは?」
シャ「いえ、特にはありません。ずっとガウ・ラに居ましたので食べ物に関しては好き嫌いは許されませんでしたから」
統「そうですか…う〜ん…何にしよう…」
統夜は腕を組み悩む
シャ「…今晩は何にするつもりだったのですか?」
統「ハンバーグです。少々時間はかかりますが多量に作れますからテニアがいる時は丁度いいんです」
シャ「ハンバーグ…」
シャナ=ミアは呟いた
統「どうしました?」
シャ「…実は私、ハンバーグって聞いた事はあるのですが食べた事無いんです」
統「え、そうなんですか?」
シャ「と言うか一般家庭の料理は全く…」
シャナ=ミアははずかしそうに言った
統「…分かりました。この統夜・セルダ・シューン。名に賭けて美味しいハンバーグを作らせて貰います!」
統夜は胸に手を置いて言い切った
シャ「…はい、期待してます」
シャナ=ミアは期待を込めて言った

主夫となった統夜の料理の手際は非常に鮮やかであった
無駄は無く一つ一つの行動がキチンと意味を持ち食材が次々と刻まれ、混ぜられ、炒められていくされていく
そんな統夜の背中をシャナ=ミアはテーブルにつきながら見つめていた。
シャ「…」
そして一度は憧れたものの叶わないと諦めている夢の世界の自分姿と統夜とを重ねた
シャ「…私も普通の女なら料理の一つぐらい出来たでしょうか……誰かの為に作る一品ぐらい…」
シャナ=ミアは時々王女である自分が嫌いになる事があった
そして、普通の家庭に生まれたかったと思う
だが、それは今のシャナ=ミアを否定する事になる。
賢明なシャナ=ミア自身もそれは解っていた。
それでもシャナ=ミアは『観てるだけ』の自分が嫌いだった。
自分は何もせずただ他人にお願いして他人に全てを任せて自分は観てるだけ
生まれと立場上、仕方無いとは分かってはいてもだ
何も出来ない自分が惨めで悔しかった。
シャ「…う……」
急に目が痛くなり涙が流れる
統「ん?」
シャナ=ミアの声に気付いた統夜が野菜を切る手を止め振り返るとシャナ=ミアの涙に驚いた
統「ど、どうしました!?」
シャ「な、何でもありません」
統「涙流してるのに何でもないわけ無いじゃないですか」
シャ「本当に何でもないんです」
統「ですが…」
統夜は心配そうな顔でシャナ=ミアを見る
シャ「…目が痛いだけです」
シャナ=ミアはウソでは無いものの直接は関係は無いであろう要因を言った。
だが…
統「目が?」
その言葉に統夜は何かに気が付いた
統「……すみません」
シャ「え?」
シャナ=ミアは何故統夜が謝るのか理解出来なかった
統「俺、今これ切ってたんです」
シャ「?」
そう言って統夜がまな板から白い物体を持って来た。
近づけると更に目にから涙が出る
シャ「こ、これは…?」
統「はい、玉葱です。すみません換気を忘れてました」
統夜はシャナ=ミアが涙を流したのは玉葱が原因だと勘違いしていた
しかも真剣な顔をして


シャナ=ミアは統夜の顔をまじまじと見た
統夜の目に戯れの色はない
シャ「…」
統「…」
シャ「…ふふ…」
統「?」
シャ「ふふふふふ…」
統「!?」
突然今度は笑いだしたシャナ=ミアに統夜はまた驚いた
統「えっと…大丈夫ですか?」
シャ「ごめんなさい心配をかけてしまって」
目の端の涙を拭ってシャナ=ミアはニコッと笑って言った
シャ「もう大丈夫です」
統「……本当ですか?」
シャ「はい」
統「本当に大丈夫ですか?」
シャ「…しつこいですよ」
統「あ、すみません」
統夜はシャナ=ミアの答えを聞くとさっさと支度に戻った。
だが、気になるのか時々統夜はチラチラとシャナ=ミアの顔色をうかがっている
そんな真剣に統夜が心配してくれている事がシャナ=ミアは嬉しかった
シャナ=ミアは気付いた。
今までの自分がいてこそ今統夜と一緒に自分がいるのだと
そして過去の事ばかり考え゛もしも゛を考えるのこの幸せな時でさえ否定するのだと
それが例え一時的なものだとしても


