2009年02月07日
 ■  スパロボWのアリアタンはザ・データベースカワイイ 7人目 その3

スパロボWのアリアタンはザ・データベースカワイイ 7人目
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1198119093/l50


前回の続き



491 :それも名無しだ :2008/04/19(土) 23:19:18 wvtBemdA
アリアがツンデレって話は良く聞くけど、それってカズマにも当て嵌まるんじゃないかとふと思った。



496 :それも名無しだ :2008/04/21(月) 06:22:29 l/P3R2Qw
>>491
なるほど。アリアがデレてきた辺りから今度はカズマのツンが発動するのか。
全く、素直じゃない奴らだ。



497 :それも名無しだ :2008/04/21(月) 08:08:30 7nY1r89T
カズマ、アリア、インファレンス連立式何か保存の法則があるわけですね
誰かの何かが増えると他の誰かまたは残り二人の何かが減る
誰かの何かが減ると他の誰かまたは残り二人の何かが増える
ただし例外的にカズマのモテ値は常に0である



500 :それも名無しだ :2008/04/22(火) 00:00:56 zNTmnf+T
>>497
カズマ「ちっくしょぉぉぉぉぉ!!! こうなりゃ姉妹以外なら誰でもいい たとえディセイバーでも・・」

アリア「カズマ誰でもってことはつまり(ry」
全員集合! ドドドドド
アリア「なっ!?」
ディセA〜Z「つまり我々にも」
a〜z「ちゃんすがあるってことですね」
い〜ん「これは愉快な事じゃ」
干支「カズマ様の心をつかむその時まで」
十二星座「周りの全てがリヴァーレ・・もといライバル!」
八卦「我らカズマ様とつきあうためには手段は選ばず!」
No.3ディス「邪魔する者に御仏の慈悲は無用!」

Α〜Ω「俺達どうする?」
α〜ω「どうしよう」
ディスパーダ「カズマ様と供に歩み、彼女という名の楽園を求める道を捜すか」


501 :それも名無しだ :2008/04/22(火) 20:39:38 fv6vKYKu
カズマ「あー、レギュレイト?ちょっと聞きたいんだが…」
レギュ「あら、カズマ。それにアリアも。どうしたんですか?」
アリア「その、レギュレイト様に答えて欲しい質問がありまして」
レギュ「?…何でしょう。私に答えられる事なら」
カズマ「単刀直入に聞くぜ。どうして、俺とアリアは付き合っちゃ駄目なんだ?」
レギュ「はあ!?そ、そんなのは当然です。貴方達は同一人物も同然…」
アリア「いえ、それは分かってますけど、他の人の意見を聞く限りじゃあそれって不可解なんですよね」
レギュ「え…」

『俺と妹?…付き合って長いな。兄妹の枠を超えてさ。
葛藤は無かったかって?そりゃ、昔はあったけど、もうそんな事を気にするほどお互いに若くないさ。…好きになった娘が偶々妹だった。そう納得すれば、随分と心は軽くなったよ』
『うん。最初は、ごっこだったのかな。肉親だから気兼ねなく何でも言えたし、何でも出来たよ。でも、やってる裡に後に退けなくなった。あたしの方が本気になっちゃったんだ。
後悔は無いし、今更別れる何て在り得ないわね。お兄ちゃんはあたしのだもの』
L&Eコーポレーション社長&営業

『家族だからこそ、俺も甘くなる。あいつの望む事なら何でもしてやりたいし、寧ろ、それこそが肉親として俺がしてやれる唯一の事だからな。
疑問などは持たんよ。俺もあいつも地球の人間ではないし、そもそもが創られた存在だ。法には縛られん。…例え縛られたとしても、想いは止められないさ。
だが、断っておくが俺はナルシストではない。自分を鏡に映して自慰などは出来んよ?
…そう言う点では、俺達とお前達には共通する部分があるな』
『私達にとってはそうなるのが当然だったってだけよ。悪い事をしている何て露も思わなかった。…だって、好きになってしまったんだから仕方が無いでしょう?
少なくとも私はそれに正直になる事にしたわ。世界に一人だけ放り出されるって、寂しいじゃない?でも、彼が居てくれれば私は何でも出来る気がした。何でもしてあげたくもなったわ。…歪だけど、それが私達の愛なの。
…貴方達はどうかしら?覚悟の有無が貴方達と私達の違いなのかも知れないわね』
タイムダイバー&クールスパイ

カズマ「…と、それっぽい人達に聞いてみたけど、兄妹やら同一人物って理由だけじゃ根拠に乏しい気がするんだ」
レギュ「それは…た、他人は他人。うちはうちです!」
アリア「あの、それ要領得ませんよ?第一、データベースとカズマの家は別…」
レギュ「う…」
カズマ「明確な答えが返って来ないな。所詮、その場限りの言葉だったって事なのか…」
レギュ「い、いえ、違います。少し待ちなさい。今、納得する答えを…」
カズマ「なあ、アリア。いっその事、本当に付き合うか?俺等」
アリア「えっ///」
レギュ「!」
カズマ「何かそうする事が正しい様に思えてきたよ。他人か、家族か、それとも同一人物かなんて、その時その時で都合良く解釈すれば良いだけの事だからなあ」
アリア「え、と…う、うん!あ、あたしで良ければ///」
レギュ「お待ちなさい!そんな事は…」
カズマ「どうして駄目なんだ?止めるに足る明確な理由が無いじゃないか」
レギュ「・・・」
アリア「何も言わないって事は、認めてくれたって事ですよね?…ありがとうございます!」

レギュ「あなた…どうしましょう。あの子達が禁断の領域に…!」
アプリ「フッ…母さんをやり込めるとは、成長したな息子よ」



502 :ナナシン :2008/04/23(水) 00:12:28 4vi2f5xe
続きはまだか??



503 :それも名無しだ :2008/04/23(水) 01:05:29 g1VIuacW
>501
つーか、L&Eコーポレーション社長&営業は、この世界じゃ恋人なのか!?



504 :それも名無しだ :2008/04/23(水) 01:15:36 etYfieEQ
ちょっとまて…その二人が存在するということは…
いかん!至急エンジン部分に警備を増やすんだ!!



505 :それも名無しだ :2008/04/23(水) 12:11:15 bLSS+Lqi
早乙女博士「諸君、大変な事態がおこった・・・!見てくれ、このゲッター線感知装置の値を・・・!!!
        >>501が投稿されてから、こっち、異常な数値を示している・・・!これは・・・?!」



506 :それも名無しだ :2008/04/23(水) 18:39:06 tu76Rzm5
>>504
過ち一家よりも恐ろしい敵が襲来してくるというのか?・・・

>>505
????「カップルっていいよねぇ そう思わないかいSティンガー君」
???「う、うん そうだよねKウェン君 肉親同士でないカップルって見ていて微笑ましいよね」



508 :それも名無しだ :2008/04/23(水) 21:59:56 Cu+Bw1W1
>>506
中年親父触手プレイを披露したインベーダーは帰ってください



507 :それも名無しだ :2008/04/23(水) 21:09:31 F5XYWF6b
>>504
臨時ニュースをお伝えいたします。
本日未明、ヴァルストーク、ナデシコC、真・ゲッターロボ、マジンカイザー、ガオガイガー等
主要戦力が分解、機関部を盗まれる事件が発生しています。
尚現場には眼鏡が残されており、犯人の遺留物とみて捜査を(略


509 :それも名無しだ :2008/04/24(木) 00:04:07 onlHvKaA
>>504
ディセL「大変ですアリア様!!」
ディセZ「いえ、私はアリアではなくディセイバーZです」
ディセE「…冗談はおいといて(ヒョイ)…とにかく大変なんですよ!!」
ディセZ「いえ、おいとかないで下さい…ところで、なにがあったんです?」
ディセL「それが…厳重なはずの警備の隙を掻い潜られて…」
ディセE「メンテ中のヴァルアルムをばらばらに分解されちゃったんですよ!!」
ディセZ「………………って、何ぃーーーーーーーーーーー!!!」



510 :それも名無しだ :2008/04/24(木) 00:25:22 s5kv+E1a
ラ ラ ラ〜 ラァージィィィーー!!


511 :それも名無しだ :2008/04/24(木) 18:00:03 EIFkI/Hs
カズマ「ヴァルアルムが?…プロトンノヴァドライブだったか?動力は。
今の地球圏じゃあ修理場所は限られるな」
アリア「うん。始原文明系の技術体系は珍しいからね。パパ、半分涙目だったよ」
カズマ「データベースの目を掻い潜っての犯行か。しかし、意味が判らんな。金品やらデータに目もくれないで機体だけバラすって」
アリア「皆首を傾げてる。不可解過ぎて遺留品から犯人像の特定も出来ないって」
カズマ「…仕方が無い。ロウさんに教えてもらった新しいジャンク屋に依頼するか。経費はそっち持ちだがな」
アリア「それは当然だけど、直せる目途があるの?」
カズマ「それは約束できないけど…かなりの腕を持ってるらしい。量子波動エンジンやら、対消滅エンジンなら資材さえあれば自前で組み上げられるってさ」
アリア「そんな集団が居たんだ。因みに、何て名前なの?その技術屋の集まり」
カズマ「ジャンク屋だってばよ。えーと、何だったかな。名刺を貰ったんけど…(ごそごそ)…あった。こいつだ」
つL&Eコーポレーション

営業「お兄ちゃん。新しい仕事、貰ってきたよ」
社長「ご苦労さん。えーと…?バラされた機体の修理、及び組み上げ?何だこりゃ」
営業「あたしも詳しくは知らないよ。依頼主はヴァルストークファミリー。近頃売り出し中のトレイラー一家ね」
社長「大口だな。…コネを作る序に受けてみるか」
副社長「…ほう」
営業「何?何か気になる事でもある?」
副社長「いえ、何でも。…(再び機会が巡って来たようですね。今度は趣味に走らないよう気をつけなくては)…」
社長「おい。何か不穏な事を考えてないか?お前がそう言う顔をする時って大抵…」
副社長「滅相も無い。考え過ぎです」
営業「怪しいわね、その態度」



512 :それも名無しだ :2008/04/25(金) 02:42:09 Kd++Ta4w
???「(そういえば、アプリカントさんの動力って、何なんでしょうね?)」

アプリ「ム?(最近何者かの視線を強く感じる)」



513 :それも名無しだ :2008/04/26(土) 15:39:33 1dQRTa7B
アリア「ツンとデレを上手く使い分けるコツって、あります?」
営業「へ?…うーん、あたしがそうだとは思えないけど、そうねえ」
アリア「・・・」
営業「先ず、公私を混同しない事かな。他人に見せ付ける必要は無いし、甘えたいんだったら二人っきりの時だけで十分だしね。
でも、人が見てるからって必要以上に辛く当たったら駄目だよ?男の人ってそう言う所はナイーブだからさ」
アリア「ふむふむ」
営業「最後は嘘は言わない事。女に比べて男って鈍いって言われるけど、嫉妬の心は凄いんだ。極力誤解は避けなさい」
アリア「参考になりました!ありがとう、フ『検閲削除』さん!」

