2007年04月13日
 ■  スーパーロボット大戦W 萌えスレ その2 ver.2

スーパーロボット大戦W 萌えスレ
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1172645920/l50


前回の続き


253 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/06(火) 22:54:12 WBppvDqc
エンド後、ヴァルストーク内。

カズマ「ん? なんじゃこりゃ?」
ミヒロ「大きなダンボール…あれ? 何か書かれてるよ?」
カズマ「どれどれ」

”あたしだと思ってちゃんと世話してよね馬鹿カズマ”

カズマ「アリアか……何なんだよ」
ミヒロ「開ける?」
カズマ「そだな」

ガサゴソ……ぱかっ!

ディセイバーとカズマの出会い byどこぞのアホ氏


ディセイバー「………」(体育座り)
カズマ「……」


数ヵ月後……

ディセイバー「カズマ、好き」(にこっ♪)
カズマ「みんなぁ〜〜! ディセイバーが笑った! 笑ったぞぉぉぉぉ!!」

アリアスレのあるレスを見て書いた。でも反s(ry

「こーふぇい、教えてくれ。俺は、後何スレまとめればいい?
 俺は後何回、総合萌えスレと各個人スレをまとめればいいんだ?
 レスは俺に何も言ってはくれない。教えてくれ、こーふぇい!」


255 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/06(火) 23:05:19 mw05YBv3
>>253
久しぶりに会ったら普通に恋愛モードなディセイバーに動揺するアリアに真顔で
「アリア様もカズマのことが好きなんですか? でも大丈夫です。
 こういうときには3pという解決方法があるそうです。 私、本で読みました」
とか何とか言う電波が



256 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/06(火) 23:06:39 1hqymDdr
>>255
ディセイバーって女だったのか?
ずっと男だと思ってたんだが



257 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/06(火) 23:07:48 0o2kle0J
量産型アリアだから女じゃまいか?



258 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/06(火) 23:10:32 ISVQWwrE
>>255
それを皆の前で言って
何読ませてるんだとカズマが姉妹ズに断罪される様が脳裏に

しかしアリアは恋愛と言う概念理解できるのだろうか



259 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/06(火) 23:13:11 6ZEBppUx
>>258
シホミはあらあらうふふで傍観じゃない?
ホリスはカズマも男ですねえって言いながらいつもみたいにしてそう


260 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/06(火) 23:13:50 5/FmCwnY
>>258
最後にインファレスに「お兄ちゃん大好き!!!」って言って終わるけどな


261 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/06(火) 23:18:38 ISVQWwrE
それは恋愛感情かという議論を始めようか



262 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/06(火) 23:18:53 K69gadDk
カズマの日記はディセイバー教育日記に変わりました。

戦闘以外何も知らん、むしろ感情も無いので一から教え込みます。

無論、性教育も(ry



263 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/06(火) 23:25:15 1hqymDdr
>>261
奴は某フラグクラッシャーとソックリなので恋愛フラグは成立してもクラッシュされると主張します



265 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/06(火) 23:42:07 iI6RL4ew
>>263
久保か。噂に聞いただけだがすごいらしいな。


266 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/06(火) 23:42:26 mw05YBv3
>>262
特定条件下の心拍数や脈拍の増加や体温の上昇の原因を本で調べて恋愛小説を読んだときに
「あぁ、私あの人の事が好きなんだ」と真顔で納得するところを想像した




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265 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/06(火) 23:42:07 iI6RL4ew
さて、勢い任せで書いたカズマ×アリアSSを投下してみてもいいかな?
クリア前提でだだ甘です。おまけに微エロ。というかギャグ。



269 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/06(火) 23:50:22 iI6RL4ew
 連合宇宙暦101.3.12、航海日誌…
 こんなこと日誌に書いていいものかと少し迷ったが、思い出は何かに残しておくべき、という親父の言葉を守るためにもやっぱり記録しておくことにする。
 思えば、一週間くらい前からアリアの様子がおかしくなっていたことから始まっていたことなのだが……