夕食が出来るまでの時間はそこそこありシャナ=ミア は統夜に勧められた事もあり軽くシャワーを浴びていた
一方、統夜は順調に調理を進め肉を焼く段階に入っていた
゛ジュー゛という音を起ててフライパンの上でハンバーグが焼ける
シャ「いい香りですね」
背後からシャナ=ミアの声がし統夜は振り返った
統「もう少し待ってて下さ─」
シャナ=ミアの格好を目にし統夜は言葉が続けられなかった
シャナ=ミアが身に纏っていたのは統夜が貸した服でもシャナ=ミアが統夜宅に来た時の服でもなく正に晩餐会用と呼ぶにふさわしいドレスだった
統「……そのドレスは?」
シャ「晩餐会の為のドレスです。どうですか?」
統「えっと…」
統夜は言葉に困った
ドレスは統夜の持つシャナ=ミアの印象を一変させた
非常に大人っぽく胸元まで大胆にカットが入っているドレスは統夜をドギマギさせた
統「え、ええ良く似合ってます」
言葉に困りありきたりな答えを言う統夜。
(そう言いながらもハンバーグを引っくり返すのは忘れない)
ありきたりな答えでありながらもシャナ=ミアは統夜に褒められて嬉しそうだ。統「でもいいんですか?明日着るかもしれないんじゃないんですか?」
シャ「はい。でも今晩は特別です」
統「そ、そうですか」
『特別』という言葉に統夜は動揺した
ハンバーグの表面が焼けたの確認すると統夜はフライパンから取りそれをオーブンに入れた
シャ「又、焼くのですか?」
統夜「こうしておけば中が生のままと言う事にはならず表面もいい具合いに焼けるんです。まあ、コツがいりますが」
シャ「なるほど」
シャナ=ミアは統夜の説明に関心する。
統「さてと…後はサラダを作ってスープを温めて…あ、そうだ。主食はパン派ですか?それともライス派ですか?」
シャ「え?えっと…パンです」
統「分かりました」
それだけ聞くと統夜は再びテキパキと用意をする
そんな統夜を見るといくら同族といえども自分と違う世界を生きてきた存在だと改めてシャナ=ミアは認識した
統「もうすぐ出来ますから座ってて下さい」
シャ「あ、はい」
そう言われシャナ=ミアはテーブルに着いた
テーブルの上に統夜はパンとスープとサラダそしてナイフ、フォーク、スプーン等をやはり手際よく置いていく
全て置き終えた頃オーブンのブザーが鳴った

シャナ=ミアの前に統夜特製の夕食が並ぶ
統夜もシャナ=ミアの正面の席に座った
統「…どうぞ」
緊張しながら統夜は言った
シャ「…いただきます」
静かにシャナ=ミアは言うとナイフとフォーク取り早速ハンバーグに取り掛かった
統夜から見てその動きは優雅でありながら自然でシャナ=ミアが王族である事を再確認した
シャナ=ミアが切り取ったハンバーグを口に運ぶ
統夜はその様子をジッと見つめる
シャ「…」
統「…」
シャ「……美味しいです」
統「そ、そうですか」
統夜は緊張の糸が切れ゛ホッ゛と息をついた
統「口に合って良かったです。でも、きちんとした料理人のには敵わないのでしょうね」
統夜は苦笑する
シャ「そんな事ありませんよ」
統「え?」
シャ「私は寧ろ統夜の料理の方が好きです。温かいですしそれに…」
統「それに?」
そこでシャナ=ミアは少し赤くなる
シャ「…統夜が私の為に作ってくれたという事が嬉しいからです」
統夜もシャナ=ミアのその言葉に赤くなる
シャ「正直うらやましいです。こうして美味しいモノが作れるという事が」
その言葉にどこか自虐的なニュアンスが含まれている事に統夜は気付いた
統「…心が込もっていればいつかは出来ますよ」
シャ「…私でもですか?」
統「はい」
シャ「…だとしたら嬉しいです」
二人はそんな会話をし食事した


シャ「ごちそうさまでした」
統「お粗末さまでした」
二人だけの晩餐会が終った
統「さてと…」
すると統夜は席を立ち、既に空となった皿を重ね片付けを始めた
シャ「あ、手伝います」
そう言ってシャナ=ミアも立ち上がり自分の目の前の皿を片付けた
統「じゃあ、そこに置いて下さい。後で洗いますから」
シャ「はい」
シャナ=ミアは統夜に指示された位置に皿を置いた
シャ「後は?」
統「後は結構です。もうすぐ風呂も沸きますし─」
シャ「いえ、やらせて下さい」
シャナ=ミアは真剣な目で統夜に言った
だが…
統「…すみません、そんな綺麗なドレスを汚させるわけにはいきませんから」
シャ「…そうですか」
シャナ=ミアが一瞬゛シュン゛と落ち込み統夜は焦った
統「え…えっと…どうでしたか夕食は?」
とりあえず何か話して話題をそらす事にした統夜
シャ「美味しいかったです全体的に」
統「それは良かった」
シャ「それに久しぶりに楽しく食事が出来ました」
そこで統夜はある言葉が引っ掛かった
統「え、゛久しぶり゛?」
シャ「あ…」
シャナ=ミアはしまったと思った
統「今まで楽しく食事出来なかったのですか?」
シャ「え?いや…その…」
統夜の問にどう答えようかシャナ=ミアは迷う
その時風呂が沸いたのを知らせるアラームが鳴った
シャ「じ、じゃあお先に失礼します」
統「あ、はい…」
渡りに舟とばかり、そそくさと風呂場に向かうシャナ=ミア
その後ろ姿を統夜はジッと見ていた