アリア「こら!馬鹿カズマ!」
カズマ「っ、んだよアリア。藪から棒に」
アリア「寝癖が付いてる、襟が曲がってる、社会の窓が開いてる!恥ずかしいからちゃんとしなよ!」
カズマ「うをっ!?れ、礼を言うぜアリア。全く気付かなかった」

アリア「か、カズマ…」
カズマ「うん?」
アリア「今日…頑張ったよ?あたし。だから…ご褒美、頂戴?」
カズマ「ご褒美って……えっと、こんな感じ、か?」
——なでなで
アリア「あ…カズマぁ♪」
カズマ「うーん…喜んでくれては居るようだけど…もっと別の事をしても良いのかな?」

営業「えへへ〜…お兄ちゃん…♪」(すりすり)
社長「兄貴は妹に甘い…って、これは何か違うな。
幾らなんでもこれじゃ大きな子供の相手してるみたいだぜ(汗)」



514 :それも名無しだ :2008/04/27(日) 13:30:00 ojSEBULI
俺はこういうネタ大好物だ
もっとやれ



515 :それも名無しだ :2008/04/27(日) 13:57:22 BiFfLBjY
ラウルは本編ではやや空気だったが、いろんなところに影響を及ぼしているな…



516 :それも名無しだ :2008/04/27(日) 17:31:06 dIk4tx/y
カズマは本編で彼女出来なかったが、OGに出てもブラスターテッカマンブレードだな…



517 :それも名無しだ :2008/04/27(日) 23:53:29 Kyc3scvn
>>516
つまり「抱いてよぉ!」と上にまたがる彼女ができるフラグですね



518 :それも名無しだ :2008/04/27(日) 23:59:42 R13iILoh
だからこそ、妄想を逞しくしよう。
カズマに愛の手を差し伸べられるのは住人しか居ないんだぜ!
ってな訳で、妄想を投下してみる。

アリア「今日も疲れたなあ。皆、人遣い荒過ぎるよぉ。
    汗かいちゃったし、ゆっくりお風呂に浸かりたい気分……」

——ガラガラガラ
アリア「っ!? きゃあ!」(裸)
カズマ「ん? ……何だ、アリアか」(裸)
アリア「か、カズマ!? さ、先に入ってたの?」
カズマ「ああ。 ……使用中の札、掛けて無かったか。うっかりしてたな」
アリア「あ……っ、吃驚したあ。中に居るんだもん」
カズマ「そりゃ悪かった。驚かせちまったな」
アリア「……//////」
カズマ「どうした? 俺の体をじっと見て」
アリア「み、見てない! 見てなんか無いから!」
カズマ「いや、見てるだろ。可笑しな奴だなあ。俺の裸なんざ見慣れてる筈だろ?
     今更そんな態度を取る間柄じゃ無いと思うんだけどな」
アリア「そうだけど、さ////// 何か、カズマの肌、じっくり見る機会、中々無いから」
カズマ「ハハ、確かに。そう出来る時は他の事に集中しちまうからなあ」
アリア「ば、馬鹿! 下品な事言うな!」
カズマ「言ってないけど? お前はそう思ってんのか?」
アリア「う、ううぅ……意地悪。それにお前って言わないでよぉ(涙)」
カズマ「済まん、ついな。だからって臍を曲げんでくれ。
    ……あー、アレだ。折角来たんだから、入ってけよ。背中位は流すぜ」
アリア「へ? う、うん。じゃあ、お願い」



519 :それも名無しだ :2008/04/28(月) 00:03:36 R13iILoh
——ゴシゴシ……
カズマ「何か妙な気分だな。こうやってアリアの背中流すってさ」
アリア「悪かったわね。どうせ太ってるって言いたいんでしょ?」
カズマ「誰も言ってないぜ。俺が言いたいのは、俺がベースになってるって割にゃあ
     随分と柔らかくって滑々してるって事よ」
アリア「……何が言いたいの?」
カズマ「だから、アリアが女の子だって事が具に感じられるって事。
     俺の分身だって事は理解してるけど、意識するなって方が無理だぜ」
アリア「ふえっ!?」
カズマ「或いは片割れって奴なのかな。双子の片一方同士。生まれは違うけどさ……」
アリア「……そう思って、くれるんだ」
カズマ「インファレンスに抱く感情とはちょい違うんだ。
     あいつは俺の別の可能性みたいなもんだからなあ。
     兄弟だとは思うけど。お前ほど距離は近くない」
アリア「そっか。じゃあ、あたしはカズマの妹、か」

——ザバー……
カズマ「こんな処か。……悪くねえもんだな。こう言う形でアリアに触れるって」
アリア「ありがと、カズマ。その、さ」
カズマ「うん?」
アリア「あ、あたしに触れたいなら、触れて良いんだよ? 
    カズマなら、歓迎するから//////」
カズマ「へへ。そいつは嬉しいが、ここでは止めとくぜ。
     ……湯当たりしちまいそうだからな」
アリア「ん。分かった。……じゃ、こんどはあたしが背中流すね?」
カズマ「そうか? んじゃ、宜しく頼むぜ」

——数時間後 カズマ私室
カズマ「……やべ。風呂入ったばっかりだってのに汗塗れだ」
アリア「カズマぁ……もっと集中してよぅ」
カズマ「う……あ、ああ。……こりゃシーツ、洗濯出さねえとなあ。
     流石に汚し過ぎだって怒られそうだぜ……」

……ごめん。ちょっとヒートアップし過ぎたな。ローカルルールに引っ掛からないよな?
でも、見えない所ではこれ位らぶらぶでも間違いではないと思うんだ。
また向こうに投下しに行くかな。



520 :それも名無しだ :2008/04/28(月) 01:36:50 LdQnGHRB
わ、わっふる…わっふる…



521 :それも名無しだ :2008/04/28(月) 12:59:41 DVCZ8zcQ
ば ばんざい! 万歳! ばっバンザイ!

ばんざぁぁぁぁぁぁい!



522 :それも名無しだ :2008/04/28(月) 17:06:14 T9SGq6mi
カズマさん、さっきレギュレイトさんとアプリカントさんがビデオカメラ持って風呂と部屋の前にいましたよ



523 :それも名無しだ :2008/04/28(月) 19:32:03 +KTXFCYH
キャレットにカメラ仕込めば盗撮などお手の物です





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524 :それも名無しだ :2008/04/28(月) 19:41:59 dKItkbBa
流れはあえて読まないで。


一応データベースというかインファレンスがメイン? なので。こ、ここってデータベース総合だよね?
ちなみに>>335からの一応続きになります。よければどうぞ。




◇  ◇  ◇


「ところでさ、カズマとお兄ちゃんってどっちが強いの?」

 パリン。
 割れた。何が、ではない。インファレンスの握るコップが割れたのだ。握力で。
 ここはザ・データベースの本拠地。何所かだと明言しないのは別段明確な資料があるか
らではない。
 必要ならば便宜上ヴァルアルムの内部だとしよう。そうだ、そうしておこう。
 というわけでヴァルアルム内部の食堂にて、微妙な空気が生まれていた。
 それは勿論アリアの言った割とKY(今風な言い方)な発言が原因なのだが、それを言
ったアリアは気付かずに料理をもっちゃもっちゃと食っていた。
 時折「あ、これカズマのところのほうが味付け好みかも」などと呟きアプリカントの微
妙なライバル心を煽るのも忘れない。無自覚に。
 さておいてインファレンスである。ヴァルストークファミリーに倣い、彼らもある程度
を実体をもった姿で生活するよう心掛け始めた。この食事もその一環である。その中で、
インファレンスは俯き表情を隠していた。アプリカントはやっちゃったみたいな表情で、
レギュレイトはのほほんと食事を口に運ぶ。
 ちなみにクリティックはちびディセイバー達の食事を見ているために今はこの場にはい
ない。
 さて、このままであれば特に進展もなかった筈だ。アリアがインファレンスの様子に気
づき、手、大丈夫? とでも聞けば終わりだった。
 しかして今日のアリアは殊更に空気が読めなかったのだ。
「でもさ、強いのはお兄ちゃんだよね」
 家族を擁護するような言葉ではあったが、インファレンスは喜んだ。喜んで面を上げ、
「か、カズマは馬鹿だから、その。私が守ってあげるしねー……なーんて」
 その形相を憤怒に変えた。
 アプリカントは一つ溜息をついてからテーブルの上に置いた料理を持ち、別室の机へと
持っていく。レギュレイトもしたり顔でそれに追従し、「すまん、遅れた」とはいってき
たクリティックに対し笑顔のまま小さく頷く。
 その頷きと室内の空気で全てを理解したクリティックもまた、料理の皿をもちあげた。
「あ、持ってかないでよ」
 と抗議するアリアは無論スルー。
 無事殆どの料理を運び出し、「え、なんでなんで?」とうろたえるアリアをおいて、気
の抜ける音とともに扉が閉じる。
 同時に。

「カズマの野郎なんざ雑魚に決まってんだろおおおおおがああああああ! 守る価値もあ
りゃしねぇえぇぇぇ!」

 インファレンスの叫びが扉の向こうから木霊する。アリアの悲鳴も、また同時に。
 大人三人は三人、同時にハァとため息ついた。
「……そろそろ限界かしら」
「何がだ?」
「カズマとの再戦よ」
 ふむ、とアプリカントが呻く。インファレンスはあの時カズマ達に負けた。今は家族同
然だが、たまに癇癪を起す程までに仲がいい。
 カズマの方が強い、とはインファレンスも心の何所かではわかってるのだろう。だが、
強さなど単純に測れるものではない。あのようにアリアがちゃかす形に言葉を出せば、内
容はともかく彼の自尊心を傷つける。だが、無理に触れないようにすれば、それもまた気
づく。
 ある種多感な時期なのだ。億の時間を生きても、感情が芽生えたのが最近であればしよ
うのない話だ。
 一度、決着をつけさせた方がすっきりするかもしれない。しかしそれに反論するように
、クリティックが口を開いた。
「無謀、だろう」
「それはどっちにとってかしら」
「カズマ・アーディガンだ」
 即答。アプリカントの表情が少しだけ歪む。
「確かにカズマ・アーディガンは強い。我々にない力を持っている。それは数値では測れ
ない」
 クリティックとは批評家。彼の言葉は常に、というほどでもないが、彼の視点とは違う
第三の観点から物を語る。
「結束させる、力か」
「そうだ。カズマ・アーディガンの操縦技術は確かに素晴しいだろう。だが、それ以上に
他者を引っ張り、まとめあげる力が強い」
 その力を見誤ったからこそ、我々は負けたのだ。クリティックはそう言って言葉を区切
った。
 先も言ったとおりカズマの技量は低くはない。水準は、無論軽く超えているだろう。
 だがインファレンスの技術は、水準を遙かに超える高さにある。
 データベースは比喩ではなく全世界を回った。この世界は、宙の枠組みを超えて、の意
味である。
 その中をある時は戦い続けてきたデータベースの中にはありとあらゆる戦闘技術が記録
されている。それはインファレンスの中にも存在している。マトリックスを想像するのが
、一番わかりやすいだろう。
「あの時負けたのは結束の力があったから、か」
「それだけが原因ではないがな」
 アプリカントの言葉をまた否定するようにクリティックは言った。眉間に皺が寄るが、
それもクリティックの仕事だ。
 二人を楽しい様子で見ながらも、レギュレイトはやっぱり、と口を開く。
「それならそれで戦わせていいのでは? カズマに圧勝して……ああ、それじゃ駄目なん
ですね」
「そうだ」
 難しい問題なのだ。カズマが簡単に負ければ、インファレンスの気が済まない。最悪で
も善戦をしてほしい、というのが望みだ。
 クリティックの言葉ではカズマとインファレンスの技術には開きがある、という。そう
なのだとしたら、難しい。
 だが——それに、アプリカントは笑った。
「やはり、まだまだだな」
「?」
 首を捻るクリティックに、アプリカントは笑って見せた。
「難しく考えていたが、そうか。クリティック、お前の見解がそうならば、危惧した状況
にはならんだろう」
 やらせてみるか。アプリカントはそう断言した。