                    ◇   ◇

「なになに……はぐれバッタの退治に新型装甲材の耐久試験。フリージャーナリストの護衛? パッとしない仕事ばかりだな」
「ソウハ言ウマスケドネ、今ノ私タチニ出来ルコトトイウノハトテモ限ラレテイルンデスヨ?」
「分かってるんだけどさぁ……」
 部屋の掃除ついでにキャレットが持ってきた現在志願者募集中の仕事の一覧に目を通して、カズマはがくっと肩を落とした。
 ここはスペースコロニー『ビット』内の居住区画にあるカズマの自室である。据え付けのデスクに向かって今日の航海日誌を書こうとしていた所にキャレットがやってきたのだ。
 冥王星宙域での最終決戦を終え、地球圏に帰還したヴァルザカードはシホミの判断によってヴァルホーク、ヴァルストーク、アルムアルクス、アルムストラに分離された。
 その中で、合体によって強引に欠落部分を補って運用してきたヴァルストークは本格的に修理をしなければならない状態に陥っていた。
 父親の残した遺産にして第二の家、そして何よりも大切な商売道具である艦(ふね)がこの有様では一家揃っておまんまの食い上げである。
 という訳で、臨時社員を迎えた我らがヴァルストークファミリーは修繕費用を稼ぐために、艦なしでも出来る仕事を片っ端からあさりまくっていたのだった。
「アルムストラが使えればなぁ」
「ザ・データベースノ同型機ガアチコチデ暴レマシタカラ。コノ『ビット』二持チ込ンダ時モ大騒ギダッタジャナイデスカ」
 キャレットがまたもっともな反論をしてくれる。
 あの時はガレントが上手く取り成してくれたからよかったものの、下手をしたら同業者から袋叩きにされるところだった。
 まあ、それは今さら愚痴っても仕方ない。彼らの思い出にザ・データベースへの恐怖が刻まれているのは確かなことだし、それを承知でカズマたちは臨時社員を迎え入れたのだから。
 その時、キャレットがピタリと動きを止めた。どこからか通信を受け取っているようだ。ピピピ、と電子音が鳴っている。
「ア——」
「どうした? 大口の仕事でも入ったか?」
「イエ、逆デス。先程のフリージャーナリスト護衛ノ仕事ノ募集ガ打チ切ラレマシタ。志願者ガ出タミタイデス」
 むう、とカズマの口がとがる。
 パッとしないと思ったりもしたが、人に取られると途端に惜しく思えてしまうから不思議だ。
「どこのどいつだ。俺達が取る(かもしれなかった)仕事を横取りしやがった奴は」
「申シ込ンダ人ト引キ受ケタ人ハ別ノ人ラシイノデスガ……」
 キャロットは何故か言葉を濁らせた。正直が取り得のこいつにしては珍しい。
「? まさか知り合いか?」
「……引キ受ケタ人ノ名前ガ『カイト』ダソウデス。マサカトハ思イマスガ、私タチニ内緒デ『カイト』ノ名前デ仕事ヲトッタナンテコトハ」
「あるわけねぇだろ! つか真面目な顔で人の古傷をえぐるな!」
 ソレナライイノデスガ、と言って掃除を再開する万能サポートロボ。青春の青い傷跡、もとい今となっては知人友人からつつかれまくるネタと成り下がった自分の偽名を思い返し、カズマはひどく鬱になった。
 そうこうしている内に部屋はどんどん整理整頓されていく。古くなった雑誌は紐で縛られ、本棚の漫画本はきっちり巻数順に並べられ、寝台のマットも整えられていく。はっきり言って、あの親父が作ったとは思えないほどキャレットの家事スキルは一流だ。
 もっとも、一流過ぎて融通が利かない所もあったりする。具体的には思春期の少年の必須アイテムのあれやこれやが瞬く間に廃棄されてしまったり。
 大抵一緒に掃除をしているミヒロに発見されるよりは、問題が少ないと言えなくもないのだが。