シャ「ふう…」
湯に深くつかりながらシャナ=ミアは思わず口を滑らせて余計な事を言ってしまった事を後悔した。
そして統夜の問から逃げた事も
シャ「…」
シャナ=ミアは憂鬱だった。最近の生活に。
そして統夜には言えない事に
さらに、もう一つ憂鬱な事があった
その原因は脱衣所にあった洗濯カゴだ
洗濯乾燥機の前にある大小二つのカゴ
覗くと小さなカゴの中身は統夜の洗濯物(洗濯済み)だった
そしてもう一方はあの三人のモノだった
シャナ=ミアは見てしまった
自分には大きすぎる代物の数々を
シャ「…」
ふと、自分の体をシャナ=ミアは見回した
シャ「……はぁ…」
思わずため息が漏れる
゛コンコン゛
脱衣所のドアが躊躇いがちにノックされる
シャ「はい」
統「湯かげんはどうですか?」
ドアの向こうから統夜は聞いた
シャ「ちょうど良いです」
統「そうですか。タオル置いときますね」
ピンク色のタオルを持った統夜が脱衣所に入ってくる
統「ここに置いときます」シャ「はい」
統夜がタオルを置くのがガラス戸(くもりガラス)に分かる
シャ「あの─」
統「あ!あいつら洗濯物片付けずに行ったな」
統夜は例の大きなカゴを見て言った
統「まったく…。すみません見苦しいモノ見せてしまって。気になったでしょう?」
シャ「え?いえ…別に…」
と言うのは嘘だった
統「ったく、帰って来たら片付けるよう言ってやんないと」
どうやらさすがに自分が片付けるのは抵抗があるらしい統夜
統「ん?」
ふと、統夜は何かを見つけた
シャナ=ミアは統夜の向いている方向に気付き慌てた
シャ「あ、そ そこにあるのは…」
統「…」
統夜は硬直していた
三人のモノとは違う代物を見て
統「……し 失礼します」
統夜はそそくさと脱衣所を出ようとする
統「それでは─」
シャ「…統夜…」
統「な、何です?お、俺は何も見てません。し、白いモノなんて─」
呼び止められ統夜はかなり動揺していた
シャ「…」
シャナ=ミアは湯船の中で真っ赤になる
シャ「い、いえその事ではありません」
統「そ、そうですか」
統夜はどこか゛ホッ゛とした
統「何です?」
シャ「実は………いえ何でもありません」
統「?……そうですか。失礼します」
ドアが゛バタン゛と閉まる
シャ「……私のバカ…」


統「ふーっサッパリした」
Tシャツ、短パンの姿で統夜はタオルで髪を拭きながら風呂から出てきた
本来統夜は寝間着はパジャマ派だが今、統夜のパジャマは寝間着を忘れたと言うシャナ=ミアが着ていた
無論男物なのでシャナ=ミアにはブカブカだ
統「…大丈夫ですか?」
シャ「はい大丈夫です」
とはいうもののパジャマの下の裾を引っ張りながら歩く姿は転ぶのではないかと統夜をハラハラさせた
統「そ、そうですか。何か飲みます?」
そう言って統夜は冷蔵庫に向かう
シャ「いえ結構です」
統「分かりました」
統夜は自分の分のコップだけを出しそこに冷蔵庫から出した冷えたスポーツドリンクを注ぐとそれを旨そうに一気に飲み干した
シャ「……何も聞かないのですね?」
統「ん?」
急にシャナ=ミアは言った
統「……夕食の片付けや風呂場でのいいかけた話ですか?」
シャ「はい」
統夜は困ったように頭を掻く
統「…なんか話たくなさそうだったので」
シャ「…」
統「だから無理には聞こうとは思いません」
シャ「話すのを待つと言うのですか?」
統「…はい」
シャ「…」
統「…」
シャ「…大した事ではありません。個人的な事です」
何処か苦しそうにシャナ=ミアは言う
統「…それでも誰かに話せば楽になる事もありますよ?」
シャ「…おやすみなさい」
シャナ=ミアは統夜の部屋に向かった
統「いつでも起こして下さい」
シャ「…」