「無理」
「あの、無理です」
「無理でしょうねぇ」
「無理無理、無理ね」
「むりデスカネ」
 即答だった。アーディガンファミリーは全員が全員そういった後にばたばたとそれぞれ
の仕事に戻っていく。
 その様子には流石のアプリカントも愕然とした。なんだこのチームワークは。いや、そ
れにしたって無理とは。しかしまだ答えてない人間がいる。シホミだ。彼女はいつもの通
り頬に手を当てながら、悩んだ様子もなく言い切った。
「却下です」
 変わらなかった。というより他の面子よりも酷い。断定だった。
 アプリカントはしかしだな、と頭を掻きながら何とか交渉の糸口を探る。
「何も本気でやりあうわけじゃない。ヴァルホークが故障するなら無論修理もこちらが持
とう」
「却下です」
「これはカズマのスキルアップにも繋がるぞ。いい経験になるはずだ」
「却下です」
「……インファレンスも大分たまっててな、正式に一対一で戦いたいと言っている。奴の
男気を私は」
「却下です」
「…………なぁ、シホミ」
「なんですか?」
 ピシャリと、はねつけるようにシホミはいう。笑顔のままなのがまた恐ろしい。
「頼む。結構頻繁になってきてるんだ、あいつの癇癪」
「お願いならばなおの事なんですけど。却下」
「お願いではない。これは正式な交渉だと思って私は臨んでる。家族のことだか……どう
した?」
「いえ、失礼しました」
 コホン、とひとつ前置きをしてからシホミは続ける。
「前に手伝って貰いましたから、こちらの状況はわかっているかと」
「う、うむ」
「まず偽情報に踊らされたのを機に色々とこちらも防衛線を張りまして、そこから幾許か
資金が」
「……うむ」
「更にですね。あの戦闘によりヴァルホークがかなり甚大な被害を受けまして」
「な、ならフィーニスを貸そう。カズマの腕ならば……」
「変形機構もありますからトーラスを使わせてます。ずいぶんカスタマイズしてるみたい
なので、愛着も出てるようですね」
「いや、だからだな」
「大分いじったみたいなので劣化版ヴァルホークといった具合に仕上げたようで。それ以
外の機体には出来るなら……だそうです」
 パイロットにとって”慣れ”ほど重要なものはない。カズマの場合はヴァルホークが正
に唯一の機体だ。だがあえてトーラスがほしい、前々から考えていた、とカズマが進言し
てきたのだという。
「この世に絶対はない。カズマはここ最近かなり勉強してきました。ヴァルホークもまた
そうです。だからこそ予備の機体を用意してる」
「そ、そうか」
「慣れないトーラスだったようですが、すぐに操縦できるようになりました」
「ま、まぁ奴の技術なら、そうだろうな」
「そこで——また、違う機体を、と? まぁ、カズマならやれると信じてますが」
「なんならトーラスでも構わんぞ」

 開眼。

「——————すみません」
「いえ」
 目を閉じた。一瞬過去のユウミか、それ以上のプレッシャーを受けたアプリカントの背
には汗がぶわりと湧いていた。
「し、しかしあれだぞ。カズマもインファレンスと戦うことでまた一つ新たな扉を……」
「先も言いましたがヴァルホークが修理中です。却下」
「な、ならうちで修理を持とう。さっきも言ったとおり、戦闘で破損したのも直す!」
「資金繰りが大変でして。ああ、別にそちらからもらおうというつもりは一切ありません
よ? 我々は我々。家族といえど線引きがありますから。却下」
「ぐ、ぬ……そうだな、仕事だ。本格的に手伝おう」
「ですがこちらにも信用というものがあるので。却下」
「ディセイバー達もフル動員だ! どうだ、これなら」
「アプリカントさん。人を動かせばいいというものではないのですよ? 無理ですね」
 無理に変わった。もう一押しだとアプリカントは笑——
 ——乗せられている。しかし、わかっているというのにアプリカントの口は動いた。動
いてしまった。
「安心しろ、報酬は全てそちらにまわ」
 止まった。止めた。意志の力で全力をもって止めた。しかし、引き出されたのだ。その
証拠に、ニヤリとシホミの口元が釣り上った。
「いや、まて今のは」
「聞いた? 皆」
 その一言で、その場にいなかった筈のヴァルストークファミリーが、がらりと顔を出し
た。全員笑みである。
「ええ、もちろんですよ社長。聞きましたとも」
 ホリスもしたり顔で笑う。普段からのにやけ顔からは漂ってこない、してやった感があ
る。
「今まで手伝ってもらっても報酬は分けてたからねー。いや、ほら、家族との線引きもあ
るからさー」
 やはりアカネも笑顔だ。天真爛漫、というべき笑顔は、微妙に欲に染まって見えるのは
なぜだろう。
「デスガ今ノハびじねすデスカラ。あぷりかんとサンハ交渉ノてーぶるニ座ッテマシタカ
ラネ」
 何故だろう。キャレットの顔も笑っているように見える。ロボなのに。
「ところでお兄ちゃん、大丈夫? 私乗れないけど」
 ミヒロもわかっていたのか、それでも少しだけ申し訳なさそうに言う。それに応と答え
るカズマは、満面の笑みだ。
「ったりめーだろ。再戦? 断るわけないっての。いやぁ、問題もあったけど解決したし
なぁ〜」
「ぐ、ぬ……」
 アプリカントの表情が激しく歪む。踊らされた、踊らされていたのだ。あの一瞬で全て
が決まっていたのだ。
 そんな様子をわかっているのだろうが、無視してシホミは艶美に微笑んだ。

「さてアプリカントさん……交渉の続きと行きましょうか」

「絶対に勝て」
 憤怒に燃える、といっていいだろう。アプリカントの表情は険しかった——珍しく仮面
をかぶっているのに、である。これに戸惑ったのは勿論インファレンスだ。いや、確かに
戦いたいとは思っていたが、まさかこんなことになるとは。
 驚いていたのはアリアも同じ。思わず口を開いた。
「あ、あの、お父さん……その、仮面は?」
「戒めだ」
 短くアプリカントは切り捨てる。
「甘かった。甘く見ていた。そうだ、奴らも常に先を行っているのだ。私たちの成長は、
早かった」
 グッと拳を握り締める。なんというか辛酸をこれでもか! というほどに舐めたという
口調で、アプリカントは顔を下げた。
「それに合わせてヴァルストークの面々が成長してない、などということはなかった。あ
れで終わりではないのだ!」
「お、親父?」
「インファレエエエエエエエエエンス!」
「は、はい!?」
 勢いよく顔をあげたアプリカントは、そのままとてつもない勢いでインファレンスの両
肩に手を乗せる。衝撃も合わせ、さらに父親がこのように激昂する姿などろくに見たこと
もなかったインファレンスは、ただただ慄いた。
「いいか、勝てよ、絶対勝てよ。あの高慢ちきの鼻をへし折ってやれ……ディセイバー達
は!」
「裏切りが出ている」
「はい?」
 唐突なアプリカントのセリフに、やはり唐突に登場したクリティックが答えた。
 裏切り? ディセイバーが? 何で?
「何人かがカズマ・アーディガンの応援幕を作っている。インファレンスの分も無論ある
が、しかし数はどっこいといった所か」
「ぬぅ……」
 こけた。ただこけた。
 わかったのだ。そう、この瞬間インファレンスは確かに理解した。
(最初は俺の願いっつーか欝憤みたいなもんを晴らそうとしてくれてたんだろうよ)
 ところがシホミ、というかヴァルストークファミリーにいいように使われたのだ。自分
が今度地球に降りて仕事をすることになったのも、その一環だ。
 他にもディセイバー達が仕事に駆り出されたり、アプリカント自身も動いたりすること
になっている。ノーギャラで。
 ノーギャラ。確かにザ・データベースは様々な知識を保管してある。しかし今いるのは
地球圏なのだ。
 強奪もできない。資金繰りは、なんだかんだで厳しいのだ。そこをノーギャラ。ぶっち
ゃけた話、涙も出ない。
「負けるなよ」
 アプリカントはいう。コテンパンにのしてやれ、と。
 インファレンスは笑うしかなかった。


「どうする」
『どうするってお前な』
 たまらずインファレンスは秘匿通信を開き連絡をとった。勿論相手はカズマである。
 対戦相手に愚の骨頂、とも言えるかもしれないが、しかしこの時インファレンスに頼れ
そうなのはカズマだけであった。
 生きた時間はインファレンスの方が長いだろう。しかし、インファレンスは心の何所か
でカズマを兄のようなものだと感じていた。
 だからこそ彼に頼った。頼ってみると、すっと心が軽くなるのを感じる。
『っつか俺も困惑してる。普通にお前とのケリつけるだけかと思ったんだけどな……』
 それだけは楽しみにしてたんだ、と、カズマが言う。嬉しかった。インファレンスはた
だ単純にそれが嬉しかった。
『あの時勝てたのは勢いもあるし、皆の力もあってこそだ。俺一人の力じゃねーよ』
「……だからって、俺に簡単に負けるとも思ってないんだろ?」
『当然』
 ニッ、とふてぶてしく笑ってみせるカズマに、インファレンスは同じような笑みを返し
た。
 ああ、畜生。こんなん関係なしで喧嘩をしてみたいと、インファレンスはずっと思って
いた。
 認めてしまえばいい。カズマを兄だと思っている。本心だ、本心だからこそ、カズマと
戦いたい。あの時はまさに世界規模の兄弟喧嘩だった。そういえば、カズマはその通りと
笑ってみせる。
 だから今度は、普通の喧嘩だ。兄弟喧嘩だ。
『ただその方法が機体を使うってだけだ。なぁ?』
「世界規模からだいぶランクが下がったな」
『言っとけ』
 そういって笑いあえるのに、周囲はどんどんと盛り上がる。最初に燃えていたのはイン
ファレンスだが、今は周りの方が熱い。
「っていうか親父がよ……なんつーか、こう」
『ああ、あれはな……聞けよインファレンス。そっちの動き、実はな、シホミねぇの読み
通りなんだ』
 は? と呆けた表情を見せれば、カズマも戦々恐々とした様子で腕を組んでいる。
『アプリカントがでかい会場をっつったときシホミねぇ即答したろ。GGGに話通してた
んだよ』
「なんとまぁ……」
『非合法だけど賭博みたいなのも成立しててな。なんつーか、もう、酷い』
 自分だけではなくカズマのモチベーションも下がっているのか、とインファレンスは肩
を落とし——