「あれ、そういやミヒロは?」
「アリアサントインファレンスサンノ部屋ノ掃除ニ行ッテマス。オ二人トモモデルニ良ク似テ整理整頓ガ苦手ナヨウデシテ」
「…………それ、もしかしなくても俺が悪いのか?」
「アンケートヲトッテミマショウカ。ファミリー限定デ」
「結果が目に見えてるからいい」
 前言撤回。こいつの口の上手さは間違いなく親父譲りだ。
 やがてさして広くもない(ついでに豪華でもない)部屋の掃除は終わった。隠していたメグミ・レイナードの写真集は案の定没収され、ちり紙回収のトイレットペーパーに変わる運命となる。
「ソレデハ、マタ何カアリマシタラ」
 箒やらちり取りやらを抱えてキャロットが部屋を出て行く。軽く手を振ってそれを送り、カズマは再び机の上の航海日誌に向き直った。
 ノイ・ヴェルターで活動している時もかかさず続けていた習慣である。戦いが終わり大きな事件を書くことはなくなったが、日々の小さな出来事を綴る大切さも今は感じている。
 さて今日は何を書こうか、と思いを巡らせようとした時、
「アレ、アリアサン。ミヒロサンニ部屋ヲ追イ出サレタンデスカ?」
「え? あ、うん。そんなとこ。それよりもキャレット、もしかしてカズマの部屋の掃除って、終わっちゃった?」
「ハイ。滞リナク」
 と、こんな会話が聞こえてきた。
 振り返ってみると、カズマの部屋の自動ドアはまだ閉まっていなかった。その向こうにキャレットとアリアがいるらしい。椅子に座ったままではキャレットの背中しか見えないが。
「カズマサンニ用ガオアリデシタラ何ナリト申シツケテアゲテクダサイ。ドウセ暇デショウシ」
「なんか、それってあんまりうなづきたくないような……ううん。終わっちゃったんならいいんだ。ごめんね」
 キャレットが一歩動き、それを感知してドアが閉まった。その後廊下でどんな会話が行われたかカズマは全く知らない。
 この時は、まだ特におかしな点はなかった。
 少なくとも、カズマにとってだけは。

                    ◇   ◇

 その後もアリアの奇行は続いた。

「ん? 何読んでんだアリア。……プロレス雑誌? お前格闘技なんかに興味あるのか?」
「う、うるさいうるさい! あたしが何読んでても馬鹿カズマには関係ないでしょ!」
「関係ないってことは……少なくとも俺は嫌いじゃないぜ?」
 直後、何故か赤くなって暴れだしたアリアによって拳骨一発。

「アリアちゃん。あげるのは構わないけど、私のお古だと少し大きいんじゃないかしら」
「ううんシホミお姉ちゃん、これがいいの。ありがとね!」
「まあ確かにアカネさんのでは」
「胸周りがきついだろうな」
 直後、ホリス共々赤くなったアリアと姉達にそれぞれ拳骨二発。

「起きないから奇蹟って言うんです」
「………………結構頑張って色々起こしてきたと思うんだが。俺達」
 直後、これまでとは別の赤さで暴れだしたアリアによって拳骨三発。

 これらは一つ一つを取り上げてみれば、何の変哲もない日常の一コマに過ぎないのだが、あんまり立て続けに起こったとなるとそうも言っていられない。
 そしてカズマがアリアの行動の真意に気づいたのは、連合宇宙暦101.3.12の深夜のこと。
 彼女が決定的な行為に及んで初めて分かったというあたり、「タカの目」の審美眼は遺伝されてなかったのかもしれない。