部屋を真っ暗にし横になって暫くしてもシャナ=ミアに睡魔は来なかった
シャ「………………………」
入浴後水分を取らなかったせいかノドの渇きを感じ始める
シャ「…ノド渇いた…」
そう言ってシャナ=ミアは起き上がった
そしてパジャマの裾をつまみ音をたてないように歩き始める
静かに統夜の部屋を出て忍び足で廊下を進む
目的はキッチンだ
途中リビングの前を通る際、中を確認するが真っ暗だった
何故か統夜とは顔を合わせづらいシャナ=ミアだった
キッチンを目前にしてシャナ=ミアは足を止めた
キッチンにはまだ灯りがついている
シャナ=ミアが中を覗くとそこには統夜がいた
統夜は鍋を火をかけ何かを作っていた
統「…来ると思ってましたよ」
振り向かず統夜はシャナ=ミアの存在に気付きシャナ=ミアを驚かせた
シャ「…なんで分かったのですか?」
聞きながらシャナ=ミアはキッチンに入った
統「なんとなくです」
シャ「…なんとなく…ですか?」
統「はい」
統夜は笑った
シャ「…」
統「ノドが渇いたのでしょう?今出来ますから座ってて下さい」
何が出来るのか分からないが何もかも読まれているとシャナ=ミアは悟り言われるままにテーブルにつく
何か液体を注ぐ音が二度する
統「どうぞ」
そう言って統夜がシャナ=ミアの前に出したのはマグカップだった

マグカップの中身は湯気ののぼる白い液体だった
統「ホットミルクです。夜飲むのならこれが良いですよ」
そう言って統夜はシャナ=ミアの隣に座った
その手にはシャナ=ミアの持つモノとは色違いマグカップを持っている
その事にシャナ=ミアは思わず意識してしまう
シャ「い、いただきます」
マグカップにシャナ=ミアは口つけた
一口飲みシャナ=ミアは゛ホッ゛と息をつく
そんなシャナ=ミアを見て統夜は言った
統「……眠れないのですか?」
シャ「…はい」
統「不安で?」
シャ「……はい」
それを聞くと統夜は何か言いづらそうな顔をする
統「………いろいろと大変みたいですね…噂は聞きいています」
シャナ=ミアの活動、つまりフューリーの地球への移住についての話合いが難航している事を統夜は様々な方面から入る情報から知っていた
その原因はいくつもあるが主なもののひとつはフューリーの代表がシャナ=ミアという『小娘』だからだと言う
つまり、若い故ナメられているのだ
シャ「いえ、そんな事はありません。今だ眠る民を思えばこれぐらいの事は。…でも…」
統「でも?」
シャ「いつになれば先が見えるようになるか……」
シャナ=ミアはうなだれた
統「…疲れているのですね…」
シャ「疲れている?……そうかもしれません。このような事を口にするなんて…」
一瞬、恥ずべき事だとシャナ=ミアは思った
統「別にいいんじゃないですか」
シャ「え?」
シャナ=ミアは統夜を見た
統「さっきも言いましたが愚痴とか不安とかそうゆうのって人に話すと結構楽になりますよ」
シャ「い、いえ愚痴とかそうゆうものでは─」
統「一般的に今のは『愚痴』って言うんですよ」
シャ「…」
統「でも少しは楽になったでしょ?」
シャ「…」
確かにシャナ=ミアは胸の奥で無数に引っ掛かっていた何かが取れた気がした
統「何でも言って下さい。絶対に話した事は外には喋りません。秘密にします。…俺で良ければですが…」
シャ「……私……私は……」
その瞬間シャナ=ミアは涙を流し泣きながら胸の奥で貯まっていたものを統夜にぶちまけた
それが答えだった
シャナ=ミアは統夜に様々な事を話した
生まれ、家柄、役目、規律、生活、後悔、屈辱、等々
時々息がきれ少し休むと又話し始める。その繰り返し
統夜は静かにシャナ=ミアの言葉に耳を傾けた。否定も肯定もせずただ黙って