『でもまぁ、そんなの関係ねぇけどな』


 顔を、あげた。
『へへ、こういうとよ、生意気に感じるかもしんねぇけど実はすげぇ嬉しいんだ。俺さ、
男の兄弟っていねぇだろ?』
「ああ……」
『だからよ、こうやってお前と、なんつーか無駄に盛り上がってるけど喧嘩出来るっての
は嬉しいんだ』
「……ああ」
『お前の方が生きてる時間長いけどさ、でも俺。お前と兄弟だって思ってるからよ』
「…………ああ」
 ああ、畜生め。
『兄貴ってか、弟かね?』
「だろうな」
 苦笑いが浮かんでしまう。だけど、涙も出てしまう。それだけは必死に隠して、インフ
ァレンスは笑った。
『いいか? 本気でやるからな? 泣くんじゃねーぞ?』
 弟に、諭すようにカズマは言った。喧嘩の前に相談するなんて、そんなのは聞いたこと
がない。
 だったら自分たちが最初になればいいんだ。
 実力をはっきりさせたいとか、そういうのも勿論ある。アリアにいいところを見せたい
とか、アプリカント達に一人前だというところを見せつけてやりたいとか。だけどそれ以
上に——ああ、畜生と。インファレンスはやはり、笑う。
「こっちの台詞だ、ばーか」
 カズマ、お前、俺の事弟見たいっていいやがったな。畜生め。


 俺も兄貴みたいだって思ってんだよ。ばーか。


『正々堂々とー、戦うことをー』
 長ったらしい演説が終わり、やっとか、と溜息をつく。
 今自分が乗ってる機体はサピエンティアではなくアルムアルクス・フィーニスだ。
 しかし量産機の枠を超えるようなカスタムを加えた、まさに自分のための機体。オリジ
ナルにも劣らぬ性能になっただろうという確信がある。
 相対するのはヴァルホーク。カズマの乗る、あいつの使う、最高の機体。
 周りを見れば幕がある。自分の名前が書いてあるのもあれば、カズマを応援するものも
ある。
 更に自分と戦った相手もいる。ノイヴェルターの面々だ……それ以外にも、たくさんの
人がいる。なんて派手な喧嘩になっちまったんだか、と自分を笑うように……それでも楽
しそうに笑っている自分に気づく。
「行くぜ……カズマ」
 答える声はない。答える声はない。
 それでも、それでもだ。カズマの乗るヴァルホークは、答えるように構えたのだ。
 それが嬉しくて、どうしようもなく嬉しくて、——ただ、こちらも構える。同じく、答
えるように。

「カズマアアアアアアアアアアアアアア!」

 きっと、あいつも叫んでるだろう。俺の名を。

 だからインファレンスも、答えるように、負けぬように、咆えた。
 ほぼ同時に、両者の機体ははじけるように動いた。

 そして、交差————


 その戦いの結果は、それを見た人間なら勿論知っている。
 知らない人間は、それでも——

 機体が動かなくなった後も、そこから飛び降りて二人で殴りあったのか、ボロボロな二
人の姿なら、知っている。
 勝負がよくわからないままに終わり、大宴会になったことなら、知っている。


 その日からインファレンスがカズマを兄貴、と、照れくさそうに呼び始めた事くらいな
ら、知っている。



◇  ◇  ◇


526 :それも名無しだ :2008/04/28(月) 19:51:49 G4ahPXCg
>>524
こいつは……GJだ!
それもGood Jobだけじゃない、God Jobだ!!



527 :それも名無しだ :2008/04/28(月) 21:42:40 U4SR0rVJ
>>524
か、神だ! GJだ!

この世界に神はいたんだ!



528 :それも名無しだ :2008/04/28(月) 23:30:27 fbgTPy2/
>>524
ばんざぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!万歳っ!万歳っ!ばんざぁぁぁぁぁぁぁい!



529 :それも名無しだ :2008/04/29(火) 00:56:20 mHpQafBH
>>524! >>524!

ばんざぁぁぁぁぁぁぁいぃぃぃ!!



530 :それも名無しだ :2008/04/29(火) 02:51:50 10JzaFN+
噛みました、じゃない神は居た!
>>524、超GJだ!





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531 :それも名無しだ :2008/04/29(火) 15:59:04 0l7w2KR5
ほめられると調子に乗るので褒めないでっ。
あとすぱろぐを見たら掲載されていたクリティック短編が終わってなかったので急いで書き上げました。
趣味爆発のオリキャラまで出てくる始末ですが一応クリティックメイン。


本気で趣味爆発で調子のった文章です。




◇  ◇  ◇


 これは昔の話。ではあるが、クリティックは二度と忘れないだろう。それ程深くに仕舞
い込んだ知識、ではなく、記憶。
 データベースから情報を引き出していたクリティックは偶然にもそれを見つけた。
 C惑星。便宜上、そう呼ばれた惑星でのクリティックが残した記録。それを見るだけで
、クリティックは過去を鮮明に思い出した。


  *  *  *


 ——ザ、ザザ————

『クリティックが堕ちた!』
「何だと?」
『宇宙海賊だ。輸送船だったためにまともに交戦出来なかったらしい!』
「なんだそりゃ! 海賊どもは!」
『逃げた! 無論追い回すがまずはクリティックが先決だ!』
 ——ザザ——
『座標、近くの座標どこよっ!」
 ————ザッ——
『何やってんだ! 落ち着けアリア! ちびディセイバーはまだ子供だ! 聞いてもわか
るわけがないだろう!』
『でも、でもクリティックが!』
「落ち着けお前等! いいか、まずやるべき事は———」

 ザ——ザ—ザザザ——


・墜落一日目

 ミスをした。未確認の敵との遭遇。宇宙海賊と推測。物資の運搬中だったためろくな戦
闘もできず撃墜。近くに存在した惑星に着陸したが、厄介な事になった。食糧が四日分し
か残っていない。ここに存在するのは私だけ故に問題はないかもしれないが、救難信号を
出したところで本体が情報を拾うには時間がかかるだろう。
 見っとも無く暴れるのも一興かもしれなかったが、冷静に食糧を計算。この体を保つた
めに必要なカロリーを計算すれば、一週間と三日は持つと推測。輸送艦の端末は殆ど死ん
でいたために惑星の情報を掴めないのが痛手ではある。しかし何とかなるだろうと判断。
 軽い考え方はヴァルストークファミリーに影響されたものだろうか。厄介なものではあ
るが、不思議と嫌味は感じない。理解不能。
 初日という事で拠点を構える事に終始する。明日からは墜落した船を拠点として周囲の
散策に向かうことにする。あまり動かないようにスリープモードへ。こういうとき、作り
物は楽であると思うが——ヴァルストークファミリーはそれを否定する。理解不能。


・墜落三日目

 どうやら環境としては地球に近しい事が判明。詳しい生態を調べてない可能性があるの
で逐一チェックを取る。毒草も多くはないが中々に見分けが難しい。やはりデータベース
にアクセス出来ないのが大きい。自身のデータもやはり早急に増やす必要があるというこ
とか。クリティック迂闊。
 …………今後この台詞を、最悪自身の口から出さないように留意。体内データに保存。
最重要項目に認定。食糧の確保は難しそうではあるが、川を発見。水質も問題なし。毒素
も発見されなかったので、重要な水源になるだろう。
 しかし不気味にも思う。先日も思ったが、この星から生体反応を感じない。動物も、そ
して虫すらも見かけないとは流石に異常か。しかし碌に機械の生きてない状態では完全な
把握は不可能。調査を断念。この地域に極端に生体がいないと考える方が自然か。いや、
しかし。結論は出ず。保留。明日は危険かもしれないがもう少々散策範囲を増やす事を決
定。食糧の状態は問題ない。順調であるといえる。


・墜落四日目

 生体反応を確認。
 子供を四人拾った。


 ザ————

「奴隷商人?」
『みてぇだな。ったく、先に見つけたくない連中を見つけちまったぜ』
「そういうな。そっから座標を割り出せるって思っとけ。で、救難信号は?」
『拾えないの。電波障害が酷いみたいで』
「みたい?」
『ああ、ちと厄介だな。ノイズの除去が面倒だ。というより、この宙域の情報は全部まと
めた筈なんだがな』
『観測結果が前と違ってるの。何かに合わせてるみたい』
「……面倒な予感がするな。こっちの仕事も何とか落ち着いたし、俺もそっちに向かう」
『悪いなカズマ。そっちも忙しいのはわかってんだが』
「家族の事だろ。気にすんな」

 ——ザザ、ザ————


・墜落四日目 2

 回収した子供に便宜上名をつける。個体AからDまでを割り振る。男がA、B。女がC
、D。怪我をしており衰弱もしている。装着している衣服も破損が酷く布切れに等しい。
本来ならば見捨てるべきなのだろうが、何故か回収してしまった。周囲を更に調べれば個
体が乗っていたであろう機体の残骸を発見。食糧は発見できず。どうやら独房のようであ
る。そうなると推測されるのが、我々を撃墜したのが人身販売に手を染めていたという事
実。
 我々もただやられるだけではなかったため、こちらの反撃で恐らく落ちたのだろう。回
収したのはその負い目からもある。しかしわざわざ負い目を感じてしまうとは思ってもい
なかった。
 兎角一番怪我の酷かったDの治療を優先する。簡易救急道具しかなかったが、やらない
よりはマシだろう。ここで問題になるのがやはり食糧問題ではあるが、極力動かなければ
あと二週間程度ならば持つ。
 私はいつこのような博愛精神に目覚めたのか。理解不能。