「お」
「あ」
 草木も眠る丑三つ時。ちょっと喉が渇いたので台所にでも行こうかな、と部屋を出ようとしたカズマがドアを開けたら、すぐ目の前に寝巻き姿のアリアが突っ立っていた。
 基本的に最近の彼女の服装はヴァルストークファミリーの女性陣+レギュレイトが見立てたもので、どれも割と似合っている。今も髪の色に合わせたライトグリーンのパジャマを着ていた。
 問題は、ドアの真正面に立ち尽くしているアリアがどいてくれないと廊下に出られないということであって、しかしここで下手なことをやるとまた拳骨をお見舞いされるかもしれないし、とカズマは思考する。
 とりあえず無難に声をかけてみることにした。
「よう。お前も何か飲みに起きたのか?」
「……………………」
 アリアは答えず、目をそらした。怒っているとかではなく、言いたいけど言い出しにくいことがあるような感じだ。うずうずと葛藤しているのが見て取れる。
 だがこちらも出鼻をくじかれたせいで喉の渇きに拍車がかかっている。一刻も早く冷たい飲み物で潤さなければならない。
 トレイラー心得、腹が減っては戦は出来ぬ、喉が枯れては交渉が出来ぬ、だ。
「用がないなら、俺、外に出たいんだけど」
「…………えーと、」
 ものすごい躊躇いを無理やりに飲み下した顔をして、アリアがやっと口を開いた。ひきつり度数30といったところか。
「こ、今夜は風が強いなー、とか」
「……ここ宇宙なんだが」
「雷が——」
「同じだって」
「さっき見た映画が怖くて——」
「『コッポラさんの先殴り』が? 家族全員で見たけどお前だけ大爆笑してたじゃねえか」
「……………………うう」
 ネタが尽きたのか(そもそもネタなのかすら不明だが)、アリアは下を向いてしまった。
 カズマは流石に付き合いきれなくなり、ちょっと強引に彼女を横へ押しやろうとする。
「ほら、気が済んだのなら道を開けろ。俺は今すぐにでも水を飲まなきゃならんのだ」
「……………………」
「ショートコントならまた明日聞いてやるから、な?」
「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………あああああああ、もう!」
 ぶちぃっ! と何か大切な線が切れた音が聞こえた気がした。
 カズマはぞわっと背筋が震えるのを実感する。
「な、なん」
「もういい! 力ずくでやる! こんばんわお邪魔しますお休みなさいごきげんよう!」
 アリアはカズマの首根っこを引っつかむと宣言どおり力ずくで部屋の中に引きずり込み、寝台の上に叩きつけた。
 カズマはもう訳が分からない。激しくぶつけた後頭部を押さえながら叫ぶ。
「っってぇ!? 何すんだ馬鹿アリア!」
「うるさいうるさいうるさい! 自分で言ったことくらい責任もて馬鹿カズマ!」
「はあ!?」
 カズマの目が丸くなる。
 俺、何かアリアに悪いこと言ったか?
 もしかしてここ最近の拳骨も、皆同じ理由?
 本気で理解できていないでいると、アリアはとうとう拗ね出してしまった。カズマを叩きつけたその隣に腰掛け、膝を抱えてしまう。
「馬鹿……あんなこと言っといて……」
 ポツリと呟かれた言葉が非常に痛々しい。
(……………………うう、困った)
 口喧嘩なら負けはしないが、拗ねられてしまったらお手上げだ。これは女子にのみ許された人類史上最強の反則技である。
 いくらアリアがカズマをモデルに作られた存在だとしても、女の子であることに変わりはない。カズマは今この時ほどアプリカントを恨んだことはなかった。撃墜されかけた時よりも、だ。
 しばらくの間馬鹿、馬鹿と言う繰り言を黙って聞いていたが、とうとう我慢出来なくなった。
 ここは叱られるのを承知で素直に謝ろう。拳骨五発までなら耐えられる。


「な、なあアリア。ごめん、本当に心当たりがない。俺が気づかないうちに酷いことを言ってたのなら、正直に教えてくれ。謝りたいんだ」
「………………」
 もう一人の自分は目も合わそうとはしない。
 意地になっているのか、完全に嫌われてしまったのか。後者ならとっくに部屋を出て行っているような気もするが。
 ただ頑として口を利こうとしない。まるで石にでもなってしまったかのようだ。
 こんな時、親父や姉達ならどうするだろうかと考えて、
「————ああ、もう」
 カズマは最後の手段として、

 くしゃっ、とアリアの頭を撫でた。

 ぱっと彼女の目が見開かれたことにカズマは気づかない。
「ごめん。俺が悪かったから。だから教えてくれ。俺は何をすればいい?」
 自分でも似合わないと確信できるほど優しげな声で問いかける。
 もしこの場に他の家族がいたら、
「お、お兄ちゃんが壊れたぁぁぁ!」「……ぷふっ」「失礼ですよアカネさん。ここは堪える場面です。三秒後にせーので」「あらあら。またビンタが必要かしら」
「こ、これが僕のモデル……」「やはり母親がいないと子供の成長は歪んでしまうのでしょうか」「私はお前にそんな風に育って欲しいと思っていた訳ではない!」
 どの反応が誰のものかは説明不要である。まあそれくらい似合っていない。
 けれど、
「——ぅいうの」
「へ?」
 うつむいたまま呟かれた返事は聞き取りにくかった。もう一度言ってくれと頼むと、
「だから、こういうの」
「こういうのって、頭撫でるのか?」
「……それもそうだけど、なんて言うか」
 アリアはこれまでで最大の戸惑いを見せた。口に出すのがそれほど恥ずかしいようなことなのだろうか。
「……妹っぽく、甘えさせて欲しい」
 恥ずかしいようなことだった。