シャ「…実は…統夜に黙っていた事があるのです」
散々胸の内を喋り終え落ち着いた頃シャナ=ミアはポツリと言った
統「…さっきから言えなかった事ですか?」
統夜が聞くとシャナ=ミアはうなずいた
シャ「…私が何故統夜の所に来たか。その本当の理由です」
統「……何です?」
シャ「私……逃げて来たんです」
統「逃げて?」
シャ「はい」
シャナ=ミアの言葉に統夜は驚きを隠せなかった
シャ「今晩、実は議会の前に一つ晩餐会の予定があったのです」
統「…それから逃げて来たというわけですか?」
シャナ=ミアは無言で頷いた
統夜は深くため息をついた
統「…またどうして…」
シャ「実はその晩餐会の本当の目的は私に結婚相手を見つけさせようと言うモノだったのです」
統夜は絶句した
統「…要は『お見合い』というわけですか。……しかも政略結婚の」
シャ「………はい」
シャナ=ミアの声は震えていた
統「…話からするとどうも一度や二度じゃないみたいですね」
シャ「はい…」
統夜は夕食後の会話でシャナ=ミアが言った゛久しぶりに楽しい夕食が出来た゛という言葉の意味が分かった
シャ「私……私……辛かったです…」
シャナ=ミアは震えていた
シャ「だって……だって……私はずっと……統夜を…貴方だけを慕ってましたから」


シャナ=ミアは涙で潤った目で統夜をみつめた
統「お…俺をですか?」
シャ「はい」
突然の告白に統夜は動揺した
統「ず、ずっとっていつから……」
シャ「十年以上前からです」
統「じゅ、十年以上!?」
シャ「はい」
統「え、えーと……」
統夜は驚きの連続で頭が混乱した
だが直ぐに冷静を取り戻す
統「ちょっと待って下さい。俺達十年以上前に会ってたのですか?」
シャ「会っていたも何も私達、幼馴染みだったのですよ」
統「お、幼馴染み……」
統夜は゛幼馴染み゛と聞いて必死で思い出そうとした
しかし
統「………すみません、覚えてません」
シャ「……そうですか……そうでしょうね…十年以上前では…」
シャナ=ミアは悲しいそうに言った
統「……いや…覚えてないというよりその頃の事を思い出したくないだけかもしれません」
シャ「どうゆう意味ですか?」
シャナ=ミアが聞くと統夜は苦笑した
統「十年以上前という事は俺達まだ小さい頃の話ですよね?…俺その頃の事、極力思い出さないようにしてるんです」
シャ「…何故です?」
統「俺の母さんが死んだのがその頃だったからです」
シャナ=ミアに衝撃が走った
シャ「…お母様が?」
統「…ええ。その後、俺は余所に預けられました。父さんはほとんど月にいましたからね。でもそこでも色々とあって一人暮らししてからも大変で…」
シャ「…」
統「…元々物事をポジティブに考える方じゃなかったので結論としてその頃の事は思い出さない方がいいってある時思ったんでしょうね。だからそれ以来自然と思い出さないようにしてるんです」
シャ「…そうだったのですか」
統「はい……すみません何かつまらない話して」
シャ「いえ、そんな事ないです。…むしろ統夜の事をより知る事が出来ました」
そこでふと、シャナ=ミアは何かを思いついた
シャ「…統夜、ちょっと目を閉じて下さい」
統「え?あ、はい」
言われた通り統夜は目を閉じる
するとシャナ=ミアは両手で統夜の頭を掴んだ
統「え…あの何を…」
シャ「静かにして下さい」
統「は、はい」
統夜は黙った
すると額に何かが当たる
確認するためにうっすらと統夜は目を開けると目の前に目を閉じたシャナ=ミアの顔があった
統「あ あの一体何を─」
シャ「今からサイトロンと私の記憶を使い統夜の無数の記憶から私に会った頃の記憶を引き出しビジョンとして見せます」
統「は?」
シャ「いきます」
統夜の視界が白くなる


??『あなたは誰?なんでここにいるの?』
幼い声でありながらリンとした口調で少女は少年に聞いた
??『ボク?ボク、トーヤ。「シウン トーヤ」。パパがねここに友達がいるって言ってたから来たの』
少年は蒼い髪の少女の質問に無邪気に答えた
??『パパ?パパとは誰?』
ト『パパはボクのパパだよ』
??『いや、そうじゃなくて…パパの名前は?』
ト『え?パパの名前はパパじゃないの?』
不思議そうな顔で少年は少女を見た
ト『あ、でもさっき「エなんとか殿」ってパパ呼ばれてたっけ』
??『…「エ・セルダ」?』
ト『そう、それ』
??『…そう…あなたはエ・セルダ殿のご子息なのですね』
ト『へー、パパ有名なんだ』
無邪気なトーヤを見て少女は笑った