・墜落五日目

 個体が目を覚ます。便宜上Aと名付けた少年がこちらを警戒。当然の事なので特に問題
なく対処する。
 ・まず敵対する意思がないことを宣言。
 ・こちらが撃墜されたというを説明。
 ・食糧が少ないということを確認。
 以上を簡略に話す。しかしそれでも敵対的な行動をとろうとしている。理解不能。
 この状況において敵対するという行為は無駄以外の何物でもない。排除するかとも考え
たが、個体CがAを宥め始めた。興味深いものだったので録音。音声再生。
「なんだよ! なんだよおまえ!」
「このおじさま、めがちがうよ」
「はぁ!?」
「だってちがうもん。わたしたちを、へんなめでみてないよ」
「なんでそんなのわかるんだよ!」
「わかるよ」
 再生終了。この個体Cの一言でAは私の眼を暫し見つめ、納得した。他にいたBとDも
同じく納得する。何を見て納得したのかはわからないが協力を促す。個体名のままでは不
便なので名前を問うと、”ない”と返答が返ってきた。
 呼び名がなければ有事の際に問題になる。先ほどつけた便宜上の名をそのまま伝える。
ここでもよくわからない反応が返ってきた。音声再開。
「俺が、エイ、え、エイン?」
「僕がビィですか」
「シイ……詩唯?」
「……私……ディー……」
 再生終了。何故か嬉しそうに自分の名前を呟く個体たち。それを問えば数字で呼ばれて
いたのだという。便宜上の名も数字と似たようなものだが、喜ぶ個体に言葉を告ぐ事がで
きず断念。理解不能。何故か言葉に詰まってしまった。
 いくつか情報交換をしたのちに個体に限界が来たのか空腹を訴える。食糧が少ないこと
は理解していたが、この年齢の個体が耐えられるとは思えない。幾許か多めに食糧を提供
する。私は動作さえ制限すれば何も摂取せずとも多少は持つ。単なる固形食なのだが個体
等は予想を超える喜びを見せた。やはり理解不能。とにかく、今すぐにでも食糧が必要だ
ろう。摂取可能な植物を探さなければ。


・墜落六日目

 個体Bが寒さを訴える。確かに夜は冷える、毛布を被るとはいえ布きれのみをまとって
いては問題があるだろう。何とかしなければならない。夜までに用意する旨を伝えて食糧
を探しに行く。探索開始。やはり我々以外の生物を見つけることが出来ない。風も強くな
っている感覚がある。森全体が何かを訴えかけてきているようだが、掌握不可。環境が不
安定になってきている事だけは確認。
 今日も食糧は見つからない。残るのは缶詰といくつかの固形食のみ。水の確保は終了し
ているので、今日は缶詰を食べさせることにする。食事の際に個体Cがこちらを気遣うよ
うな様子を見せたが、問題のないことを説明する。正確には人間ではないことを説明する
と個体等は一往に表情を変えたが、それでも私と行動を共にすることを改めて告げた。理
解不能。胸の内に何か温かいものが集まった感覚がある——空腹が紛れたと思うのは、や
はり気のせいだろうか。
 個体Aの様子はだいぶいいようだ。Bは未だに疲労が多く、Cも同様。Dは怪我の様子
が少々気になるが、安静にしている分には問題ないだろう。
 彼らのための衣類を用意しようとしたが、服を作る機能など私は持っていない。小型デ
ィセイバーの衣類も機械に任せている。見よう見まねで何とか作ったがあまりにも不格好
。廃棄しようとしたが、個体等はそれを着たいとせがんだ。色合いも大きさも不格好では
あるが、個体等は口々に温かいと言った。理解は、出来ない。


・撃墜七日目

 個体Aの調子がおかしい。問えば、先日の散策についてきたのだという。一番体力の回
復が早かった個体Aは私を手伝おうとしたらしい。しかし適材適所の事は無論教えてあっ
たし、知識もないのに危険な事をするのは良くない。厳重に叱る。
 個体Dの怪我も少々厳しい。早急に救難信号を受けている事を祈る。


 ——ザザ——ザ——ザ

『救難信号を見つけたが、やべぇ。距離が遠い!』
「ヴァルホークで全速で飛ばす! 位置は!」
『頼む。あと気をつけろ。この宙域、つーか救難信号をキャッチした惑星、なんかやばい
ぞ』
「? どういうことだよ」
『親父の話だとあそこからは生体反応が一切見当たらなかったらしい』
「はぁ?」
『要するに生き物がいないってことだ。だけど惑星としては機能してるし、植物とか、そ
ういうのもいっぱいある』
「それで生き物がいないってのは変な話じゃ……」
『そうなんだ。んで、昔そこにサンプルを出したことがある。記録が出てきた、その結果』

 ザ——ザ、ザ——


・撃墜八日目

 最悪の事態になった。
 個体Aが何かを食べたらしく、その影響で腹痛を訴えている。ただの腹痛でないことは
容易に知れた。吐瀉物の中からいくつか分析してみると、私の中にある情報に引っかかる
微生物が見つかる。これは専門の施設がなければ除去ができない。ここにデータベースの
母艦があるのならば除去は可能だが、この場では不可能だ。救難信号を受けた本体がこち
らに救援に来ることを切に望む。
 しかし何故こんな事をしたのか、と問えば、私が何も食べていないからだという。
 自分が食べても大丈夫ならば、私が食べても問題はないだろうと。この個体は、私のた
めに”危険”と何度も言った行為を繰り返したのだ。愚かな事だ。無駄であり、意味のな
い。だが——何なのだ。これは。他の個体は食べてない事を確認。個体Aの簡易治療に移
る。間に合えばいい。

 ——ピッ。
「ごめん、ごめんなさい。おれ、おれ、たすけになりたくて」
「喋るな。静かにしろ」
「だっておじさん、なにもたべてないんだもん。だからおれ……」
「黙っていろ。頼む、ゆっくりと安静にしているんだ、動くな」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
「……頼む、エイン。目を閉じて、眠るんだ」
 ピッ——。


『あの星は外からの侵略を拒むんだ』
「なんだって?」
『惑星にある食べれそうな植物は殆ど毒性を持ってんだ。しかも微生物とか、そういった
もんまである。あそこは人が生きる環境じゃないんだ』

・撃墜八日目 2


 個体Aの生体活動が停止した。

「今日で八日目か。クリティック一人なら……」
『何とかなってるだろうか急ぐべきだぜ。あの星、侵略を拒むって言ったろ。——原理は
わからんが、淘汰するために地表が荒れるぞ』
「なんだそりゃっ! んじゃ殊更にいそがねぇと……っ!」
『ありえないとは思うが母艦もそっちに動かしてる! 俺も行くが、回収したらヴァルア
ルムにつれてってくれ!』
「わかった!」


・撃墜九日目

 個体Aの躯を土に埋める。他の個体は泣いているが、水分の無駄だ。泣きやむように言
う。
 それにしてもおかしい。寒い、寒すぎるのだ。まだ太陽に似た星が空にあるというのに
、まるで夜のように寒い。嫌な予感が頭を過る。まるで我々がここにいるのを否定するか
のような……そういった惑星があったのだと、データベースには情報があったはずだ。な
らばこの惑星がそうだというのか。だとしたら最悪だ。拠点の中に籠り、救助を待つしか
ない。
 個体Dが寒さを訴える。この寒さは傷に響く。私の分の毛布を分け与える。これでいい
だろう。ここで私の活動にも限界が見え始める。挙動に問題あり。動き回るのも危険のよ
うだ。時間は早いが個体等に暫しスリープモードに入ることを伝え——————————
 ———————————————————————————————————————
 ———————————————————————————————————————
 ———————————————————————————————————————
 ———————————————————————————————————————


・撃墜十日目

 個体Dの生体反応が消えていた。凍死。傷が化膿し、更に血液を失った寒さによって。
 その代り私の体に毛布が掛かっていた。理由を問えば、個体Cが答える。音声再生。
「ディーちゃんがね、もうね、だめだっていったの」
「馬鹿な。だからといって私に毛布をかける必要はない。私はスリープモードに入ると言
った」
「でもさむそうだって。ディーちゃんが、おじさまにありがとうって」
「感謝を言われる必要などない」
「でもわたしたち、こんなふうにやさしくしてもらったことないから。だから、うれしか
ったの。だから、ディーちゃんさいごまで、ありがとうって」
 再生終了。
 理解不能、理解不能、理解不能理解不能理解不能理解不能!!
 何故この個体等は自らの身を捨てるような事をする。まだ生き残れる可能性があったと
いうのに、何故それを放棄する! 理解できない。全く理解できない。優しくされたこと
がなかっただと? 年長の者が子を優先するのは当然の事だ。それがなかっただと?
 そこまで考えて気づいた。個体Bの姿がない。まさかと思い鈍い体を動かして外に出る
。雨が降っていた。まるで体を凍らせるかのような雨が降っている。その中に個体Bが倒
れていた。その手には何かの植物が握られている。
 聞けば自分の故郷で食べた事のあるものと酷似しているのだという。馬鹿な。個体Bも
そこまで体力があったわけではないというのに。
 何を、いったい何をしているのだ。
 理由を問えば自分が男だから等と、そのような理由で、外に出て、あるという確定のな
いものを探しに行く理由が、どこに、あると。
 個体Bの行動を無駄にすることはできない。私は即座にその植物を調べる。毒性はない
。微生物も存在しない。これは、食糧だ。毛布に包らせた個体Bに確認を取る。
 しかしその時点で既に、個体Bの生体活動は停止していた。

 ————ピッ。

「食べろ」
「だめ、だよ。おじさまが、たべないと。おじさま、なにもたべて……」
「私はまだ動ける。個体C。お前は動けるのか? 動けないのならば食べろ。食べて、体
力を回復させろ。一人よりも二人の方が効率がいい。動ける人間が大いに越したことはな
い」
「おじさま……」
「食べるんだ。問題はない。個体Bが見つけた食糧だ」
「ビィくんは……」
「食べろ」
「……おじさま……」
「なんだ」
「おじさまの、て、とか、ね。おようふくとか、ね」
「その話はまた後日すればいい。食べろ」
「あったかいって、ね……みんなで……」
「頼む……頼む、食べてくれC。頼む、お願いだ」
「おじさま……おとうさんみたいだ……って…………」

 ——————ピッ。

「クリティック!!」
 叫ぶ。カズマはただ只管に叫んだ。指定の惑星になんとか辿りついたカズマではあった
が、その状況に身震いした。
 恐怖は勿論、だがそれ以上に寒気がありえない程に充満している。あと少しでも遅れて
いれば、ここは人が生存できる程の場所ではないだろう。
 一機墜落した輸送船を見つけたが、どうやらクリティックの搭乗していたものではない
ようだ。その瞬間に、カズマの頭に言いようの知れない恐怖が走る。
「クリティック! どこだ! いるなら返事をしろ! クリティ——」
「カズマ・アーディガン!!」
 聞こえた。
 クリティックの声だ、いつも揺らぐことのないクリティックの歪んだ声が、カズマの耳
に届いた。急いでヴァルホークを動かしカメラアイを動かす。
 はたして画面にうつったのはクリティックだった。クリティックだけではない。その手
に何か大きな毛布を——その中に、人が。
 カズマの血の気は、その瞬間確かに失せた。
 急いでハッチをあけ外に飛び出す。雨に晒されるが、そんなものは関係がない。
 クリティックの様子はひどいものだった。体中に傷ができ、頬はこけ、衣類も破れてい
る。だがその眼だけは爛々と輝いていた。掠れる声でクリティックはカズマに手元の毛布
を、そこに包った一人の少女を差し出す。
「この個体を先に。私はまだ持つ、故に」
「——ざっけんな! てめぇ、俺をなめてんじゃねぇよ!!」
 クリティックの言葉にカズマは激昂した。ふざけるな、自分はいいから、だと? ふざ
けるな、冗談じゃない!カズマは毛布にくるまった一人の少女をを受取り、そのままクリ
ティックの背を強く押した。
「何をするカズマ・アーディガン!」
「てめぇも行くんだよ!」
「馬鹿を言うな。ヴァルホークには確かに複座があるが、大人数が乗るものではない。私
が乗ることで重量が僅かにオーバーすれば、それだけで機体の制動は」
「やかましい! 言ったろ! てめぇ俺をなめんじゃ……いや、違うな。お前、俺達をな
めてんじゃねぇよ!」
 助けたいんだろうが! とカズマは叫んだ。背を押されながら、クリティックの言葉が
止まる。
「お前が守ってたんだろうが! 最後まで責任持て! てめぇも行くんだよ!」
「……カズマ・アーディガン……」
「なんだ!」
 クリティックを複座に押し込み、毛布を押しつけながらカズマは吼え——表情を固まら
せた。