 ぶはっ! と壮大に噴出しかけたのを気合でごまかす。
「い、妹っぽくって、お前」
「だって、カズマ言ったじゃん。『お前の兄ちゃんになってやる』って。だからあたしも妹っぽくならなきゃって思って、色々勉強して……」
 一体どんな勉強をしたのかとても気になったが、尋ねてみると大体今日までの彼女の奇行に繋がった。。
 部屋の掃除の時に来ていたのは、実の妹であるミヒロがいつもやっていることだったので自分もやろうと思い立ったらしい。
 プロレス雑誌は、アリア曰く「妹としての標準装備」の「フライングボディアタック目覚まし」を習得するために読んでいたとか。
 同じく「標準装備」の「袖の長さが合っていない服」はシホミのお古を譲り受けることで賄った。
 そしてあの台詞は——————確かに妹キャラと言えば妹キャラだが、主人公の妹ではないことを教えてやると騙された! という顔になっていた。
 まあおおよそ誰が吹き込んだのかは見当がつく。眼鏡の漫画家かロン毛ーズあたりだろう。
「ふふふふふ。今年のお歳暮にデュアルプロトンキャノン“で”送ってやるか……」
 何処にだ。
 それはともかく。
「でもさ、俺がそれ言った時、お前インファレンスがいるもん! って言い返したじゃないか」
 するとアリアはまた少しいじけて、
「インファレンス様は、今はレギュレイト様と仲良くなるので精一杯だから」
 自分はその次でいい、らしい。
 現在臨時社員扱いで一緒に暮らしている彼らが、新しい関係を築こうと努力しているのは知っている。互いを気遣い、尊敬し合える本当の家族になれるまで長い時間はかからないだろうと思う。
 けど、
「…………うーん」
 今度はカズマの方が拗ねた顔になってしまう。
 アリアは慌てた。
「どうしたのよ? あたし、ひどいこと言った?」
 先のカズマの台詞とよく似ているあたり、やっぱり自分の分身なんだなあとつくづく思う。が、それは置いといて。
「そうじゃなくてさ。……結局俺は、インファレンスに甘えるための予行練習なのかなって思っちまって」
 それが寂しいと感じた、とは流石に言えなかったが。
 やっぱり自分を見てもらえないのは、寂しい。「タカの目」の息子として相応しくなりたいとあがいていた頃にも思っていたことだ。
(贅沢、かな)
 両親はもういないものの、二人の姉と一人の妹、将来の兄(候補)達に囲まれた暮らしは十分以上に幸せなものだと感じている。
 この上更に一人の妹にも愛されたいと願うのは贅沢すぎるかもしれない。
 だが、
「そんなことないっ!」
 と、いきなりアリアが叫んだ。これまでにないほどの勢いでカズマに詰め寄ってくる。
 顔はリンゴのように赤く、けれどそのことにも気づいていないほど必死な様子だ。
「インファレンス様も大事だけど、でも、それでも!」
 唇が触れ合う寸前まで距離が縮まり、