ト『あ、そういえばキミの名前聞いてなかった』
??『わたし?…そういえばそうですね。わたしの名は「シャナ=ミア・エテルナ・フューラ」です』
ト『うわ、長い名前!?』
シ『…人の名前に文句を言うのは失礼ですよ』
ト『ごめんなさい』
素直にトーヤは謝る
ト『じゃあさ「シャナ」って呼んでいい?』
シ『…その名でわたしを呼んでいいのはわたしの父母と未来の夫だけです』
ト『えーー、じゃあボク、「ミライノオット」になる』
シ『…あなた「夫」って何かわかってる?』
ト『わかんない』


統「…」
記憶の映像が終わると統夜はゆっくりと目を開いた
その統夜の目に最初に入ったのは今見た記憶にいた蒼い髪の少女が成長した姿だった
統「…シャナ…?」
統夜がそう呼ぶとシャナ=ミアは微笑んで統夜をみつめた
シャ「やっと……やっとその名で呼んでくれましたね」
シャナ=ミアがそう言うと統夜はすまなそうな顔で頭を下げた
統「……ごめん……」
シャ「いいんです」
シャナ=ミアの目からポロポロと涙がこぼれる
シャ「統夜が……貴方が……私を再びその名で呼んでくれた……それだけで私は貴方の全てを許します。私はそれだけを……そう呼ばれる日をずっと……待ってましたから」
統「シャナ……」
シャ「……これで決心がつきました」
統「決心?」
シャ「はい」
シャナ=ミアそう言うと涙を拭き深く息を吸いキリッとした顔で統夜を見た
シャ「私は、シャナ=ミア・エテルナ・フューラは貴方と、紫雲統夜と、統夜・セルダ・シューンと添い遂げる事を決めました」
統「………はい?」


統夜はシャナ=ミアの言葉が一瞬理解出来なかった
統「あ あの…添い遂げるって…要は……その……つまり……え、えーーー!?」
統夜の顔が赤くなる
統「ほ、本気ですか?」
シャ「このような事を戯れで言う女に見えますか?」
統「………本気なのですね」
シャ「はい」
シャナ=ミアはハッキリと言った
シャ「統夜が望むのならどのような女にもなりましょう。…王位も捨てます」
統「……そんな事すれば今眠っているフューリーの人達はどうなるのです?」
この言葉にシャナ=ミアの表情が凍った
統「フューリーの人達は目覚める時を待っているのでしょう?
シャナ「そ、それは…」
統「その人達の事考えるなら今はそのような事は言ってはいけません。フューリーの人達が目覚め新天地の大地を踏めるかどうかはフューリーの王女 シャナ=ミア・エテルナ・フューラにかかっているのですから」
シャ「しかし─」
統「それに…」
シャ「それに?」
統「……俺はその願いに応えられません」
シャナ=ミア思考が止まった統「少なくとも今は」
シャ「…今は……ですか?」
ヴォーダの闇に落ちかけたシャナ=ミアの意識は続けて紡がれた統夜の言葉によってすくい上げられた
統「俺にはやらなければならない事があるんです」
シャ「…あのお三方ですか?」
統「…はい。あいつらにはまだ俺が必要なんです。失ったモノ取り戻すまで」
シャ「……」
統「あいつらが俺を頼りにしなくてもやっていけるようにする。それが俺の役目だと思っています」
シャ「…そうですか…」
シャナ=ミアは統夜を諦めかけた
統「だから─」
だがシャナ=ミアに希望は残っていた
統「俺がその役目が終わった時、俺はシャナを迎えに行きます。その時プロポーズの返事をします。シャナの望む答えを」
シャ「──統夜!」
感極まってシャナ=ミアは統夜に抱きついた
統夜も始めは驚いたものの直ぐに優しくシャナ=ミアを抱き締めた
シャ「約束ですよ?」
統「約束します」
シャ「今度は忘れないで下さいね」
統「忘れようがありませんよ、一時も」
二人はしばらくそのままでいた

シャ「ところで聞いてもいいですか?」
シャナ=ミアは統夜に聞いた
統「何です?」
シャ「そのアレはプロポーズと言うのですか?」
統「え!?アレ、プロポーズじゃなかったんですか!?」
統夜に衝撃が走る
シャ「いえ、確かにその……申込んだつもりです。…ですが…」
統「ですが何です?」
シャ「プロポーズとは男性から女性に申し込む事を言うのでは……」
統「……女性から男性に申し込んでもプロポーズと言います」
シャ「そ、そうですか」
シャナ=ミアは自分が大胆な事をしたと思い顔を赤くした
どうもシャナ=ミアの頭の中では『添い遂げる』はセーフで『プロポーズ』はアウトらしい
統「ふあ〜〜…」
統夜が欠伸をする
統「さて、寝ますしょうか」
シャ「そうですね」
シャナ=ミアにも睡魔が来た
統「おやすみなさい」
シャ「と 統夜…」
統「何です?」
シャ「その…」
シャナ=ミア顔を真っ赤にしモジモジとしながら言った
シャ「あの…一緒に寝てもいいですか?」
統「……さすがにそれは勘弁して下さい。アル=ヴァンに殺されたくありません」