「この子は、助かるか」
「助けるに決まってんだろ」
「三人死んだ」
「……それでもこの子は、守れたんだろ」
「私は、守られていた」
「…………お前も、守ってたんだ。おあいこだ」
「カズマ・アーディガン……」
「なんだよ」

 カズマは既にパイロット席に腰を下していた。クリティックの顔は見ない。彼のその表
情を、カズマはこれ以上見てはいけないと思ったからだ。


「この子を……、助けてくれ」

「——当たり前だ」


 嗚咽が混じってたなどとは勿論言わない。ただ、男の涙にこたえる方法を、カズマは背
中を向ける事しか知らなかった。
 ヴァルホークが跳躍する。必要以上に揺らさないように。惑星の重力から逃げるように
。一人の少女を助けるために。家族の願いを叶えるために。
 クリティックはただただ毛布の中にいる少女——個体C、少女自身は詩唯と名付けられ
たと思っている、その少女を抱きしめた。かさかさになった唇が僅かに動く。彼女は生き
ていた。

「おじさま……」
「何だ……?」
「おじさまのおようふくとね……おててが、あったかいの……」

 そういってCと呼ばれた少女は笑みを浮かべる。
 クリティックは涙を流すことでしか、彼女に答えられなかった。


  *  *  *


 服は暖かいものだと、今更ながらにクリティックは理解した。
 すでに個体Cはいない。彼女は既に回復し、GGGへと預けられている。地球にて、き
っと生活を送っているはずだ。
 自分の事は、覚えているだろうか。そんな事を考えながらクリティックは偶然開いてし
まったその記録を閉じ——そして一つ、点灯するランプを見つけた。
 それはメールの受信を報せる物で——


「あ、クリティック様だー」
「クリティックさまー、ごはんー」
 児童用の食堂に現れたクリティックは料理をのせた籠を押していた。料理は子供たち専
用の物で、それ用に調理されている。
 ちびディセイバー達はまだ不安定だ。ここから成長し、データベースの一員となってい
く。その教育を、すべてクリティックは任されていた。小さなディセイバー達が着込んで
いる服は、すべてクリティックが作ったものだ。あの時よりもずっとましなその服を見て
、クリティックは一つ思いを決める。
 と、そこにディセイバーfが何かを気づいたように小首を傾げた。
「クリティックさま?」
「どうした、ディセイバーf」
「何かたのしいこと、あったですか?」
「—————ああ」

 可能ならば、服を送ろう。あの時よりもずっとマシな、服を送ろう。
 彼女からのメールには、元気でやっていますよ、おじさま。と、簡単な内容が書かれて
いた。その末尾に、自分が名づけた名前を載せて。
 喜ぶだろうか、ああ、それとも——


「珍しいもんみたなぁ」
「お兄ちゃん? どうしたの?」
 呆けた様子にインファレンスに、アリアが声をかける。インファレンスの視線を追って
行けば、そこは児童食堂があった。いるのはちびディセイバー達とクリティックだけ。
 そこでアリアも驚いたように目を見開いた。ほんとだ、珍しい。などと思わず声をあげ
てしまう。否、珍しいというよりは——
「私初めて見たな」
「俺もだ」


 クリティックは僅かに口元を歪め、いつもの無愛想な表情はそこにはなく。
 彼の表情には確かに笑みが浮かんでいた。




◇  ◇  ◇



532 :それも名無しだ :2008/04/29(火) 16:52:50 zU5IvH88
GJ! 
感動した! 
ついでに俺の中でクリティックの評価がうなぎ登りだ。 
どうしてくれる



533 :それも名無しだ :2008/04/29(火) 17:30:56 MZ7UvrnX
GJ!!!
クリティックいい奴過ぎるじゃねえかウワァァァァァァン!!!



534 :それも名無しだ :2008/04/29(火) 19:58:05 a8vRgrbW
フ、俺の中で作者とクリティックの評価がうなぎのぼりだぜ・・・



535 :それも名無しだ :2008/04/29(火) 20:32:42 AFuJruF+
GJ! クリティック株上がりすぎて大変なことになってきた。



536 :それも名無しだ :2008/04/30(水) 04:02:57 iwD/eLrs
>>531
いいぞもっとやれ!



537 :それも名無しだ :2008/04/30(水) 07:01:06 ziyJ+cVn
GJだ!激しくGJだ!!
おかげでクリア出来なくなった。カッコイイよクリティック、カッコイイよ…



538 :それも名無しだ :2008/04/30(水) 11:42:26 xN7N29Cw
>>531
おま、俺の涙腺決壊させる気か……GJ、God Jobだよ!



539 :それも名無しだ :2008/04/30(水) 17:02:52 JeSsiGBJ
褒めないで?良いものを良いと言って何が悪い!!超GJ!!!



540 :それも名無しだ :2008/04/30(水) 22:35:10 JziiHMU1
なんていい話だ・・・涙腺が緩んじまったじゃねえか!!
超GJだ!!!


541 :それも名無しだ :2008/05/01(木) 06:57:09 rB+FFgzO
クリティック「………」(じー…)
ディセイバーC「…?…どうなさいました?何か付いてますか?」

クリティ「………」(近寄って、無言のまま見つめつづける)
ディセC「あの…クリティック様?」

クリティ「……─っ」(優しく包み込むようにハグ)
ディセC「っっ!?えっ?!えぇっっ??」

クリティ「……ん、すまなかった…」(解放し、何事も無かったかのように自室へ)
ディセC「???」(はてなマークいっぱいでゆでだこ状態)

ディセA「何があったのだ?」
ディセB「うむ。Cが朝から上の空でな。」
ディセC「…パパ…」




_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/



543 :それも名無しだ :2008/05/06(火) 02:52:18 x5bBhiEX
アリア「カズマ〜、このユニットはどこの?」
カズマ「それはアルクス用のアクチュエーターの部品だな。アリアの機体の関節部だ」
アリア「分かった。…にしても、よく把握してるわね。マニュアルも見ずにさ」
カズマ「機械弄りが得意って訳じゃないけど、ノウハウは出奔してた時に鍛えられたんだ。それが飯の種になってた時期だったからな」
アリア「何だか分からないけど、大変だったんだね」
カズマ「…まあ、荒れてたのさ。思い出したくないけど、同時に財産でもある。若気の至りって奴さ」

アリア「っ! 痛い!」
カズマ「! おい、アリア? どうしたんだ」
アリア「痛ったあ…先端に指引っ掛けちゃった」
カズマ「何!? って、何だ。もっとざっくり行ってるかと思ったけど、それ位か」
——ちゅう
アリア「ふえっ!?」
カズマ「……破傷風ってのは在り得ないと思うが、一応保険だ。そんな気にするな」
アリア「う、うん///」
—手当て中—
カズマ「取り合えず、消毒と絆創膏で問題ないだろう。…次はもっと注意してな」
アリア「あ、ありがとう…カズマ」
カズマ「妙にしおらしいな?気にされても俺としちゃ困るが」
アリア「無理、言わないでよ。カズマ、あたしに優しいんだもん」
カズマ「普通だと思うけどなあ」
アリア「意識…し過ぎかな」
カズマ「お前次第だ。…ま、お前も俺と同じ血の通った人間だって事は良く判ったぜ」
アリア「そりゃそうでしょ。あたしは、カズマなんだから」
カズマ「らしいな。…妙な気分だぜ。俺の別の可能性がアリアだってさ」
アリア「何が言いたいの?」
カズマ「いや…アリアが可愛い子で少しほっとしたってだけだけど」
アリア「!」
カズマ「別にナルシストって訳じゃないぜ?…それこそ説得力ないか」
アリア「か、カズマも!」
カズマ「俺が?何?」
アリア「あたしも、カズマの事は格好良いって、思ってるよ。お世辞抜きで」
カズマ「うう…っ!?」
アリア「///」
カズマ「……し、仕事に戻るか。な?」
アリア「うん。…変な事言って、ゴメン」
カズマ「いや、俺もな」



544 :それも名無しだ :2008/05/08(木) 11:14:07 QBZI3fJv
>>543
28282828282828



548 :それも名無しだ :2008/05/09(金) 02:22:31 q4q3QmOx
>>543
途中で乱入してきて「あなた達、そんなことして妊娠したらどうするんですか!」
って叫ぶレギュレイトママンが頭によぎった。
・・・・・・DBの人たちって博学なはずなのにな・・・・・・



549 :それも名無しだ :2008/05/09(金) 09:45:48 EuA0s2wN
知識はあっても、それを有効活用できないタイプの連中ばかりだからな…。



550 :それも名無しだ :2008/05/10(土) 01:03:01 ZdM9A8Hi
耳年増なんだな、つまり


553 :それも名無しだ :2008/05/14(水) 03:42:34 ngJQ59FB
今までの過去スレ全て漁った訳ではないから被ってるかもしれんが、
このスレでレギュママンや淫ファレンスがしょっちゅう使う欺体の中身は
凱と同じだという妄想がよぎったのだが、違うのだろうか?
(物を食っても単純に体内で燃焼されるだけ。ドラえもんのようにエネルギー化はしない)



554 :それも名無しだ :2008/05/14(水) 14:42:38 cohP05wU
個人的にはドラえもんのコピーロボット、EXEのコピーロイド、鰤市の義骸みたいな物だと思っている



556 :それも名無しだ :2008/05/15(木) 00:38:33 pOguZvmq
カズマ「あれ?レギュレイト髪にゴミが付いて…え?これファスナー?」
れぎゅ「…」       ドドド  ゴゴゴゴゴ
 ドドドドドドドド  ドド      ド       ゴゴゴゴ ゴゴゴゴ



557 :それも名無しだ :2008/05/15(木) 02:43:23 wwU1YjPk
め、めそだぁ!