「あたしが一番甘えたいのは、カズマお兄ちゃんなの!!」

 しーん、と沈黙が耳に聞こえた。
 互いに真っ赤になってしまい、身動き一つとれない。
 もんのすごく恥ずかしいこと言ったし。言われたし。何より近い! 近すぎるってこれ! 相手の瞳に自分の顔が移っているのがとてもドキドキする。
 科学の力では解明出来そうにもない謎の引力が、少しずつ少しずつ顔を近づけていく。
 そしてついに、アリアが目を閉じた。
(いや待て! 兄と妹宣言した直後にそれはまずい! レギュレイトに釘も刺されてるし、ああああでも間近で見るとやっぱり可愛い……ってこれひょっとしてナルシストになるのか? じゃなくてもう時間が距離があああああああああ)
 猛烈な葛藤が一瞬で脳裏を駆け巡る。今なら千五百秒でZマスターを倒せる自信がある。8と暗算で勝負しても楽勝だ。
 しかしそんなことに思考を奪われている隙に、事態はいよいよ修正不可能に陥っていく。第一次接触まで残り数ミリ。
 こうなったら、覚悟を決めよう。
 カズマは思い切って自分の目蓋も閉じた。それでもくっきりと残像が浮かぶほど彼女の顔を見つめていたことに気づく。
 一瞬が長い。でも、おそらく後一秒もなく、触れ合う。
 そして、


 とても、とても柔らかい女の子の唇を感じた。

 
 
 
 
 
 
 
 


 おでこに。

「へ……?」
 間抜けな声を出しながら目を開ける。
 目の前にはしてやったり、という顔をしたアリアがいて、
「お休みのキス。どう? 妹っぽいでしょ」
 そんな訳はない。ミヒロにんなことされた試しはないし、もし自分からせがんだりしてたら今頃ヴァルストークの機首飾りにされている。
 そう言い返したかったが——アリアの笑顔を見たら吹き飛んでしまった。
 この自分にそっくりな性格の妹は、自分より一枚も二枚も上手のようだった。
「それにしても……まさかカズマも目を閉じちゃうなんてね。本当にキスするかと思った? 期待した?」
「うるせえよ。アリアだって顔真っ赤だったじゃねえか」
 照れ隠しになっているのかいないのか、とにかく二人して笑いあう。
 結局これがしたくてこんな時間に尋ねてきたのか、と思うと、無性に微笑ましかった。
 ——しかし、

「……うーん、でも、このままだと困るよね」
「は? 何がだよ」
「だって、妹に顔近づけられて真っ赤になるような人がお兄ちゃんじゃ……ミヒロが危ないよ」
「そ、そりゃないだろ!? 男なら誰だってああゆう状況になったら」
「キャレットが言ってたんだけど。“カズマって結構たまってるかもしれないから気をつけろ”って。それこういう意味だったんだ」
「俺の責任じゃねえよそれは! 片っ端から捨てちまうキャレットが悪いんだ!」
「しょうがないなぁ。可愛い妹を守るために、お姉ちゃんが一肌脱ぐとしましょうか」
「聞けよ! なんかそれ言い訳くさいし、って本当に脱ぎだすやつがあるか!?」
「あんまり大きな声出すとお姉ちゃん達起きちゃうよ? それに、大丈夫だって」
「な、何がだよ」
「『義理はセーフ』、なんでしょ?」
「にっこり笑顔で無茶苦茶言うなあああっ!」
 あの連中にはお歳暮にお中元を足してもまだ足りない。ディメンジョンブレイカーで別宇宙にまで吹き飛んでいってもらわなければ。
 違うんだアリア。「それ」は現実においては適応されない幻想世界(ファンタジー)でのみのルールであって、というかそれが本当の目的かお前様。好いてくれるのは嬉しい嬉しいがでもちょっと待て近い近い近い。
 でも何よりも、顔だけでなく体まで赤くした(どうしてそこまで分かるのか詳しく描写することは出来ない)アリアがどうしようもなく可愛くて、
 ギブアップせい! と今は亡き大安売り大王の幻聴が聞こえた気がした。
「…………後悔するなよ」
「うんっ」
 愛らしい返事に思わず抱きしめてしまった後のことは、まああれだ。想像してくれ。
 
                    ◇   ◇

 ……以上が今日までにあったことの顛末だ。
 状況に流されて突き進んでしまった感じもなくはないが、こいつの寝顔を見ているとそんなことどうでもよくなってくる。
 今はただただ、この俺そっくりな妹が愛しい。似ている所も似ていない所も全部。
 考えてみれば、俺も母さんがいなくて親父があんなだったから、甘え方ってものが分からず姉ちゃん達に迷惑をかけてしまった覚えがある。
 何のことはない。ただ向き合ってみるだけでこんなにも距離は縮まる。……ちょっとばかり縮まりすぎたかもしれない。
 とにかく、こうして日誌に書いていつまでも記録に残したいと思えるほどの出来事だった。
 同時に、この記録は俺だけのものにしておきたい。ザ・データベースが狂った理由が今さらになって理解できたぜチクショウ。
 まずはキャレットの目も誤魔化せるような、上手い隠し場所を探そうと思う。