シャナ=ミアは統夜の部屋に戻り統夜のベットに入った
その時シャナ=ミアは感じた
愛しい人に包まれているように


翌日、シャナ=ミアが起きたのは昼近くの時刻だった
シャナ=ミアは上体をゆっくりと起こし近くの時計を見た
シャ「……もう、こんな時間……」
アル=ヴァンが迎えに来る時間が近い事に気付くとシャナ=ミアは着替えを持っていそいそと汗を流しに風呂場に向かった
統「あ……」
途中、統夜と顔を合わせる
昨夜の事を思い出し一瞬どんな顔をすればよいか分からずシャナ=ミアは戸惑った
それは統夜も同じだったらしい
統「……」
シャ「……」
双方少し顔を赤らめてうつ向く
統「お、俺キッチンにいますから。朝食用意して……で、でもゆっくりして結構ですから」
統夜はそう言うとそそくさとキッチンの奥に消えた
残されたシャナ=ミアも統夜を待たせてはなるまいと思いと風呂場に向かう

汗を流し着替えたシャナ=ミアがキッチンに入るとすでに統夜がテーブルの上に典型的な朝食を用意して待っていた
そそくさとシャナ=ミアがテーブルにつくと統夜は聞いた
統「えっと……何か飲みます?」
シャ「え?じ、じゃあミルクティーを…」
注文を聞くと統夜はミルクティーをいれ始める
統「…ゆっくりと眠れました?」
シャ「はい、お陰さまで……本当に心地良く……」
統「…そうですか」
ミルクティーがカップに注がれる音がする。二度
統「どうぞ」
シャ「ありが─あ…」
シャナ=ミアは統夜がミルクティーを入れたカップを見て小さく声をあげた
それはカップはカップでもよくあるティーカップではなく昨夜統夜がホットミルクを入れシャナ=ミアに渡したマグカップだった
統夜も例のシャナ=ミアのモノとは色だけが違う代物をつかんでいた
中身は同じミルクティーだ
統夜なんとなくは小さく微笑んだ
シャナ=ミアもなんとなく統夜に微笑み返す


シャナ=ミアの朝食が終わり統夜が使った食器を洗い終わる頃、統夜邸にチャイムの音が鳴った
統「アル=ヴァンかな?」
シャ「恐らくはそうでしょう……荷物まとめて来ます」
統「…分かりました」
統夜は洗い物で濡れた手を拭きエプロンを取ると小走りで玄関に向かった
統「すみません待たせてしまっ──」
ドアを開けやって来た人物を見た瞬間、統夜は絶句した
統「アル……ヴァン?」
ア「…シャナ=ミア様が世話になったな統夜」
統夜の前に現れたのは確かにアル=ヴァン・ランクスその人だった
だが、かなり…いや、ひどくやつれていた
統夜が想像してた姿よりも
統「………どうしたんですかその姿?」
なんとなく原因分かってはいたがあえて統夜は聞く
ア「ム……実は昨夜、カ──いや、大した事ではない気にするな」
統「…」
充分大した事だと統夜は思った
そんな時シャナ=ミアが来る
シャ「お待たせしま─」
アル=ヴァンを見てシャナ=ミアも絶句する

ア「シャナ=ミア様、お迎えに上がりました」
シャ「ア、アル=ヴァンですよね?」
シャナ=ミアは過去見たことの無い姿になっているアル=ヴァンを見て動揺している
シャ「ア アル=ヴァン…どうしたのですかその姿…」
ア「ム…実は昨夜、カ──いえ、何でもありませね気になさらぬように」
統夜の時とほぼ同じセリフに統夜は精神的にもアル=ヴァンが参っていると感じた
シャ「……統夜」
シャナ=ミアが顔を真っ赤にして統夜に耳打ちする
統「何です?」
シャ「その……地球の方はは……えっと……その……み、皆…は、激しいのです……か?」
統「え……?」
統夜はどう答えればいいか分からなかった
シャ「……統夜もそうなのですか?」
統「いや、その……」
シャ「………私………頑張ります!」
シャナ=ミアは握り拳を作る
統「そんな変な方向で頑張らないで下さい!」