559 :それも名無しだ :2008/05/16(金) 01:52:23 YkMrIx4g
ロボ チガウ ロボ チガウ



560 :それも名無しだ :2008/05/16(金) 12:18:59 o04OEsNP
アリア「キャレット…」
アプリ「何処をどう見ても」
レギュ「ロボですよねぇ〜」インファ「それ以外にどうみろと?」


キャレット「ウウ…クリティックサン…ワタシハ…ワタシハ…ウウ…」
クリテック「今日は良いオイルを用意した。だから今夜は飲み明かそうではないか…」



561 :それも名無しだ :2008/05/16(金) 15:38:19 nHSCRgNC
アリアの中身って機械?
それとも生物と同じで内臓とかあるのか?



562 :それも名無しだ :2008/05/16(金) 16:08:54 IRJp3sdx
>>561
カズマのライフデータを基に作られたから生身じゃね?



566 :それも名無しだ :2008/05/16(金) 21:34:35 Gl0apMN0
一言言いたい。
もしメカだったとしたら、揺れるほどの胸って正直邪魔じゃね?


568 :それも名無しだ :2008/05/16(金) 21:38:56 wkJRHgh1
愚問だな。
メカだろうが生身だろうが、男のロマンの一言で十分ではないか?



569 :それも名無しだ :2008/05/16(金) 21:44:55 Gl0apMN0
>>568
いや、そうゆうことではなくてだな、
つまり、あんなに立派なロマンの塊がくっついてるんだから、間違いなく生身だろう
と言いたかったんだ。



570 :それも名無しだ :2008/05/16(金) 22:01:18 ZEb/xXMg
お前ら、攻略本くらい読めよ…。
アリアの設定のところに、「アプリカントのような機械式ではない」って書かれてるから。
つまり生身だってことだろ(遺伝子改造されてる可能性はあるけど)。



572 :それも名無しだ :2008/05/17(土) 02:02:08 NSwBN1Yd
しかし向こうも完全メカってわけじゃないみたいだからな。
ホムンクルスに似たような存在って言われてたし、生体部品交換云々あったし。
MFの方はむしろロボを前面に押してるが。Wシリーズでも別物なのかね



573 :それも名無しだ :2008/05/17(土) 04:04:35 m2pFQ2bv
胸は恐らくアプリカントやレモンの趣味だな



574 :それも名無しだ :2008/05/17(土) 11:59:09 fQH0lljH
アリア「ロボチガウロボチガウロボチガウロボチガウ…」カタカタカタカタ



575 :それも名無しだ :2008/05/17(土) 12:05:45 NSwBN1Yd
ロ(ry

無限ループって怖くね?




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579 :それも名無しだ :2008/05/19(月) 03:19:24 QqIXgCYS
カズマ「ハア……ただいま」
アリア「お帰り。その様子だと、首尾はあんまり?」
カズマ「いや…ったく。渉外はホリスの管轄だってのに、何で俺がよお」
アリア「先方からの指名だからね。仕方ないよ」

カズマ「あー…面倒臭えなあ」(デスクで唸っている)
——コトリ
カズマ「ん?」(目の前にコーヒーが置かれていた)
アリア「…何?」(空のトレイを持って立っている)
カズマ「いや、コーヒーを淹れてくれって言った覚え無いんだけど」
アリア「え? 迷惑だった?」
カズマ「いや、そうじゃなくて。…ちょっと、驚いた。寧ろ、意外って言うかさ」
アリア「そう? 普通だと思うけど」
カズマ「そうか? …いや、そう、かもな」
——一服中
カズマ「ふう。仕事に掛かるか。見積もり出さんと」
アリア「はい、これ」(ファイリングされた先方の資料を渡す)
カズマ「・・・」
アリア「? またそんな顔してどうしたの?」
カズマ「いや、気が利くなって思ってさ。…そう言うの、素直にありがたいよ」(仕事に掛かる)


580 :それも名無しだ :2008/05/19(月) 03:30:01 QqIXgCYS
アリア「・・・」

某クールスパイ「相手の事を根掘り葉掘り聞くだけじゃあ、中々進展はしないわね」
アリア「どうしてです? 何があったか知るには聞くしか」
スパイ「仕事の後…長期の出張とかの後だとくたくたでしょう?
    思い出したくない事だってあるでしょうし、それを蒸し返されるのは誰だって厭よ」
アリア「そう、かもですね」
某スパイ「だから、敢えて聞かないの。必要な事なら向こうが喋ってくれる。
      それを待ちながら黙ってお茶でも淹れて、さりげなく仕事のフォローするとね」
アリア「どうなるんです?」
某スパイ「傍に居る女の存在感が男の中で際立つの。
      向こうがそれに気付いたら、急に優しくしてくれたりね」
アリア「へえ」
某スパイ「男って変な処で意地っ張りだから。でも、それも慣れると可愛いモノよ?
      男を立てるのも生かすのも、結局は女次第なのよ」
アリア「難しい、ですね」
某スパイ「私もそう思った。でも、ある日ふっと気が付いた。後は、簡単だったわね。
      見た目はアレだけど、私には優しいのよ? 私の処のは」
某タイムダイバー「余計な事は言わんで良い」
某スパイ「本当の事でしょうが」
某わかめ「お前のそれは仕事のパートナーの在り方ではなく、伴侶としてのそれだろう。
      誤解される言い方は控えろ」
某スパイ「…ね? 判り易いでしょ? 恥ずかしいから臍を曲げちゃったわ」
アリア「あ、あはは」
某わかめ「だから! …っ、まあ、何だ。余り毒され過ぎんようにな。アリア=アドヴァンス」

アリア「・・・」
カズマ「…リア? お〜い。聞いてるのかよ?」
アリア「へっ? あ、ゴメン。ちょっと、思い出してて」
カズマ「聞いてなかったのかよ。まあ、良いけどさ」
アリア「だからゴメンって。…で、何?」
カズマ「いや…今度、補給でビットに戻るだろ? その時、俺に付き合わないか?」
アリア「へっ!?」
カズマ「一緒に酒でもって思ったんだけどさ。無理なら、良いんだ」
アリア「い、いや、受ける! 喜んでさ!」
カズマ「そっか? じゃあ、決まりな」
アリア「うん…でも、どうして? カズマがあたしを誘うって珍しいよ」
カズマ「ん? ん〜、何だろうな? 急にそうしたくなって言うか、俺にも判らん」
アリア「ふ、ふ〜ん(これ、早速効果が出て?)」
カズマ「顔、にやけてるぞ?」
アリア「う、うるさいな! ん、でも…楽しみにしてるから。で、デート//////」
カズマ「なっ…い、いや…うわ。確かにそうなるのかこの場合///」


アリアは女の器量が上がった!
カズマとのリレーションがレベルアップした!



581 :それも名無しだ :2008/05/19(月) 04:43:36 LP7uM8zQ
>>580
最後だけわかめにするんじゃありません
牛乳ふいたじゃないか!



583 :それも名無しだ :2008/05/19(月) 19:14:21 13T1VdL/
ツンに定評があるアリア。実は御奉仕大好き…だったら面白いかも。
んで、カズマは逆にワンマンで基本的に他人を頼らないタイプなら尚良し。

カズマ「この仕事を請けたのは俺だ。アリアはすっこんでろ」
アリア「酷いよカズマぁ!あたしはカズマの相方でしょう!?」

端から見ればカズマの寵愛を受けようと必死のアリア。…だったらいいな。




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584 :それも名無しだ :2008/05/21(水) 15:44:35 2rUKNduq
知の記録者の中でアリアってアプリカントを除けば数少ないって言うか唯一?の実体持ちだけど

性的な方面の記録で生で女の反応を記録と言う名目であんな事やこんな事をされるアリア。とかもあったのだろうか?

知識を記録する為と騙され色々と。



585 :それも名無しだ :2008/05/21(水) 19:34:09 4TQuqstr
と見せかけてアリアに初潮が来てあたふたするアプリカント
その無様な様子を華麗にスルーしつつぎゅ様が対応
インファレンスが何事かと覗きにくるがれぎゅ様が華麗に追い払う
全てを察し黙ってお赤飯の用意をするクリティック
それを見ていたれぎゅ様キモいからと華麗にケツバット



586 :それも名無しだ :2008/05/21(水) 21:18:30 nbSRnrHK
>>585
アリア=なえか
クリティック=こがらし
レギュママン=ふぶき
という構図が浮かんだどうしてくれるw



587 :それも名無しだ :2008/05/22(木) 07:18:49 QIaUuPB2
でぃせk「ぱぱぁ!かくごー!」
でぃせl「けつばーっと!」
クリティ「はうん…って、お前達いきなり何をする!」
でぃせm「えーっと、れぎゅままがこのまえぱぱにやってたことー」
でぃせn「なんかうれしそうだったー」
でぃせo「よだれたれてたー」
クリティ「そんな事有る訳無い。いい子だからお勉強室に戻りたまえ。」
でぃせp「あれー?ちがったかなー」



588 :それも名無しだ :2008/05/22(木) 16:02:04 65+f4uh7
>>587
ちょっとwwレギュ何やってんだよ。
つかアプリカントもアプリカントだなww


589 :それも名無しだ :2008/05/23(金) 09:46:34 ESltDQ+b
アリア「ねえ、カズマ」
カズマ「ん? どした?」
アリア「あたしって、さ。子供って、作れるのかな」
カズマ「子ど…生殖って意味か?」
アリア「うん」
カズマ「そりゃあ俺には分からんな。製造元に聞くか、医者に調べてもらうしかなあ」
アリア「そっか」
カズマ「んで、何だってそんな話を?」
アリア「ちょっと思ったんだ。あたしは、人に似てるけど人じゃない。自分が存在した証ってのをさ、思い出以外で世に残せるのかって考えちゃったんだ」
カズマ「…自分の血や遺伝子を残す為に生物は生きてるからな。アリアも真の意味での家族が欲しいって事か」
アリア「カズマはどう? ただ、抱けるだけの女の方がカズマには都合が良いのかな」
カズマ「難しいな、そりゃ。俺も未だ餓鬼だし、子供とか結婚とかは漠然としか思い浮かばんよ」
アリア「・・・」
カズマ「でも…」
アリア「なに?」
カズマ「俺も何時かは親父になるんだろうさ。そん時は、俺の隣にはアリアに居て欲しいもんだけどな」
アリア「! ふ、ふーん。あたしに生んで欲しいんだ」
カズマ「へへ。他に種の仕入先はあるのかよ」
アリア「無いわね。…そっか、カズマはそれでも良いんだ」
カズマ「アリア次第だ。お前にその気持ちがあるなら、俺も腹を括るぜ」
アリア「…ちょっと、パパにその辺の所を聞いてみるよ」
カズマ「ああ。それが一番手っ取り早い」