                              今日も日誌担当 カズマ・アーディガン

 お粗末でした。
「こんなの僕のアリア(カズマ)じゃないっ!」と言われても、これが私の中での二人ですのであしからず。



277 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/06(火) 23:58:05 mw05YBv3
超gj



278 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/06(火) 23:58:14 1hqymDdr
>>269-270
GJ!

Dアストレイネタとか色々あった事に感動した兄貴と呼ばせてくれ



279 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/06(火) 23:59:57 WBppvDqc
超GJ!!



281 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 00:02:00 d0astdU3
GJだ
うちに来てディセイバーを○○○○していいぞ



282 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 00:04:11 nZeAyYnh
>>269-276
GJとしか言いようが無いぐらいGJ



284 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 00:37:38 y2wUl7rw
溢れんばかりのGJにサンクス。エロに進もう進もうとする流れを食い止めてここに投下した甲斐があった。
もしかしたらこれの続きで+ミヒロ編とか書くかもしれないのでその時はよろしく。



296 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 10:26:14 qyEdQgoL
>>269マヂGJ
最初のキャレットとのやり取りで某トラコンのケインとキャナルを思い出してシミジミしたのは内緒だぜ?


298 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 11:51:25 oLJ5hktn
>>269
うほっ、いいSS。
つーかGJってレベルじゃねぇ。


301 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 12:39:32 NeZXoHMl
>>269-276
良SS。
アリアの口調が途中シ○ナになってるような気がしてならない。
最近初めて読んだ所為もあるんだろうけど・・



302 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 15:32:06 CcQeNaUH
>>301
問題ない
よくあることだ




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286 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 01:21:36 1jroTfU0
ミヒロがカズマの部屋を掃除してる時に妹系のエロ本とか出て来たらどうなるんだろうか



287 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 01:24:35 oEyIBlhS
本来なら普通に怒るところなんだろうが…

ここで散々ブラコン呼ばわりされてるので住人達の補正で違う方向に行ってしまいそうな



288 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 01:36:17 l4k0R8gV
第2部のカズマ萌え萌えwww台詞が一々おもしれえwww



289 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 01:40:00 bDj9ycx+
本編中じゃ
色事がらみでカズマが暴走したりすると
「お兄ちゃん…かっこ悪い…」
「お兄ちゃん…キライ…」とか
大人になれば解るよ、とか言われて
「私は大人にならなくていいや…」とか言ったり
反応が激しくない分余計心に刺さりそうだ



293 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 04:48:47 IGjUAdKr
チイ姉がかなり好きなんだが、ホリスも要所要所のかっこいい台詞で惚れてしまったんだ。
こんな俺はどうしたらいいんだ



294 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 06:20:05 2bYhylWd
悲しいかな、ホリスのような男になれなければ
チィ姉とくっついてもあの可愛い反応を見れないのである



295 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 07:08:22 TMqeQtbj
インファレンスとカズマの兄弟?喧嘩とかも見てみたいなあ。

カズマ「いちいちうるっせえんだよ! この○×△□野郎!!」
インファ「てめえこそブッてんじゃねえ! #$%&野郎!!」

危険「……なにを言い争ってるんだ、あいつら?」
勇者「今日の夕食を栗ご飯にするかサンマにするか、だってさ」
軍曹「この三日間の献立を見る限り、油分過多の傾向が見られる。栗ご飯を推奨する」
死神「いや、それはアカネさんの当番が混ざってたからだろ」



296 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 10:26:14 qyEdQgoL
全く話に出てこないのが不思議なんだが、弓矢的必殺技で出てくるレギュママに萌えた。
というか性欲を持て余す。あれならオヤジーズがメロメロでも仕方ないと思うんだ。
同志はいないのか?