シャ「統夜、お世話になりました」
シャナミアは頭を下げて言った
シャナ=ミアが行ってしまう時が来た
統「今度来る時は事前に連絡して下さいよ?」
統夜はシャナ=ミアの荷物をアル=ヴァンに渡しながら言った
統「こっちもいろいろと準備とか有りますから」
シャ「分かりました」
ア「シャナ=ミア様、お時間が」
アル=ヴァンが急かすとシャナ=ミアは頷いた
シャ「それではまた」
統「ええ」
統夜はシャナ=ミアとアル=ヴァンを見えなくなるまで見送った


ア「シャナ=ミア様」
シャ「何です?」
ア「どうやらシャナ=ミアの願いは成就したようですね?いつになくスッキリとしたお顔になってます」
シャ「……ええ……直ぐにというわけではありませんが」
ア「そうであっても成就した事には変わりません」
シャ「そうですね」
ア「…」
シャ「…」
ア「…シャナ=ミア様」
シャ「何です?」
ア「…今は騎士ではなく従兄として言わせて貰います。……良かったですね。お幸せに」
シャ「お従兄さま……」
ア「…」
シャ「…ありがとうございます」
ア「…」
シャ「…行きましょう。我が民達を目覚めさせる為に」
ア「ハッ!」
シャ「これが今の私の役目です。…そうですよね統夜…」

シャ「…何でしょうコレ?」
シャナ=ミアは一つの箱を見て頭を傾げた
議会が成功に終わりガウ・ラに戻った後荷物を整理する際にその箱は出てきた
差出人の名は無い
シャ「……統夜?」
なんとなくシャナ=ミアはそんな気がした
箱を開けてみる
シャ「あ…」
箱に入っていたのはマグカップだった
あの統夜とお揃いの
おそらく統夜は密かに自分の荷物に忍ばしていたのだとシャナ=ミアは思った
シャ「……?」
マグカップの他にもう一つ何か入っている
シャナ=ミアはそれを取り出した
シャ「…鍵?」
なんのへんてつの無いただの金属製の鍵
だが、それには手紙が添えてあった

『シャナへ

いつでも、どんな時でもシャナが望むの時、来て下さい
俺はいつでもシャナを歓迎し待ってます

       統夜より』

シャ「………はい」
月の王女は蒼い星の愛しき騎士に向けて言った


Fin



◇  ◇  ◇


98 :それも名無しだ :2006/07/29(土) 00:36:55 4P82GIq6
長時間リアタイ乙
GJ乙テッカァァァァァァァァァァァッ!!!

すげぇクオリティタカス。十分に萌えさせて頂きましたw



99 :それも名無しだ :2006/07/29(土) 00:40:47 2rFbH7mX
投下終了

長すぎた?
うん、自分もちょっと後悔してる
でもな…自分SS書くと大抵長くなるんだよな…
短く書ける方々が羨ましい
また電波か書けそうなネタがでたら制作する


また、何処かのスレで



100 :それも名無しだ :2006/07/29(土) 00:47:29 p/x+bzGu
神スレだ…そしてようやく100スレ…。長かった…



101 :それも名無しだ :2006/07/29(土) 00:47:42 rjrSeF/P
>>99
見ててなんか暖かい気持ちになった…
かなり過疎ってたスレだから、多少長くても問題無いと思う。
とにかく、GJ!!!!



102 :それも名無しだ :2006/07/29(土) 00:57:51 2uYVSZST
ロボゲ板の裏街道を歩み続けたシャナスレに遂に光りが!!
GJだ!!



103 :それも名無しだ :2006/07/29(土) 01:39:16 br4WFyvw
お疲れ様でしたGJです



104 :1 :2006/07/29(土) 11:07:57 Wwi1disc
>>69-97
大変GJであります!!
そして乙であります!!


灼眼のシャナDS 特典 いとうのいぢ「シャナイラスト・スクールカレンダー」&シャナゲーム・ミニラフ原画集「灯火」付き
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投稿者 ko-he : 2008年08月25日 22:07

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コメント

あ、やばい、ジュアが滅茶苦茶かっこいい……
しかも原作に近いジュアだな

投稿者 Anonymous : 2008年08月26日 01:46

うをお?!
このスレが纏められるとは思ってなかった。乙です!

投稿者 Anonymous : 2008年08月26日 11:01

現行スレはゲーキャラ板でひっそりと進行中なのでお間違えないように

投稿者 紅 : 2008年08月26日 16:14

なんと!?このスレがまとめられる日が来るとは!?

投稿者 Anonymous : 2008年08月26日 18:10

なんとぉぉおおおおお!!??ついにまとめられたか!!

投稿者 Anonymous : 2008年08月27日 00:32

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