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594 :それも名無しだ :2008/05/24(土) 12:27:50 MPGO+n+v
ある日の戦闘にて・・・
『敵機接近、総員戦闘配置。指定のパイロットは出撃準備を急いでください』
デュオ「よお、カズマ。今回はお前らはお休みだとよ。んじゃ、ちょっくら行って来るぜ」
カズマ「ん、ああ。(なんだ、この胸騒ぎは)」
ホリス「ちょうど良かったじゃありませんか。最近ヴァルザカードは連戦でしたし、ゆっくり休ませてもらいましょう」
ミヒロ「そうだね。でも、何でホリスもデュオさんも嬉しそうなの? ねぇ、お兄ちゃん・・・・・・お兄ちゃん?」
カズマ「・・・・・・・・・ミヒロ、今日の出撃リストは?」
ミヒロ「ちょっと待って・・・・・・はい、これ。・・・・・・・・・お兄ちゃん、どうしたの? 汗なんて流してそんなに暑い?」
カズマ「ミヒロ! 宗介は、相良宗介はどこだ!」
ミヒロ「お、落ち着いてお兄ちゃ、ちゃん。そんなにゆ、揺らさないでぇ!」
カズマ「頼む、教えてオゲァ」
アリア「馬鹿カズマ、何ミヒロをいじめてんのよ!」
ミヒロ「あ、ありがとう、アリ姉ちゃん(でもそのハリセンはどこから・・・)」
アリア「それに宗介ならあっちにいたよ」
カズマ「何!? アリア、今すぐ案内してくれ!」
アリア「あ、ちょ、ちょっと、そんなに引っ張んないでよ。何なのよカズマアアァァァァ・・・・・・」
ホリス「行っちゃいましたね」
ミヒロ「うん。でもお兄ちゃんなんであんなに必死なんだろ?」
ホリス「よほどアレが嫌なんでしょうね」
ミヒロ「???」

ついカッとなってやった。そもそもここは版権キャラ混じってても良かったっけ?



595 :それも名無しだ :2008/05/24(土) 12:42:09 7peYAYab
デュオはWにおいてはオリキャラに片足つっこんどるからなw



596 :それも名無しだ :2008/05/26(月) 10:45:48 UitOqA7o
>>594

  _ _∩.
( ゚∀゚)彡<続き! 続き!
    ⊂彡.





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604 :それも名無しだ :2008/06/04(水) 23:51:09 67zIe46e
最近過疎り気味なんで小ネタ投下
カズマ「なぁアリア・・・デートしない??」
アリア「!!!!」



605 :それも名無しだ :2008/06/05(木) 06:53:34 vBhLoYzR
ディセZ「>>604というカキコミをアリア様の手帳から見つけました」
シホミ「…で、何故私に報告を?(荒縄準備)」
ディセZ「何故だか任務みたいなものを感じました故」
シホミ「あらあら…(蝋燭準備)ちょっと用事ができたからこれで失礼するわね?(ニッコリと開眼)」
ディセZ「行ってらっしゃいませ、シホミ様(鞭手渡し)」



606 :それも名無しだ :2008/06/05(木) 20:11:47 pQ3suQXh
カズマ!アリア!逃げろーーー!!



607 :それも名無しだ :2008/06/06(金) 00:01:23 Xo2gFYFu
シホミ姉さんからどれほど逃げても結局仏陀の掌の上にすぎないのさ



608 :それも名無しだ :2008/06/06(金) 00:31:35 Anhw3IgM
カズマ「フッ…逃げた先に楽園なんてありゃしねえのさ……」
アリア「覚悟を決めようか…」



611 :それも名無しだ :2008/06/06(金) 17:52:11 j3QNMJsj
カズマ「アリア!此処は一旦俺が囮になるから先にあの場所へ行っててくれ!」
アリア「う…うん!


〜数分後〜


カズマ「はぁはぁ。何とか撒いたな。うっし、今日こそはアリ「残念でした、カズマ様」…っ!?」
ディセZ「此処は既にシホミ様の手の内…御諦めください。(でぃせいばーz、ディセイバーZZにより捕縛)」
カズマ「ちょ!何でお前等が!?っつーか、誰!?」
ディセZZ「…さぁ?」
でぃせz「れんこー♪」





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612 :それも名無しだ :2008/06/06(金) 21:33:23 OYpkFJOx
カズマのエロさは異常



613 :それも名無しだ :2008/06/06(金) 23:20:09 0US8cvBN
シホミとミヒロのブラコン度の方がもっと異常



614 :それも名無しだ :2008/06/06(金) 23:27:57 XFqWgM5I
そしてカズマのもてなさは通常



615 :それも名無しだ :2008/06/06(金) 23:36:01 Anhw3IgM
カズマ「モテなくたってかまわない。一人の大切な人がいればそれでいいよ」



616 :それも名無しだ :2008/06/06(金) 23:36:43 bJi4rsY6
トレイラーは人情



617 :それも名無しだ :2008/06/07(土) 03:18:36 wlH2HhJX
料理は愛情


624 :それも名無しだ :2008/06/09(月) 10:29:27 s6QAgV62
アカネバヤシ「料理=愛情、料理=マヨネーズ、つまりマヨネーズ=愛情だったんだよ!」
カズマワヤ「な、なんだってー!」

ホリス「アホの子の可愛さにも限度が(r」





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628 :それも名無しだ :2008/06/14(土) 23:21:27 X0mqAiII
ちょっとしたSS投下

カズマ「この前のデートの件、次の休みでいいか??」
アリア「え?!あれホントだったの??冗談かと思ってた・・・」
カズマ「いや・・・アリアが嫌なら別にいいけど・・・」
アリア「いやっ!!全然平気!!むしろ嬉しい!!」
カズマ「そう??なら良いんだけど♪」
アリア「・・・」
カズマ去る


アリア「♪〜♪〜♪〜やった〜!!カズマとデートだ〜♪」

影でミヒロ&シホミ「な、なんだってー!」



629 :それも名無しだ :2008/06/15(日) 22:55:52 Z6K0HCwN
陰でレギュ様「駄目だと言ったのに…」



636 :それも名無しだ :2008/06/18(水) 21:50:45 QpIm+GYG
—デート中
カズマ「しかし…ミヒロや姉さんを出し抜くのがここまで骨だとは思わなかったぜ」
アリア「あたしも。レギュレイト様が目敏過ぎてもう…」
カズマ「と言うか、そこまで目くじら立てられなきゃならん事をしとるのかね?俺らは」
アリア「知らないよ。障害があるほど燃え上がる恋…なんて浪漫溢れるモノじゃないのは確かだけど」
カズマ「この場合、大人気無いのはどっちなのかな」
アリア「あたし達に非は無い…と思いたいね」
(お互い見詰め合う)
カズマ「あー…ちょっと、アリアにしたい事が出来たんだけど、聞いてくれるか?」
アリア「奇遇だね。あたしもカズマにして欲しい事があるんだ」
カズマ「へえ?じゃあ、同時に言おうか」
アリア「いいよ。…それじゃ、いっせーの」
「ハグしたい」「キスして欲しい」
カズマ&アリア『・・・』
カズマ「せいや!」(抱き締める)
アリア「んなっ!?ちょっ、カズ…あん…♪」
—暫くお待ち下さい—
カズマ「お互い、意思疎通に問題ありだな。修行が足りない、か」
アリア「もう…馬鹿」


644 :それも名無しだ :2008/06/21(土) 11:58:35 lbhnTYzf
今更ながらWをやってみたんだが、アリアが仲間になるとこまで進めた
…加入するときのアリアの態度かわいすぎ



645 :それも名無しだ :2008/06/21(土) 12:11:37 kLnuZk5Y
ようこそ



646 :それも名無しだ :2008/06/21(土) 12:37:34 x48S089e
ムーンサイドへ



647 :それも名無しだ :2008/06/21(土) 12:59:29 lbhnTYzf
アリア加入時に、カズマがドキっとしたのはすげーよくわかる…
あんな態度取られたりしたらな…



648 :それも名無しだ :2008/06/21(土) 21:45:32 phXfU48/
しかしレギュレイトに、手出しちゃアウト宣言をされるのであった・・・


649 :それも名無しだ :2008/06/21(土) 22:28:27 lbhnTYzf
キョウスケ「カズマ!アリアに手を出すのを待ってるぞ!」
ブリット「こんな所であきらめるな!アリアとのゴールはずっと先のはずだぞ!」
リョウト「自分に負けるな!そうすれば、きっと君はアリアに手を出せる!」
カズマ「みんな・・・」

エクセレン「カズマ!アリアへの気持ちはライクじゃないわ!ラブよ!」
ヒューゴ「レギュレイトに負けるな!アリアのために理性を断ち切れ!」
Dボゥイ「ここで立ち止まったら最低勇者ロボ軍団に笑われるぞ!」
トウマ「カズマ!お前なら手を出せるはずだ!」
イルム「俺達は君を信じている!必ずアリアに手を出せよ!」
カズマ「あ・・・ああ・・・!」

ジョッシュ「カズマ、お前はノーマルなんかじゃない!」
アラド「そうだぜ!俺達を救ってくれた勇気があればレギュレイトさんにも負けないはずだぜ!」
マサキ「お前も俺たちの仲間だ」
コウタ「だから信じてるぜ!あんたがアリアに手を出すことを!」
カズマ「みんな・・・」

アリア「カズマ!」
カズマ「アリア…!」
アリア「あたし、部屋で待ってる・・・、大好きなカズマを部屋で待っているからね!」
約束だよ! 必ず部屋に来てね!」
カズマ「約束する・・・約束するぜ!」
アリア「うん・・・!」



651 :それも名無しだ :2008/06/21(土) 23:59:20 Vd1OL8oB
カズマ「なあ」
アリア「なあに?」
カズマ「後悔とか、無いのか?俺と、こうなってさ」
アリア「無いよ。カズマはあったりするの?」
カズマ「そう言う訳じゃな。ただ、アリアはどう思ってるのかって、ちょっとな」
アリア「不安なんだ。そうじゃなかったらそんな事言わない筈だもんね」
カズマ「いや…」
アリア「安心してよ」
カズマ「え?」
アリア「あたしはカズマだから、その理由が判る。だから、その心を否定はしないよ」
カズマ「受け入れるってのか」
アリア「うん。ただ…」
カズマ「?」
アリア「カズマもあたしだって事、忘れないで。それなら、あたしの考えや気持ちも筒抜けでしょ?」
カズマ「ああ、そっか。そうだよな」
アリア「誰が何と言おうと、あたしはカズマの女だ。だからカズマも…あたしの事、大切にしてね?」
カズマ「俺の、か。…はは。随分懐かれたもんだな。昔とは大違いだぜ」
アリア「もうデータベースに未練はないからね。…今度からはちゃんと察してよ?もう口には出さないからさ」
カズマ「了解だ。…いっそ駆け落ちでもかますか?アリアよ」
アリア「どうしようもなくなったらね。ついて行くよ、カズマ♪」


ツインソウル—「魂の双子」にめぐり逢うために
ツインソウル—「魂の双子」にめぐり逢うために


投稿者 ko-he : 2009年02月07日 01:40

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コメント

……音ゲー○ーさんが見える気がする……

投稿者 Anonymous : 2009年02月08日 20:53

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