2007年02月25日
 ■  cqJq8urB氏作SS「騎士統夜VS紫雲統夜」

スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その125
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1169635613/l50



9 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/24(水) 19:55:00 cqJq8urB
>>1乙だります。


んで、騎士トウヤvs紫雲統夜が一応書き上がりますた。
1レスで収まる筈がSSモドキの2レスフルに使う位になったのは何故なんだぜ?
てことで2レスほどお借りします。

前回の続き


10 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/24(水) 19:55:46 cqJq8urB
月に眠っていた古代の民、外宇宙からの驚異。
そう言った者達と決着を付け、漸く地球圏が復興の歩みを始めようとしたその矢先の出来事。

フューリーの機体が、連邦軍の基地を急襲、主犯格はトウヤ・セルダ・シューンを名乗り
平穏な暮らしに漸く戻った筈の紫雲統夜とそのパートナーは、再び戦乱の渦に巻き込まれる事となる。

―――それは、IFとの戦いの幕開けであった―――

スーパーロボット大戦AC外伝 Re-Jugdement
カティアルート 第48話「Limit Over:己を越えて」 より抜粋


それは、己を越える為の戦いであった。

剣が火花を散らし、かぎ爪が鬩ぎ合う。
かと思えば両者ともに転移を繰り返し、ライフルによる射撃………
いや、最早砲撃と呼べる威力のソレを撃ち合い、紙一重で回避する。

ぶつかり合う二機のラフトクランズ。
一機は黒と赤、もう一機は黒と青の塗装。

前者を駆るのはトウヤ・セルダ・シューン。
後者を駆るのは紫雲統夜。

遺伝子レベルで全くの同一人物の彼らは、
しかし決して相容れぬ理由があった。

トウヤは一族の悲願であるあの蒼い星を奪い取るべく。
そして、何時しかただ彼がそう呼ぶから、それだけの理由で名前を捨て、
互いを名字で呼び続ける三人の少女にその名をあの地で取り戻させるべくして。

統夜は戦乱の末、漸く手に入れた平穏な日々を取り戻すべく。
その戦乱の中で手に入れたかけがえの無いパートナーを守り抜く為。
そして、彼の戦友達がその身を賭けて守った星を奪い取らせまいと。

「トウヤ・セルダ・シューン!………決着を着けるぞ!」
「………良かろう。望む所だ、紫雲統夜!」

トウヤのラフトクランズ、その剣が別たれ、姿を変えて二刀の剣となる。
オルゴン・ブレードFモード………あの大轟凰を一度破った、緑光の双剣。

トウヤには悲愴とも言える覚悟があった。
半端者と誹りを受け続けた幼少時代。絶望しか知らなかった三人の少女との出会い。
一族の悲願たるあの蒼い星、アレさえ手に入れば己も、彼女達も救われるのだと。
例えあの星を手にしたとてこの先問題は山積み、けれど己はその先を見据えているのだ。
その前に立ち塞がる障害を、もう一人の自分たる紫雲統夜さえ退ければ道は開ける、答えは出る。
何時しか己がそう呼ぶからと、それだけの理由で名前を捨てたあのあの少女達を。
その名前で呼んでやれる、故にあの自分を越えてみせると。

「グリニャール、ミューズ、メイア………待っていろ、俺はヤツを越えてみせる」

ヤツはこの手で、この双剣で、再び切り裂く―――!


統夜には静かな決意があった。
最初は、訳も分からず巻き込まれた戦いに戸惑うばかり、原因とも言える少女達を罵倒すらした。
けれど今は違う。己の血に流れる因縁を知った、父から託された想いがあった。
そして、見送ってくれた仲間達が居る。帰る場所がある。

『大轟凰の合体機構すら外すとはな………フ、どうやら一杯食わされたのは私達らしいぞ、カノウ』
『全く、頑固なヤツだ………帰って来いよ、絶対に!』
『スレイさん、トウマさん………』

『………統夜、やっぱり行くんだ』
『止めても無駄だって私も、テニアちゃんも判ってます。
 だから、帰ってきて下さいね、カティアちゃんと一緒に』
『絶対だよ!約束だからね!破ったら酷いよ!』
『二人共………ああ、約束する。ちょっと行って来るよ』

そして………何より、守りたい人がいる。

『統夜、出撃の準備、終わりました』
『判った………改めて聞くけど、良いんだな?カティ―――』
『―――ぷは………い、今のは返事代わりです。
 今更野暮な事、聞かないで下さい。貴方となら何処へでも、何処までも行きます』
『………悪かった、行こうか、カティア』
『ええ、行きましょう、統夜』

だから自分は戦える、あの平穏を、取り戻す!

統夜のラフトクランズ、その剣が姿を変えて長槍となる。
これこそは"こちら側"のエ=セルダ・シューンが獲物とした緑光の長槍。
名を、オルゴン・ランサーFモードと言う。

確かにヤツには一度負けた。
けれど今は前とは違う、傍らに彼女が居る。
一人で超えれぬ壁ならば二人で越える、限界を、己自身を―――!

「カティアッ!」
「了解!オルゴン・エクストラクター出力全開、全エネルギーをランサーに回します。
 ………統夜、貴方を信じてるから!」
「ああ、勝って終わりにしてみせる!行くぞ、トウヤ!」
「受けて立つ!来い、統夜!」

ブースターが、スラスターが、機体が持つありとあらゆる推進装置が咆吼を上げ
両者が放つ緑光が尾を引き、遂に一つの直線となる。

「「うぉぉぉぉぉぉッ!!!」」

自身に打ち勝つ為の戦い。
勝利と敗北、二つの結果は果たしてどちらがどちらを手にするのか。
打ち下ろされる双剣、突き出される長槍。それは、さながら判決を下す鎚の様で。


―――審判の日、再び。


―――





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19 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/24(水) 20:13:56 IBa98TGg
>>10,11
GJ!
見事だ・・・お前にはもう何も教える事は無い・・・


40 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/24(水) 20:47:13 PPTKPHVc
ちと遅いが>>10GJ!!
BGMが仮面ライダーカブトのOPだったのは内緒だ!



41 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/24(水) 20:50:35 Ec9YvDsV
>>10
よいSSだ、GJ!

・・・ン、待てよ、カティアルートって事は

:メルアルート
:テニアルート
:ハーレムルート(Jカイザー・大轟鳳・大雷鳳VS無数のラフトクランズ)

にも分岐するって事か?


48 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/01/24(水) 20:57:14 aubxEzwh
>10
GJ
前スレまでifトウヤは比較的冷淡気味だったけどこれくらいのがかっこいいな

半端者というかifトウヤも最初は下等な人類とのハーフって事で実験体だったかも
そこから同じ境遇の3人連れて実力で騎士階級に・・・なんか主役っぽいな・・


投稿者 ko-he : 2007年02月25日 19:19 : OG萌えスレ121-125

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