297 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 11:41:45 c+O7koKo
マヨネーズホリス

いや、言いたかっただけ。深い意味は無いんだ



308 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 17:17:35 SwRWTfa6
>>296
ママンはかなり萌えるな 親父に一目惚れしたらしいから男を見る目は確かなんだろうがw



309 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 18:01:13 LyHApow3
>>308
親父が一目惚れしたんじゃなかったっけ?
まあ、あのママンなら即答しそうだけど。



310 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 18:01:52 Mgz8hf9k
>>309
どっちも一目惚れだったはず



311 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 18:05:30 l4k0R8gV
あれが鷹の目の由来じゃ隠したくなるのもわかるぜ



312 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 18:05:33 s7WM8+MW
今回一番萌えたのはレギュレイト母さんだった。


ちくしょおおおおおお!!親父とアプリカントが羨ましいよおおおおお!!



313 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 18:13:40 CcQeNaUH
>>312は火麻かw
その気持ちはわからんでもないが



314 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 19:13:01 1jroTfU0
>>313
大河長官何やってんですか?


315 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 20:07:45 WaQat0u6
チィ姉がマヨラーと知って依頼俺の中では「マヨネーズが足りないんだけどォォォォォォ!」な人にしか見えない

誰か助けてくれ



316 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 20:33:34 vuPDeSs2
俺はマヨラーと聞くと
「ポリス!そこのマヨ取って! マヨかけご飯だし手ぇ届かんし!」
な二足歩行最強馬を駆るアホ王族と被る

誰か助けてください



317 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 20:50:44 EMevfEf0
>>315-316の記録をとってくるって今アリアが出撃しましたが?



319 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 21:10:18 SwRWTfa6
>>312
しかし親父もわかっているよな  わざわざ若い姿と人格をコピーさせる所なんかは


320 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 21:11:43 EAp1OvR4
レギュレイト母さんって昔のトレイラー時代の記憶も持ってるの?


321 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 21:15:09 bOXsWnGf
脱出用シャトルに積まれていたライフデータとかから再現しただけだろうから流石に記憶はないんじゃないか?
親父の記憶から間接的に補完されることはあっても



322 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 21:17:30 SwRWTfa6
>>320
言及はされてないからなんともいえんな あの親父のことだし記憶やスタイル等の完璧なコピーを作っててもおかしくは無いと思える



323 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 21:21:16 oLJ5hktn
>>320
日記とか参照したんじゃね?



324 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 21:26:16 SwRWTfa6
日記で思い出したが 昔の親父の日記は凄まじい内容だろうな
大河やフリーマン達に対する愚痴とか嫁のノロケとか色々書いてそうな気がする



325 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 21:55:43 bqIS+EW5
日記に愚痴やノロケ
三流のすることだな



326 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 22:03:56 1jroTfU0
カズマ成長の記録になってると思う



327 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/07(水) 23:59:06 uV5jERuU
>>296
レギュママはかなりいい!
カズマ×ディセイバー書いてる最中にインファ×レギュなんて考え始めちゃってますよ。


ちなみにディセイバーはアリアの双子の妹として考え始めた俺



331 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/08(木) 13:31:57 5MBX8j95
戦闘で部屋に被弾して寝られるような状態じゃなくなったらカズマは誰の部屋で寝るんだろうか…
Aミヒロ
Bホリス
Cアリア
Dレギュレイト



332 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/08(木) 13:48:02 6fKPKl3G
E:倉庫
(´;ω;`)ブワッ

 
 
 
 
 
幼稚園・保育所実習 実習日誌の書き方

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投稿者 ko-he : 2007年04月13日 23:00 : スレ:スパロボW

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コメント

コッポラさんの先殴り…間違いなくこのSSの作者はトトカンタ在住

投稿者 Anonymous : 2007年04月14日 02:01

あー、それかそれか! どこかで見かけた記憶はあれども思い出せずにもやもやしてたんだ! ありがとう!

しかしそれにしても、何と言うGJ……!>>SS

投稿者 Anonymous : 2007年04月14日 09:13

アリアスレも良スレなのでぜひ(ry

投稿者 漉 : 2007年04月14日 20:27

萌えスレというのは、『スレ立て』『妄想』『>>1000到達』の、
終わらないワルツのようなものなのです

投稿者 さすらいのカニカマ侍 : 2007年04月15日 15:56

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